はじめ に
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
はじめに
「物理的な対象ではなく、うごめくひとびとが絡み合う、流動的で、かつ、束縛されることのない集合体」 これは都市計画理論家 Patsy Healey による都市を定義した言葉であるが、私は学部の頃からなぜかこの 言葉が気に入っていた。 現代の都市を的確に表現していると感じた。 気に入っていた言葉とはいえ、そのことについてさして深く考えるわけでもなく、変わらずに都市の中 で生活していた。 研究室に入った頃から、Twitter という Web サービスが注目されはじめ、私も研究室の先輩に勧められ て何とはなしにはじめてみた。 最初は特に面白いとも思わなかったが、徐々に友人や周囲の人たちも使い始め、一日に百件以上もの他 人のつぶやきがタイムラインに流れ始めた。 その様子を眺めていると、ふと、自分が都市の雑踏の中に立っているような感覚を覚えた。 そして、同時に Healey のあの言葉が頭に浮かんだ。 Twitter というのは都市そのものなのではないか。 逆に Twitter を介して都市を見ることはできないか。
2
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
目次
1 研究背景
5
1.1 都市の変容
6
1.1.1 情報化による変革
6
1.1.2 縮小する社会
7
1.2 都市ブランディング
8
1.2.1 ブランディングの背景
8
1.2.2 都市ブランディング事例
9
1.3 都市イメージに関して
11
1.3.1 都市の記述
11
1.3.2 建築を取り巻くメディア
14
1.3.3 メディアに現れる建築・都市
15
1.4 ソーシャルメディアと社会
18
1 . 4 . 1 W e b2 . 0
18
1.4.2 集合知
19
1 . 4 . 3 T wi tte r に つ い て
20
1 . 4 . 4 T wi tte r を 用 い た 様 々 な 試 み
21
2
研究概要
23
2.1 用語の説明
24
2.2 研究目的
25
2.3 研究フロー
26
2.4 先行研究
27
2.4.1 都市のイメージに関する古典的研究
27
2.4.2 都市のイメージに関する最近の研究
28
3
調 査 1 - ソ ー シ ャ ルメディア上の行動と実空間情報の関係 -
3.1 調査方法
29 30
3 . 1 . 1 T wi tte r デ ー タ 取 得
30
3.1.2 データ分析
31
3.2 分析結果
33
3 . 2 . 1[ 食 べ る ] と 飲 食 店
33
3 . 2 . 2[ 買 う ] と 小 売 店 鋪 の 関 係
34
3.3 考察
35
3
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
4
調 査 2 - ソ ー シ ャ ルメディアに現れる都市イメージの可視化 -
4.1 調査方法 4.1.1 調査概要 4.2 調査結果
目次
36 37 37 38
4.2.1 データ整理
38
4.2.2 調査結果概要
39
4-3 分析方法
40
4.3.1 分析の流れ
40
4 . 3 . 2 P r o c e s s i ng の 可 視 化 に つ い て
41
4 . 4 分 析 「 形 容 語 か ら 見 た 都 市 の 印 象 」
42
4.4.1 都市を形容する単語
42
4.4.2 単語の分類
43
4.4.3 イメージ要素の得点化
44
4.4.4 イメージ要素得点の可視化
45
4.4.5 クラスター分析
47
4.4.6 考察
48
4 . 5 分 析 「 名 詞 か ら 見 た 都 市 の 独 自 性 」
49
4.5.1 名詞出現数の偏差値化
49
4.5.2 名詞の分類
50
4.5.3 特徴語の可視化
51
4.5.4 考察
58
4 . 6 分 析 「 地 名 か ら 見 た 都 市 間 の 関 係 性 」
59
4.6.1 都市間の共起
59
4.6.2 都市間の方角と距離の入力
60
4-6-3 都市間の関係性の可視化
61
4.6.4 考察
82
5
まとめ
83
5.1 まとめ
84
5.2 展望
85
参考文献
86
謝辞
89
資料編
91
4
研究背景
1
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
研究背景
1
1.1 都市の変容 1.1.1 情報化による変革 人類は農業革命、産業革命によって、生活・社会的な大きな変革を経験してきたが、現在は第 三の革命である情報革命の非常に大きな奔流のまっただ中にいる。1980 年代以降にコンピュータ・ 情報通信分野の技術が急速に発展し、私達のライフスタイルや社会構造そのものを変えてしまっ た。情報革命による変化は、18 世紀の産業革命と比肩する、あるいはそれ以上であるとも言われ、 以前と以後の世界は全く違うものになった。パーソナルコンピュータの誕生、インターネットの 普及、携帯電話の登場、特に、1995 年に Windows95 が Microsoft 社から発売され、コンピュー タが個人の手に渡ったことで爆発的にその流れは加速した。人間とは比較にならないほどのコン ピュータの処理能力によって、あらゆるワークは効率化され、世界とつながったインターネット によって、あらゆる情報が容易に手に入るようになり、携帯電話により、 「いつでも」「どこでも」 他人とつながる社会になった。 情報技術は既存のあらゆる分野を横断し、その分野の発展に寄与しているが(時には駆逐も しているが)、建築の分野も例外ではない。今では図面は手描きではなく、CAD を用いてコン ピュータ上で正確な図面を描くのが当たり前になり、それまでなら複雑すぎて設計出来なかった ような形状の建築が建てられるようになった。脱構築主義者たちの作品は「建たない建築」とし て有名であったが、最近は彼らの作品が実際に建てられた姿を見ることが出来る。また、近年は BIM(Building Information Model) が注目を浴びている。三次元のリアルタイムなビルディング モデルソフトを用いて、形状、地理情報、部材の種類や金額など、あらゆる情報が一元的に管理 され、計画・設計・施工が円滑に行われるようになった。環境分野でも建築・都市空間内の風や 温度のシミュレーションが盛んに行われている。また、建築のプログラム自体も情報技術が反映 されたものが増えてきている。その先駆けとなったのは古谷誠章氏の「仙台メディアテークコン ペ案」の RFID タグを使った書籍の貸し出しシステムであろう。情報技術と空間をうまくつなぎ 合わせ、新たな空間像を提示していた好例である。 情報技術は建築空間だけではなく、都市空間の使い方も変化させた。卑近な例で言えば、携帯 電話がこれほど普及する前は、渋谷ならハチ公前といった特徴的な場所と正確な時間を事前に指 定し、他人との待ち合わせが行われ、最悪の場合出会えずに待ちぼうけを食らうという状況に 陥っていたが、今は携帯電話を使うことで、大体の場所を確認しておき、その場に着いたら連絡 すればよい。もはや都市空間内の特定の待ち合わせ場所は存在せず、あえていうならば、あらゆ る場所が待ち合わせ場所として機能する。また、Amazon や楽天市場などといったインターネッ トショッピングサイトで外出せずとも買い物ができるようになり、購買行動自体が大きく変わっ ており、現実の商業施設のあり方も見直される必要がある。
6
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
研究背景
1
1.1.2 縮小する社会 日本は 2005 年に戦後初めて人口減少に転じ、大きなターニングポイントを迎えた。統計によ ると、出生数と死亡数の差である自然増加数は 2004 年がプラス 8 万 2119 人であったのに対し、 2005 年はマイナス 2 万 1226 人であった。国立社会保障・人口問題研究所の発表 文 1) によれば、 今後の人口推計は 2030 年に 1 億 1522 万人になり、2050 年には 1 億人を割り、9515 万人になる という(図 1.1)。 人口が減少することで、結果的に経済規模もダウンサイジングを免れなくなってくる。経済成 長率は、労働者の増減率と労働生産性の上昇率によって決まり、労働力人口が減れば経済成長率 にマイナスの影響を及ぼす。人口が減れば当然、マーケットも縮小していく。人口が増加するか ら市場が拡大するという楽観的なマーケティングは通用しなくなるだろう。日本の総人口は減少 の一途を辿るが、東京やその周辺の神奈川・埼玉・千葉、愛知、大阪などの大都市では人口が逆 に増加している。このように日本の内部で人口の不均衡が起きており、都市部への人口の集中と ともにその消費マーケットをターゲットに、ビジネスも大都市に集中する可能性がある。そうなっ てくると、置き去りにされた地方部ではますます過疎化がすすみ、そしてさらにビジネスチャン スが減り、マーケットが縮小していく負のスパイラルに陥る危険がある。そのような事態を避け ようと、各地の地方自治体は、自分たちの街に訪れてもらうための様々な試みを行っているが、 具体的には次項以降に記す。 一方で、人口が縮小して行くことはデメリットだけではないという意見もある。例えば、通勤 ラッシュの緩和、道路の渋滞解決、住宅面積が増えるなど、一人一人の生活は今よりも豊かにな るという捉え方である。あまりに楽観的に思えるかもしれないが、もはや避けようがない人口減 少をネガティブにではなく「一人当たりのゆとりが増える」というポジティブな捉え方から、新 たなビジネスや施策につながるのではないか。
人口(万人)
14,000
12,000 老年人口
aging population
10,000
8,000
6,000
生産年齢人口
working population
4,000
2,000 年少人口
child population
0 1950
1960
1970
1980
1990
2000 2005 2010
2020
2030
2040
2050 2055 西暦
図 1.1.1-1 日本の将来人口推計
[国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成 18 年 12 月推計)中位推計」 を元に筆者作成]
7
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
研究背景
1
1.2 都市ブランディング 1.2.1 ブランディングの背景 前述したように日本の人口は減っていく一方で、東京や大阪などの大都市圏は人口が増える という偏りが起こり、都市部と地方での人口格差が一層大きくなると懸念されている。地方を支 える若年層が地方から都市部に流入し、地方の伝統的な風景や文化を継承する者がいなくなり、 地方そのものの存在が危ぶまれる。また、地域戦略の失敗によって財政破綻する地域、平成の大 合併の地域再編によって地域戦略の見直しを求められている地域など、地域間の格差が拡大して いる。このような日本の都市を巡る現状の中で、地域再生のための都市ブランディングに注目が 集まっている。 そもそもブランドとはなにか。ブランドとは、ある財やサービスを他の同カテゴリーの財やサー ビスから区別するためのあらゆる概念であり、その定義は曖昧である。ブランドはもともと、他 者の家畜と区別する為に、自分の家畜に焼き印を押したのが起源である。つまり、ブランディン グの本質は、いかに他者にはない自分たちの商品・あるいは組織自体の独自性を消費者にアピー ルするかということである。その独自性が唯一無二のものであれば、「そのブランドでしか買え ない、だからまたここで買おう」という持続的な関係が築かれることになる。マーケティングが「売 れる仕組みづくり」であるのに対して、ブランディングは「売れ続ける仕組みづくり」であると 言われる文 2)。つまり「買い続けてくれる人をつくる」と言い換えることが出来る。 これらは、商品を都市、消費者を市民と言い換えることで、都市ブランディングにも適用する ことが出来る。売れ続ける、つまり継続的な関係を作るためには、短期的にはメリットがないよ うな試みをしなくてはいけないかもしれない。目先の利益よりも、中長期的な視野を持って、ブ ランディングに取り組む必要がある。
8
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
研究背景
1
1.2.2 都市ブランディング事例 |横浜 クリエイティブシティ・横浜 海や地形、歴史や文化に恵まれている神奈川県横浜市は、これらの資源を生かした「文化芸術 創造都市クリエイティブシティ・ヨコハマ」と銘打ち、そのコンセプトを元にした都市施策を行っ ている。 ・アーティスト・クリエイターが住みたくなる創造環境の実現 ・デザイン・映画・映像・音楽・コンピュータソフト等の創造産業の集積 ・歴史的建造物の転用を図った魅力ある地域資源の活用 ・市民の主体的な活動の活性化 という上記四つの目標を掲げ、具体的に様々な試みが行われている文 3)。 2004 年から始まった「創造界隈の形成」プロジェクトでは、アーティストやクリエータが創 作活動、発表、居住する空間として、歴史的建造物、倉庫、空きオフィスなどを転用している。 BankART1929 は旧第一銀行と旧富士銀行の建物をコンバージョンし、芸術文化に関する催しの 際に利用する施設として活用されている。その他にも、BankART Studio NYK(倉庫)、急な 坂スタジオ(結婚式場)、ZAIM(旧関東財務局)、黄金町地区(特殊飲食店群)、「創造空間 9001」(旧東横線桜木町駅舎)など、横浜の歴史や文化を築いてきた時代の建築物を転用し、 クリエイティブシティを実現するための、拠点として機能している。 建築の転用・改修といった現代的な手法を用いながら、その手法すらもブランドコンセプトの 中に含んだ計画を行っている点は日本では先駆的な事例である。また各施設は分散的ながらある 一つのベクトルを持ったコンセプトで統合され、それらがある密度を持ったクラスターを形成す ることで、ブランドという虚像が体現され、人々の意識に確実に入り込んでいると言えるだろう。
図 1.2.2-1 BankART
図 1.2.2-2 急な坂スタジオ
参考・画像出典 横浜創造都市センター [http://www.yaf.or.jp/ycc/index.php] BankART 1929 [http://www.bankart1929.com/] 急な坂スタジオ [http://kyunasaka.jp/]
9
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
研究背景
1
|直島 地域資源と現代美術が融合した島 瀬戸内海に浮かぶ香川県直島は今ではアートの島としてのイメージが定着している。瀬戸内海 の風景は、かつて日本にやってきた欧米人達に「世界一ノ景」と絶賛される程であったという。 しかし、大正時代に漁業の不振で財政難に陥った直島に、銅の製錬所が誘致されることになった。 そこから出る黒煙によって、島の自然は破壊され、かつての景勝は見る影もなくなったといわれ ている。その後も近代化が進み、島の人口は減り、高齢化が進んでいった。直島では、日本の近 代国家の歴史を見つめ直すきっかけとして、現代アートを用いて、古い家々や寺社を再生する「家 プロジェクト」と呼ばれる民家再生プロジェクトを、ベネッセコーポレーションが主導して行っ ている。築二百年程の古い民家や寺社を改修し、現代美術の作品として生まれ変わらせている。 宮島達夫の「角屋」や、ジェームズ・タレルによる「南寺」など全 7 つの家プロジェクトが点在 している。それらは集落の中にとけ込み、住民達が生活する場と共存している。昔からそこに存 在していた有形無形の島の資産を活かし、そこに現代美術を融合することで、新たな情緒的な体 験価値を生み出しているといえる。現在の直島は、国内外から毎年二十万もの人々が訪れる場所 となっている。
10
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
研究背景
1
1.3 都市イメージに関して 1.3.1 都市の記述 都市を読み取る、あるいは記述するときに統計、地図、写真がごくごく一般的に使われてきた。 都市のイメージには全体性と局所性があり、前者は統計や地図、後者は写真によって理解される。 統計は客観的なデータで都市を俯瞰することが可能であり、ある意味万人に分かりやすく、都市 間の比較も容易である。例えば、1951 年には約 104 万戸の世帯が吐き出すゴミが一日に 1622 ト ン、同年の 1 月 24 日の 7 時から 19 時の間に京浜国道の品川区役所前を通過した自動車が 12102 台、 自転車が 1590 台、荷牛馬車が 330 台、歩行者が 5898 人、1950 年 1 月 1 日から 10 月 1 日までの 間の人口の自然増加が 8153 人、流入人口が 16554 人であるというように、都市の全体性の様相 が集計された数値で示される。このような具体的にはじき出された数値によってビジネスや計画 がなされ、世界が動いていることは否定しようのない事実である。しかし、これらの数値の羅列 から実際に都市の生活のイメージが想起されるであろうか。「具体的な」数値という言い方をし たが、都市の様相を記述することにおいては非常に抽象的である。ここには生活感のようなリア リティが欠如している。 地図は古代や中世より、都市の象徴的な体系や分節化された構造を全体的な像として示す役割 を担ってきた。しかし、近代の地図にはもはやそのような機能はなく、表層的な土地の起伏や街 路の構造だったり、行政的な区画を示すにすぎない。都市を読み取る、あるいは記述するときに 統計、地図、写真がごくごく一般的に使われてきた。都市のイメージには全体性と局所性があり、 前者は統計や地図、後者は写真によって理解される。 統計は客観的なデータで都市を俯瞰することが可能であり、ある意味万人に分かりやすく、都 市間の比較も容易である。例えば、1951 年には約 104 万戸の世帯が吐き出すゴミが一日に 1622 トン、同年の 1 月 24 日の 7 時から 19 時の間に京浜国道の品川区役所前を通過した自動車が 12102 台、自転車が 1590 台、荷牛馬車が 330 台、歩行者が 5898 人、1950 年 1 月 1 日から 10 月 1 日までの間の人口の自然増加が 8153 人、流入人口が 16554 人であるというように、都市の全 体性の様相が集計された数値で示される。このような具体的にはじき出された数値によってビジ ネスや計画がなされ、世界が動いていることは否定しようのない事実である。しかし、これらの 数値の羅列から実際に都市の生活のイメージが想起されるであろうか。「具体的な」数値という 言い方をしたが、都市の様相を記述することにおいては非常に抽象的である。ここには生活感の ようなリアリティが欠如している。 また、地図は古代や中世より、都市の象徴的な体系や分節化された構造を全体的な像として示 す役割を担ってきた。しかし、近代の地図にはもはやそのような機能はなく、表層的な土地の起 伏や街路の構造だったり、行政的な区画を示すにすぎない。 写真の場合は、統計や地図とは違い、全体性を表すのではなく、都市の局所性が光学的な痕跡 として写り込んだメディアである。写真の中の都市は確かに具体的ではあるが、都市のごく一部 分のある時間の瞬間が切り取られたに過ぎない。また、それが都市としてどう読み取られるかは、 撮影者である写真家の恣意性は排除しきれないし、またそれを見た者の主観にも起因する。 統計と地図を組み合わせた記述方法として秀逸なのは、人文地理学者の木内信蔵と丹下健三が監 修した『 日本列島の地域構造・図集』文4)である。 某グラフ、円グラフなどグラフの概念で捉えられる手法は、現象を定量的に鋭く表現するためにはなくては
11
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
研究背景
1
ならないものである。しかし量的な対比を明確に表示しようとすればするほど、複雑な構造をもった全体像 の極小部分を切り取る形となり、全体像を見ようとすれば、継時的に多数のグラフをつき合わせて、観察者 の思考過程の中で論理的な関係を組み立てなくてはならない。その点で、なまの数表を読んでいく場合と同 じような、利用の限界がある。 また、地図の概念でとらえられるものは、量を表現する点・線・面などの図形あるいは定性的な記号 - アイ ソタイプを地形図の上にプロットして現象の地域的分布を示すものである。地域間の対比はこれによって表 現することは出来るが、性質の異なる諸指標間の相関関係を読み取ることは一般に困難である。構造モデル をあらかじめ想定して量的表示のパターンを標準化し、図上での相関関係を強調しようとすれば、それは主 観を含んだ特定の論証に単に「さしえ(イラストレーション)」を付け加えるだけのことになる。 われわれの意図したものは、計測された地域現象をふたたび実体間のある形象にもどしながら、それらの形 象が自ら意味を語り始めるのを期待する、といったことである。 個別の地域現象が個別の形象に表現されていたとしても、最初の現象そのものの相互の間に相関関係が成り 立っているものであれば、形象を相互に重ね合わせたときにその関係は自ずからにじみ出して来なければな らないーそれを可能にするような形象化の方法を見つけたい、ということがデザインの最大の課題であった。 今ひとつは、その形象化の方法が主観的な好みやいわゆる「うまさ」が介入することなく、一定の論理的な 方法として繰り返し多くの場合に利用できることが望ましかった。 < 中略 > いまひとつの手法は、府県単位の正六角形の連続によって量の分布をそのまま地域構造の定性的表現に転化 させようとするものである。この場合、日本列島の偶然の形態的な特徴が、見慣れた者にとっては都道府県 の位置関係を見つけるのに容易であるということが大きな助けになった。 < 中略 > 正六角形図形は、それぞれについて、二個以上の指標を重ね合わせることによって、一方を他方に対する背 景資料としていわば白地図としての役割を持たせた。すべての正六角形を相互に比較することによって各種 の現象の間の相関や矛盾を読んでゆくことが本来の使い方である。
(本文概要より転載) この図集では、統計的データを地図的表現と併用することで、現象を実体的な形として再構成し、 具体的に意味を持ったイメージを喚起するようにデザインされている。
図 1.2.1-1 日本列島の地域構造・図集
『日本列島の地域構造・図集/ Regional Structure of Japanese』日本地域開発センター編
12
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
研究背景
1
情報技術の発達によりデジタル環境は大きく進化をとげ、同時に統計や地図、写真といったメ ディアは、本質は変わらないものの、表現の点で新たな様相を呈している。Google は人類が扱 う全ての情報を集め整理するという壮大な目的を持っている。それは都市に内包する情報も例外 ではなく、Google が提供する地図サービス、「Google map」及び「Google earth」には都市や人 間の活動に関するあらゆる情報がオーバーレイされている。写真共有サイトにアップロードされ た写真や、街をアイレベルで見渡せるストリートビュー、店舗情報、観光スポットの紹介などの データベースが地図の上に布置されている。またインターフェースについても、縦横無尽にヴァー チャルな地球の上を行き来でき、ズームインもアウトも自由に行うことができ、チャールズ・イー ムズと妻レイが手がけた映像作品「Powers of Ten」を彷彿とさせる。 Google earth を概観することで都市を見ている感覚が喚起されるのは、膨大な情報が整理され すぎず、全く無秩序でもない絶妙なバランスで仮想の世界の中に存在しているからであるように 思える。写真やストリートビューのような都市の局所性に関わる情報、地形や交通情報など全体 性に関わる情報、それらをシームレスに見ることが出来る。
図 1.2.1-2 様々な情報が布置される Google Earth Google
13
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
研究背景
1
1.3.2 建築を取り巻くメディア 2000 年代から建築系雑誌が次々に消滅していっている。2000 年には『SD』、2004 年には『建 築文化』、2008 年には『10+1』がそれぞれ休刊・廃刊になった。かつては建築のプロフェッショ ナルが雑誌を介して作品や論考を啓蒙し、読者がその知識を吸収し勉強するという構図が成立 していた。近代建築において雑誌の役割というものは非常に大きかった。コルビュジエは詩人 ポール・デルメ、画家アメデ・オザンファンと共に発行した雑誌『レスプリ・ヌーヴォー』の 中で自らの建築思想を記し、セルフ PR の場として利用したのである。しかし、現代になって Windows95 が登場しインターネットが普及しだした頃を境に、個人が情報の発信者となる社会 構造の変化が起き、マスメディアが相対的に力をなくしてきた。 また、日本のバブルが終焉を迎え建設業界が逆風を受けている中で、その時代の流れを受けて 雑誌自体も大きな変化が訪れた。特に『Casa Blutas』は建築雑誌に関わる人間に大きな衝撃を 与えたという。一般の人々がメインターゲットである雑誌に、建築家の作品の紹介や現代建築の 解説等が書かれ、さらに言えばそれがコンビニの書棚に漫画雑誌や週刊誌と並べておいてあると いう、それまでには考えられない現象が起きた。建築雑誌は建築関係者が読むものであったが、 一般の人々に建築の興味を喚起する目的でオープンになったのである。 建築学生に限らず、若い人は本を読まなくなったと揶揄されることがあるが、それは情報の消 費の仕方が変わってきたということであると考える。かつては情報の入手先がほぼ唯一と言って よい程、書籍であった。しかし、今は情報の入手先の選択肢が増え、さらに目的に応じて使い分 ける様になったと言える。私の建築情報の入手の方法を例に述べるなら、Twitter や Facebook、 RSS などで流れてくる情報を見て、興味があればさらに詳しい情報をインターネットで検索する。 そこで必要な情報が得られなければ、関連する書籍を求めて図書館や書店に赴く。 南洋堂書店 の扱う建築雑誌の中で実務に特化した『建築知識』だけが売り上げが落ちていないという事実は、 この情報入手行動を裏付ける材料であろう。例えば、コンペにどの建築家が勝ったとか、建築雑 誌にまだ載っていないような作品の写真が流れて来たりだとか、タイムリーな情報がいち早く流 れてくるのである。
14
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
1
研究背景
1.3.3 メディアに現れる建築・都市 建築雑誌が衰退しているとはいえ、近年、建築の専門雑誌以外のメディアで建築が取り上げら れることが多くなってきた。一般向けの雑誌や写真集、テレビ番組、映画はてはゲームまで私た ちに身近なメディアに現在の都市の様相が映し出されていると言える。そしてまた、そのような メディアを通して私たちの都市に対するイメージが形成されているともいえる。以下に建築・都 市と関わりの深いメディアを挙げていく文5)。 「九〇年代、メディアの中の都市」(松田達 『10+1 No.19 都市/建築クロニクル』pp.116-119) に掲載された表をもとに 筆者が加筆・修正
|雑誌
『建築思潮』(学芸出版社、 1992─)
『季刊都市』(都市デザイン研究 所、1989)
『Telescope』(都市・建築ワーク ショップ、1986─97)
『InterCommunication』(NTT出 版、1992─)
『エディフィカーレ』(エディ フィカーレ同人、1991─1996)
『造景』(建築資料研究所、 1996─)
建築を真剣に討議することを目的 とした分厚い(熱い?)雑誌。世 紀末、アジア、震災など90年代的 事象を特集。大御所から若手まで 多彩な論者が執筆。関西の書き手 が多いのも特徴。
2冊出版され、それぞれの特集は 「ポスト・ポストモダン都市」と 「性的都市」。ニューアカ以降の 論者や建築家がデコン以降の都市 と建築のあり方を先取りした。 『10+1』の前身的雑誌。
鈴木明と太田佳代子の編集による 都市・建築の総合批評雑誌(日英2 カ国語)。視点も語り口もユニー ク。98年からネット上で「テレス コウェブ」が始まる。
浅田彰らが中心となりインター ジャンルの批評や活動を紹介。テ クノロジーとアート、メディアと コミュニケーションなど様々な視 点から特集を組む。ICCの機関誌。
東京大学原広司研究室出身の南泰 裕と太田浩史が大学院時代に始め た建築同人誌。最終メンバーは五 十嵐太郎、石崎順一、大川信行、 槻橋修、奈尾信英、南泰裕、山中 新太郎の7人。
景観とまちづくりをテーマにする 雑誌。ランドスケープを重視した 都市計画的試みなどが紹介され る。共著『美の条例』で知られる 弁護士五十嵐敬喜が磯崎新批判を したのもこの雑誌。
『BIO City』(ビオシティ、 1994─)
『ランドスケープデザイン』(マ ルモ・プランニング、1995─)
『Topos』(エーエルエス、独= 1992─、日=1998─)
『東京人』(都市出版、1986)
『A』(文芸社、1998─)
『CONFORT』(建築資料研究 社、1990─)
生物にとっての快適な環境と地域 づくりを目指す雑誌。ランドス ケープなどの具体的なプロジェク トを取り上げることはそれほど多 くないが、行政の試みやビオトー プなどが紹介される。
ランドスケープの総合誌。ランド スケープ・アーキテクチャーのプ ロジェクト紹介も多いが、GIS(地 理情報システム)や景観シミュ レーションなど興味深い特集も組 まれる。
ドイツから出版されているヨー ロッパ全域を対象としたランドス ケープ・マガジン。途中から日本 語版が出ている。ヨーロッパのラ ンドスケープ・アーキテクチャー の最新情報を知ることができる季 刊誌。
川本三郎、陣内秀信、森まゆみが 編集人をつとめる。東京に関わる 文化人へのインタヴューや対談な どの他、東京名所案内など、路上 観察的な視点も持つ。現代建築特 集(99年10月号)も組まれた。
早稲田大学石山修武研究室出身の 馬場正尊が編集長を務める雑誌。 都市を新鮮な切り口で表現する。 原広司や菊竹清訓へのインタ ヴューも。テクノ風の文字、DTP を生かした大胆なレイアウトなど はフライヤー的?
インテリア系の雑誌は多いが、素 材、建材の説明も充実している。 99年夏から巻末のデータベース的 付録(ガラス、椅子、タイルな ど)がなくなったのは残念だが、 季刊から隔月刊へと刊行数が増え た。
『ブルータス』(マガジンハウ ス、1980─)
『Studio Voice』(インファス、 1977─)
『Esquire』(エスクァイア・マガ ジン・ジャパン、1988─)
『Tokyo Walker』(角川書店、 1990─)
『じゃマール』(リクルート、 1998─)
『Quick Japan』(太田出版、 1994─)
ときどき建築の特集を。「東京23 区に家を建てられますか?」特集 (1999年12/1号)では若手建築家 が勢揃い。季刊の『ブルータス・ カーサ』も面白い。カーサはハウ スでなくホームの意らしい。
ハイエンド・サブカルチャー総合 誌と言えるか。音楽、ファッショ ン、映画など特集も多岐に渡る。 同様の判型の『Cut』『H』などと 微妙に棲み分けをしている。今後 の建築の特集も期待される。
Art of Livingがテーマ。ファッ ション、インテリア、ガイコクな どを紹介する高級デザイン・アン テナ・マガジン。99年12月号「21 世紀、住宅進化論。」特集は買 い!
『ぴあ』に対して情報量は少ない が、毎回の特集に力が入る。本家 の『ぴあ』もつられて情報を削っ たことは、1冊の雑誌が都市全体を 把握することが不可能なことを示 しているのか。
売ります買います情報、あるいは 人探しなどの情報だけで出来上 がった雑誌。実際には同誌のネッ ト版の方がやりとりが早くて便 利。いつの間にか、出会い情報が 増えてきた。
ヴィジュアルよりも、ルポやイン タビューが特徴的な文字の多いサ ブカル誌。アニメから爆笑問題、 ゴアトランスなど守備範囲も広 い。ライターも20歳前後と極端に 若い。J文学ともシンクロ?
『Casa BRUTUS』(マガジンハウ ス、2000─) Blutasの増刊として発行され、そ の後定期刊行されるようになっ た。「Casa」=家を中心に、建 築、デザイン、食、アートなどの テーマを扱っている。
15
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
研究背景
1
|展覧会
「近代都市と芸術展1870─1996」 (東京都現代美術館、1996)
「建築の20世紀展──終わりから 始まりへ」東京都現代美術館ほ か、1998─1999)
「水の波紋」展(ヤン・フート、 ワタリウム美術館)
「秋葉原TV」(Command N、 1999)
「ライト・コンストラクション」 展(MoMA、1995)
「バーチャルアーキテクチャー」 展(東京大学総合研究博物館、 1997)
ポンピドゥ・センターで行なわれ た同テーマの展覧会を再構成した もの。芸術家と建築家が描いた都 市を1870年から10年ごとに分けて 展示。「都市」の大規模な回顧 展。
MOCA企画の世界巡回展であり、 東京から出発した。「建築の20世 紀」を21の視点から描く。包括的 展覧会ではあるが、近年の研究成 果を生かした新しい視点も提示し た。
ワタリウム美術館がある青山周辺 に現代美術作品を散りばめた参加 型の展覧会。同時にゴミ拾いなど 10本の関連企画も(参加者約2000 人)。外に出た美術館。
秋葉原電気街全域を会場とした ヴィデオアート展。商店のモニ ターをそのまま利用して11カ国25 作家の作品を上映。秋葉原がすで にナム・ジュン・パイク的マルチ ヴィジョン都市であることを再発 見。
ライトには光と軽さがかけられて いる。伊東豊雄、妹島和世が入っ ているのはわかるが、実際には コールハースやベルケルなど、主 流の建築家がほぼ出展していた。
「建築における可能と不可能の 差」をキーワードにコンピュータ と建築の関わりを考える。国内外 の建築家が多数出展。「差」を消 そうとするもの、「差」を積極的 に生かそうとするものの差が現わ れた。
「ヴェネツィア・ビエンナーレ 1996」
「海市──もうひとつのユートピ ア」展(ICC、1997)
『NOWHERE』 (ハートラン ド、1996、「未来都市の考古学 展」より)
「大地の芸術祭 越後妻有アートト リエンナーレ 」(大地の芸術祭実行委員会、 2000-)
「横浜トリエンナーレ」(横浜ト リエンナーレ組織委員会、2001-)
「ベネッセアートサイト直島」 (ベネッセコーポレーション、 2004-)
震災現場から瓦礫を運んで展示し た日本館は金獅子賞を受賞。デコ ンの終焉を印象づける。建築の非 物質的傾向を示すいくつかの展覧 会とは対照的に物質的側面を強 調。
磯崎新がマスタープランに支配さ れない都市計画を示そうとした展 覧会。海市=Mirage Cityの4つの 模型が設置され、プロトタイプ以 外の3つは会期中の変化・成長が期 待されていた。
東京都現代美術館ほかでの展覧会 で、鵜沢隆研究室が制作したCGが 見られる。『SD』の隈研吾特集の ように、今後CD-ROMが付属され た建築雑誌が増えてもおかしくな い。
「人間は自然に内包される」を理 念に、新潟県越後妻有地域の約762 平方キロメートルの広大な土地を 美術館に見立て、アーティストと 地域住民とが協働し地域に根ざし た作品を制作、継続的な地域展望 を拓く活動を目的とする芸術祭。
横浜市で3年おきに開催される現代 美術の国際展覧会。「文化芸術創 造都市クリエイティブシティ•ヨコ ハマ」の柱となる活動の一つ。
ベネッセコーポレーションが、直 島で、現代美術に関わる活動を展 開している。安藤忠雄設計のベ ネッセハウスへの宿泊、島内の作 品鑑賞などのコースが、欧米のリ ゾートホテル誌に取り上げられる ことが多く、外国人観光客が増え ている。
|ゲーム
「 ザ ・ タ ワ ー (OPeNBOOK9003、1994)
」
「電車でGO!」(タイトー、 1996)
「たまごっち」(バンダイ、 1996)
「ビートマニア」(コナミ、 1997)
「Dance Dance Revolution」(コ ナミ、1998)
「ファイナル・ファンタジーVII」 (スクウェア、1997)
住居、オフィス、店舗などを組み 上げることによって巨大な都市= タワーをつくるゲーム。住人のス トレスがすぐに増えるので100階に 到達するのは至難。「シムシ ティ」の類似ゲームは多し。
駅の所定の位置に時間通りに止ま ることが目標とされるゲーム。実 際、運転士の仕事はこんなに難し いのだろうか? 電車の先頭から の都市風景は、見慣れないだけに 新鮮。
携帯型の仮想のペットを育てる ゲーム。世話の仕方によって、成 長の方向が変わったり死んだりす る。ゲームとしては単純だが一時 期大流行。人工生命とは言えない が、ペットとしては役目を果たし た?
5つの鍵盤とターンテーブルを音楽 に合わせて操作するゲーム。本当 にうまい人がやっていると人だか りができる。ヒットの背景にはク ラブカルチャーの普及が。最近で はVJの人気も高まりつつある。
「ドラムマニア」など類似のゲー ムのなかでは最もヒット。2人で やっていると自然と動きが揃うの が面白い。蓮實重彦も東大大学院 の卒業式講演で言及!
CD-ROM3枚組の長編RPG。シリー ズ初のプレステ版。リアルな映像 は、ライヴァル「ドラクエ」を圧 倒。CGをつくったスタッフには建 築学科出身者が多かったとか。
「ファイナル・ファンタジーⅨ」 (スクウェア・エニックス、 2002)
「ドラゴンクエストIX 星空の守り 人」(スクウェア・エニックス、 2009)
「ラブプラス」シリーズ(コナミ デジタルエンタテインメント、 2009)
シリーズ初のオンラインRPGであ る。インターネットを通じて不特 定多数の人がお互いにコミュニ ケーションを取り、ゲームを進め て行く。現実の都市でのアクティ ビティがゲームの中で表現されて いる。
任天堂DS用ソフト。ポータブル ゲーム機の特性を生かし、すれ違 い通信という近くに同じソフトを 持った人がいると、自動で通信を 行い、アイテムなどがもらえる仕 組みをつくり、都市の中にすれ違 いスポットなるものが出現した。
実時間とゲーム内の時間が連動し た恋愛シミュレーションゲームで ある。さらに続編ではゲーム内の 熱海に旅行するイベントと連動し 現実の熱海の街にARマーカーなど が設置された。セレモニーには熱 海市長も参加した。
16
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
研究背景
1
| TV 番組
「電波少年」(日本テレビ、 1994─)
「ザ!鉄腕!DASH!!」(日本 テレビ、1995─)
「S-FIELD」(フジテレビ、 1999─)
「渡辺篤史の建もの探訪」(テレ ビ朝日、1989─)
「協奏曲」(TBS、1996)
「ETVカルチャースペシャル『若 手建築家バトル』」 (NHK教育 テレビ、1999年11月6日放送)
現在は「進ぬ!電波少年」と「雷 波少年」で別々の企画が進行。当 初のアポなし取材系から大陸横断 ヒッチハイクなど旅もの企画が多 くなったが、依然として人々の善 意に頼る点には倫理的問題もなく はない。
TOKIOのメンバー5人が、毎週 〈富士山はどこまで見えるか?〉 〈タクシーメーター1万円でどこ まで行けるか!?〉といった企画に挑 戦。都市そのもののゲーム化の好 例。
見知らぬ素人カップルがスポーツ をしながら1週間の旅をして、 「愛」と100万円の獲得を目指す。 都市のゲーム化に恋愛要素を加 味。「ガサ入れ」もそうだが、 「ねるとん」系より恋愛心理に焦 点をあてている。
渡辺篤史が良質な住宅をレポー ト。建築をテーマとした唯一の長 寿番組。これを見て建築家に憧れ た人は多いのでは。テーマソング が小田和正(早稲田大学建築学部 修了)なのは意図的?
田村正和が扮する建築家海老沢耕 介は、独学で建築を学んだという 設定のため安藤忠雄をモデルにし たのではと言われる。木村拓哉、 宮沢りえの出演で期待されたが、 ドラマとしての評価は高くない。
みかんぐみ、アトリエ・ワン、遠 藤秀平が同じ条件下でエコロ ジー・ハウスの設計を競う。審査 員は伊東豊雄とエコロジスト2人。 順位はなし。
『インデペンデンス・デイ』(監 督=ローランド・エメリッヒ、 1996)
『ボルケーノ』(監督=ミック・ ジャクソン、1997)
『マトリックス』(監督=ウォ シャウスキー兄弟、1998)
『インセプション』(監督=クリ ストファー・ノーラン、2010)
直径24キロメートルの超巨大宇宙 船で来襲したエイリアンが主要都 市を次々に破壊。都市の上に浮か ぶもうひとつの飛行船=都市は圧 巻。都市破壊のCGも凄い。
ロサンゼルスの地下で火山が爆発 し、吹き出すマグマが都市を破 壊。物語はロスの都市構造を利用 して展開する。これに限らずロサ ンゼルスは小説、映画などで何度 も繰り返し破壊される都市だ。
「マシンガン撮影」による斬新な 視覚効果など、ヴァーチュアルと リアルの境界を消そうとする映像 表現に注目した建築関係者も多い はず。監督は日本のアニメから着 想を得て絵コンテに利用した。
主人公は人の夢の中に入り込み、 アイデアを盗み取る特殊なスパイ であり、主に夢の中の非現実世界 が舞台である。夢の中の世界を構 築する「設計士」が登場したり、 都市の地表がめくれあがる迫力の あるシーンが展開される。
『 甲 殻 機 動 隊 』 ( 監 督 = 押 井 守、原作=士郎正宗、1995)
『新世紀エヴァンゲリオン』(監 督=庵野秀明、EVA製作委員会、 1997)
『ドラゴンヘッド』(望月峯太 郎、講談社、1994─)
『千と千尋の神隠し』(監督=宮 崎駿、スタジオジブリ、2001)
世界的に注目を浴びたジャパニ メーションの代表格。サイボーグ の身体と電脳空間を21世紀のアジ アの都市に描く。アジアに未来が 重ね合わされる、典型的テクノ・ オリエンタリズム。
最終2話で物語が崩壊していくメタ フィクション的アニメ。さまざま な引用や謎などが多くの論議を呼 び「エヴァ本」も多数出版。舞台 は「セカンド・インパクト」とい う大破局後の第3新東京市。
物語は修学旅行帰りの新幹線に 乗った中学生がトンネル内で突如 大異変に襲われる場面から始ま る。生き残った主人公らは終わり のない災厄に遭う。外部を欠いた 出口のない都市。
主人公である千尋は、ひょんなこ とから不思議な街へと迷い込む。 その街は温泉街でありながら風俗 街の雰囲気もあるのは、モチーフ に日本の性社会への問題提起も含 んでいることは無関係ではあるま い。
『九龍城砦』(宮本隆司、平凡 社、1997)
『TOKYO SUBURBIA』(ホンマ タカシ、光琳社出版、1998)
「転景TOKYO STYLE 360。」展 (都築響一、エプサイト、1999)
Trattoria、1999)
プリクラ(ATLUS/SEGA、1995)
『small planet』(本城直季、リト ルモア、2006)
香港の九龍城が取り壊されたのは 93年。宮本は解体前から解体後ま でを丹念に追う。九龍城は、ア パート同士が互いの壁を外壁とし ながら複雑に成長した。アジアへ の注目も90年代的か。
フレーム内の全てに焦点が合うこ とで、逆に写真の対象物が判然と しない。それが対象のはっきりし ない「郊外」。同タイトルの展覧 会はアトリエ・ワンが会場構成を した。
IPIXという技術によって360度全て を見ることができる。カメラ・ア イがないという点では、『TOKYO SUBURBIA』とともに、村上隆の 言う「スーパーフラット」という 概念とシンクロか。
19歳にしてアラーキーに認められ たヒロミックス(1976生)はビッ グミニのシャッターを切るように 作詞し歌うミュージシャン兼カメ ラマン。もはや存在と生き方その ものが90年代的。
プリント倶楽部の略。ゲームセン ターに登場して以来爆発的にヒッ ト。東浩紀はそこに写真と文字と 絵の境界がないことを指摘し、ラ カン的なメディアの差異がなく、 デリダ的な声と文字の結合状態に より近いことを示唆。
本物の都市や建物をミニチュアの 様に見せている作品。本城は「都 市がうそっぽい」と語っており、 そのうそっぽい作られた世界を表 現する為に一貫した手法で都市の 風景を撮り続けている。
「大改造!!劇的ビフォーアフター」 (テレビ朝日、2006-) 難あり住宅に対して、匠と呼ばれ るリフォームの専門家が、ソ リューションを提示し、実際に施 工の様子を放送する。
|映画
|漫画・アニメ
|写真
17
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
研究背景
1
1.4 ソーシャルメディアと社会 ソーシャルメディアとは、インターネット上で、誰もが参加できる双方向のコミュニケー ションを通じて社会に広がっていくように構築されたメディアである。フリーソフトウェア やオープンソースの支援者として知られるティム・オライリーによって Web2.0 という概念 が提唱され、その具体的な形としてあらわれたものの一つである。ソーシャルメディアは、 インターネット技術を用いて、文章・映像・音声などのコンテンツをコミュニティサービス に所属する個人や組織に発信することで、社会的なインタラクションを発生させるように設 計されたメディアである。 ソーシャルメディアが普及し、人々は様々なコンテンツを発信 することができるようになり、それぞれの生活が Web の世界に表現されることになった。日 常生活の出来事を写真や動画、あるいは文章として、ソーシャルメディアに投稿する行為が ごく自然に行われる様になり。都市に生活している人々が考えていることや見ている風景が ソーシャルメディアを通して、web 上に日々蓄積されていっている。
1.4.1 Web2.0 前述したように、ソーシャルメディアは Web2.0 の概念が具体化したものである。ここ では Web2.0 の概要について触れる。Web2.0 の提唱者であるティム・オライリーによれば Web2.0 は以下のように定義される。 『旧来は情報の送り手と受け手が固定され送り手から受け手への一方的な流れであった状態が、送り手と受け 手が流動化し誰もがウェブを通して情報を発信できるように変化した web を「Web 2.0 」とする』 文 6)
また、IT コンサルタントの梅田望夫は、著書『ウェブ進化論』文 7)の中で、Web2.0 の本質をこ のように言及している。 「ネット上の不特定多数の人々(や企業)を、受動的なサービス享受者ではなく能動的な表現者と認めて積極 的に巻き込んでいくための技術やサービス開発姿勢」
facebook や mixi といった SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)、ブログ、ウィ キ、2 ちゃんねるなどの巨大掲示板などが、代表的なサービスとして挙げられる。これらのサー ビスは、誰でも参加することができ、そして利用者が増えれば増える程、取り扱われる情報 量も増え、サービス全体の質が向上するという特徴がある。 個々人が情報の受け手ではなく、発信者にもなるという web 構造は、現実の世界にも多大 な影響を及ぼしている。これまで、報道は新聞や TV 局の専売特許であったが、今ではマス メディアからの情報よりも、web2.0 を用いたサービスからの情報の方が速いということが起 きている。昨年の東日本大震災の直後に Twitter にその情報が駆け巡ったことや、2009 年 1 月にアメリカ・ニューヨークで起こった飛行機の不時着事故では、その第一報が Twitter で あったことが大きな話題となった。
18
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
研究背景
1
1.4.2 集合知 集合知(Collective Intelligence)とは、多くの人の情報が集積することにより、新たな価値を 持った情報や言説が発生することである。20 世紀初頭から概念自体は提唱され、Peter Russell (1983 年 )、Tom Atlee(1993 年 )、Howard Bloom(1995 年 )、Francis Heylighen(1995 年 )、 Douglas Carl Engelbart、Cliff Joslyn、Ron Dembo、Gottfried Mayer-Kress(2003 年)らによっ て理論が構築された。Web2.0 の概念と非常に親和性が高く、その二つを組み合わせて近年注目 されている。 集合知の理論は、細菌、動物、人間、コンピュータなどの様々な集団を研究する際に参照さ れ、非常に領域が広い概念である。集合知の概念を最初に提唱したのは、昆虫学者の William Morton Wheeler(1865-1937)であり、彼は昆虫の個体が相互に連携を取り合い、全体としてひ とつの生命体のようなふるまいをする様子を観測した際に、集合知の概念を用いて説明した。 集合知の概念の本質は非常に単純である。一人の力では、なし得ないこと、見えないことも、 複数人が集まれば実現ができるということである。このような考え方は「三人寄れば文殊の知恵」 という日本のことわざにあるように、古来から人々の共通の認識として浸透している。 個々人が情報を発信する機会を得た Web2.0 によって、集合知の研究の対象を都市や世界の中 の人間といったスケールの大きなものに拡張されることになった。大規模な人間の集団を語る上 で、これまで抽象的で観念的だった集合知の理論が、Web2.0 の社会によって実際に「集積され た知」として体現されることになった。 例えば、Wikipedia がその代表として挙げられる。Wikipedia は「wiki」というウェブブラウ ザ上でウェブページを編集出来るシステムを使用した百科事典であり、インターネットがつなが る環境ならば世界中の誰もが自由に編集することが出来る。あらゆる事柄について、各分野の専 門家や情報通の人々が記事を加筆・編集し、ブラッシュアップされ常に更新され続ける知のデー タベースということができる。 また集合知を語る上で、外すことが出来ない存在は、Google である。Google は「人類が使う あらゆる情報を集め整理するという」壮大な計画のもとに設立された会社である。Google のメ インサービスである検索エンジンは、世界中のウェブサイトを巡回して情報を集めて、検索用の 索引をリアルタイムに作り続けている。本来、ウェブサイトは公開されているとはいえ、それぞ れが独立したページである。それらを集積し、ある関係性のもとに分類整理して我々に認識しや すいものにするというシステムは集合知の概念に他ならない。東浩紀は『一般意思 2.0』文 8)にお いて、google の「世界中の情報を体系化する」という目的が情報化の本質だと述べ、その本質と ルソーが『社会契約論』の中で説いた「一般意思」との呼応関係について語り、インターネット 技術を前提とした現代において再解釈した「一般意思 2.0」という概念を提示している。 このように現在のインターネット技術を用いた Web2.0 と集合知は非常に高い親和性を持って いる。本研究もこの二つの概念に立脚している。
19
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
研究背景
1
1.4.3 Twitter について Twitter( ツイッター ) は、ユーザーがツイート(つぶやき)と呼ばれる 140 字以内の短文をイ ンターネットに投稿・閲覧するコミュニケーションサービスである。ブログとチャットの中間の 性質を持ち、マイクロブログというカテゴリーに括られる。2006 年 7 月にアメリカの Obvious 社 ( 現 Twitter 社 ) が開始したサービスであり、登録アカウント数は 2010 年 9 月時点で 1 億 4500 万人を超えている。日本国内のアカウント数だけでもおよそ 1000 万 (2010 年 4 月時点 ) に も及ぶ。Twitter の利用状況の概要を述べると、全世界における一日あたりのツイート数(投稿 数)は 2 億件を超えており、さらにそのうちの約 14% が日本語であるという調査結果が出ている。 つまり、日本では一日あたり約 2,800 万件ものツイートがなされており、また、一般のユーザー だけでなく、企業が広報活動に利用したり、自治体や行政が Twitter 上で情報発信を行うケース も増えている。 Twitter の投稿の手軽さからパソコンからの投稿だけでなく携帯電話、特に Twiter クライア ントが多数存在する iPhone などのスマートフォンからの投稿が多い。カメラや GPS 機能付きの 携帯電話から投稿すれば、携帯で撮影した写真や自分の位置情報をツイートに付与することがで きる。 しかし、なぜ 140 字という短い文章を投稿するだけのサービスがこれほどまでに流行し、社会 現象にまでなっているのか。Twitter を使っていない人に「140 字以内で独り言をつぶやくサー ビス」だと紹介しても、大抵の場合「どこが楽しいのか分からない」という言葉が返ってくる。 おそらく感情や思考を外に吐き出したいという欲望を人間は元来持っているのではないか。そ してその自分の発言に対して、他者からのインタラクションがある場合はその場で会話というコ ミュニケーションに発展するし、ない場合でも他者の近況を知ることで自分に有益な情報を得た り、刺激になったりする。Twitter は従来のコミュニケーション方法とは一線を画したものであ る。それはブログや mixi、facebook といった SNS などのソーシャルメディアの中でもまた特殊 な部類に入る。Twitter での投稿は基本的に独り言の「つぶやき」であるが、それが自分とつな がったフォロワーのタイムライン上に表示され、思わぬ反響を呼ぶこともある。また、他のサー ビスのような相互認証的な関係性ではなく、基本的につぶやきは公開されており、一方的にある 人のつぶやきを見ることができる。例えば、著名人のアカウントには何万というフォロワーがお り、彼らは実際の接点がない人の生の声を聞くことが出来るし、逆にソフトバンク社長の孫正義 氏のように、企業人が一般の消費者のつぶやきに含まれる意見を会社のサービスにフィードバッ クするという現象が起きている。現実世界では接点を持ちようがない人たちが、Twitter 上の「ゆ るい」関係性でつながっているのである。現在の社会は隣人の顔も知らない閉じた社会になって きていると言われるが、そのような背景と本来人間が持っている自分の感情を誰かと共有したい という本能的な欲望が結びついて発生した新たなコミュニケーションなのではないか。
20
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
研究背景
1
1.4.4 Twitter を用いた様々な試み 前項で、Twitter を利用した行政や企業の試みについて簡単に触れたが、ここではそれらの試 みや、Twitter を取り巻く現象、プロジェクト等の事例をもう少し具体的に紹介する。
|サンフランシスコの Twitter 苦情窓口 サンフランシスコ市は 2009 年から道路清掃、落書き、放置自転車、ゴミ・騒音問題などの苦情を、 Twitter に窓口専用のアカウント(@SF311)を設け、市民が直接、市当局に苦情を遅れるよう になった。Twitter ユーザーは苦情や質問をダイレクトメッセージを @SF311 宛に送ることがで き、メッセージを送るとサービス受付番号が送り返されてくる。便利なのは、問題の箇所の画像 や動画を送れることで、市のスタッフはそれを見て問題の重要度を判断することが出来る。携帯 電話やスマートフォンといったデバイスから簡単に投稿出来る Twitter のメリットを生かした行 政サービスだと言える。この試みによって、市の対応がスピーディーになることが期待される。
|震災時の Twitter 利用 昨年 3 月 11 日の東日本大震災の際に、電話の通話や携帯メールが通じなかった中で、Twitter は使うことが出来た。家族や同僚の安否確認、被災状況の把握、交通状況などの情報を Twitter を通じて、得ることが出来た。一人一人が Twitter を介してセンサーの役割を果たし、各地で何 が起きているかを相互に伝えていく機能を果たした。いわばそれは一人の Twitter ユーザーが 一つの神経細胞であり、それが一瞬で全体に広がるという神経系としての都市の様相を現してい たと言える。下の図は震災時に拡散されたリツイートの流れを可視化した映像の一部である(図 1.3.4-1) 。動画を見ると、震災が発生した 14 時 46 分に急激に情報が世界中に拡散されている様子
が見て取れる。文 10)
図 1.3.4-1 東日本大地震における地球規模の情報の流れ
Twitter blog [http://blog.jp.twitter.com/2011/06/blog-post_30.html]
21
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
研究背景
1
| Pingpong Project Pingpong Project とは、東京大学・知の構造化センターをベースに 2009 年に始まった空間デ ザイン支援プロジェクトである。このプロジェクトでは、人をセンサーとして用い、人が空間を 動き回って集められる情報の流れの中に見出される、ある無意識のパターン研究を行っている。 この人センサーネットワークでは、具体的には人々が Twitter で発信するテキスト情報を、位置 情報と共にリアルタイムに処理し、時間のはいった情報的な地図(動く地図)を構成する特に、 テキスト情報と位置情報を自立システムに入力して生まれるパターンを観察することで、空間の レイアウトのデザインを行っていくことを目指している。これによって、街の風景と人々の欲求 とインタラクションがつくっていく、都市風景の変化をみることができるとしている。文 11)
図 1.3.4-2 ジオタグ付き Twitter データによる施設内アクティビティの可視化 pingpong [http://www.pingpong.ne.jp]
|電車遅延アプリ これは Twitter に投稿された首都圏の電車情報を収集し、路線ごとにその情報を表示するス マートフォン向けアプリケーションである。Twitter は独り言など取るに足らない情報がつぶや かれることが多いが、それが他人には有益な情報である場合がある。その一つとして「◯○線が 事故で遅れてる」などの情報であり、つぶやいた本人は愚痴として吐き出したものが、これから 電車に乗る人には路線変更を検討する重要な情報になったりする。
22
研究概要
2
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
研究概要
2
2.1 用語の説明
| Twitter ソーシャルメディアの一つであり、ユーザーは 140 字の文章を投稿するマイクロブログのカテゴ リに入る Web サービス。 | Tweet(つぶやき) Twitter に投稿された文章のこと。自分が今どこにいて何をしているなどの近況報告や他愛のな い独り言のような Tweet、友人同士の会話形式の文章などが投稿されることが多い。 | API(Application Program Interface) ソフトウェアを開発する際に使用できる命令や関数の集合のこと。Twitter は API が公開されて おり、手順を踏めば誰でも Twitter のソフトウェアを作ることが出来る。 |テキストマイニング(Text Mining) テキストデータを対象にしたデータマイニングのこと。文章を単語や文節レベルに区切り、それ らの出現の頻度や共起度などを解析し、膨大な量のデータの中から有用な情報を引き出す分析方 法。
24
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
研究概要
2
2.2 研究目的
本研究は、ソーシャルメディアに現れる生活者の発言の集積を人々の都市に対する無意識の言 及と捉え、そのデータを分析・可視化し、Web 上に現れている都市を記述することで、都市に 対しての政策や計画に役立てることを目的としている。
25
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
研究概要
2
2.3 研究フロー
本論文は、主に二つのフェーズによって構成されている。一つ目は、ソーシャルメディア上の 行動と実際の都市情報についての考察、二つ目はソーシャルメディアに蓄積された生活者の発言 からみた都市イメージの記述である。 以下に、一連のソーシャルメディア - 都市研究のフローを示す。
ソーシャルメディアに現れる行動と実空間の関係 Twitter データの取得 統計データとの相関分析
ソーシャルメディアに現れる都市イメージの可視化 Twitter データの取得
テキストマイニング 分析 1 形容語からみた都市に対する印象 分析 2 名詞からみた都市の独自性 分析 3 地名からみた都市間の関係性 Procesing による可視化
図 2.3-1 研究フロー
26
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
研究概要
2
2.4 先行研究 2.4.1 都市のイメージに関する古典的研究 |都市のイメージ ケヴィン・リンチ ケヴィン・リンチは、1950 年に「都市のイメージ」文 12)において人々の心理的な部分に踏み込 みながら、イメージという非常に感覚的なものをイメージマップを用いて分析した。 リンチは、人々が共通に持つ都市のイメージを、①ランドマーク、②パス、③ディストリクト、 ④エッジ、⑤ノード という 5 つの要素にもとづいて解析した。 リンチは、都市のイメージとは常に変化するもので、人々は頭を切り替えながら生活している。 それは、都市のスケールだけではなく、視点、時間、季節によっても変化する。そして、この変 化するイメージに対して、重要なことは変化の間に連続性を維持することであるという。 また、環境のイメージの成分には、①アイデンティティ、②ストラクチャー、③ミーニング の 3 つがあると説いたが、ミーニングはあまりに個人の内面に深く関わっており、また複雑すぎると いう理由から、リンチはアイデンティティとストラクチャーを中心に考えた。 Kevin Lynch , The Image of the city , The M.I.T Press , 1960
|都市のイメージの意味性に関する研究 D. アプルヤードはリンチがあまり触れなかった「ミーニング」に関して研究を行った。この 研究では、①形の特殊性 ②街の中での目につきやすさ ③個人的な理由や活動などとの関連 ④文化的意味 の4つをあげて分析している。文 13) D.appleyard , Why buildings are known, Environment and Behavior , 1969
都市に関する意味性についてさらに深く考察を行ったのが、ジェームズ・D・ハリソン、ウィ リアム・A・ハワードである。被験者が認知した都市要素に対して、想起した理由を問うことで 都市の意味性を、ロケーション、アピアレンス、ミーニング、アソシエイションの4つに分類し た。文 14) James D.Harrison, William A.Howard , The role of Meaning in the Urban Image, Environment and Behavior
|わかりにくい都市 都市はわかりやすくなければいけないというレジビリティの論理に対して、ambiguity(多義性) が都市の魅力の重要な要素であるという主張もなされており、あまりに秩序立ちわかりやすい都 市は、単純でつまらない。エイモス・ラポポートとポバート E. カンターによると、適度な雑然 さが都市に魅力を与えているという。文 15) Amos Rapoport, Pobert E.Kantor , Complexity and Ambiguity in Environmental Design , A.I.P.Journal, Jul.
また、志水英樹は complexity が物的環境の複合性で、ambiguity は物的環境が心理面におい て多様な役割を演ずるといった複合性であるとしている。 志水英樹 , 街のイメージ構造 , 技報堂 ,1979
27
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
研究概要
2
2.4.2 都市のイメージに関する最近の研究 都市イメージの研究に関する研究は建築、都市計画、土木、地理学の分野で数多くの研究がな されてきた。それらの研究はおおまかに 3 つの方向性がある。
|曖昧な都市の性質を記述し都市の構成を探る研究 前述したケヴィン・リンチの『都市のイメージ』はこのカテゴリに当てはまるが、日本の研究で は前述した志水・福井による中心地区空間におけるイメージ構造の研究等文 17)があげられる。商 業地を対象に来街者に想起する都市構成要素アンケート調査し、分析を行っている。
|特定の都市の特徴を科学的方法によって記述する研究 代表的なものは SD 法によるアンケートデータに対して多変量解析等の統計的手法を用いて、都 市の性格の差異を定量化しようとするものである。文 18)文 19)
|都市景観要素とイメージとの関連を分析した研究 商業地における看板や色彩などのコントロールを前提として、その効果を定量的に計測する研 究が多い。文 20) 近年はこれらの方向性を持った都市イメージ研究に加え、新たな都市の捉え方と方法論がでて きており、膨大に蓄積された Web 情報から都市を記述しようとする試みである。
| Web 情報から都市イメージを記述しようとする研究 検索エンジンや写真共有サイトなどを始めとしたサイバースペース上に都市に関するあらゆる 情報が蓄積されるようになり、同時に API の公開やプログラミングのオープンソース化などで、 比較的容易に Web 上の大規模データベースを扱えるようになってきたため、Web の情報から都 市の記述を試みる研究が増えてきている。文 21)文 22)文 23)本研究もこのカテゴリに分類される。
28
調査 1 - ソーシャルメディア上の行動と実空間情報の関係 -
3
調査 1
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
3
3.1 調査方法 3.1.1 Twitter データ取得 データ収集期間:2010/8/1 〜 2010/12/8 収集したデータ項目: ① TweetID ② username ③ Tweet した時間 ④ Tweet( 投稿文章 ) ⑤ Tweet した位置情報(緯度、 経度) Twitter API によって取得できる Tweet の中で、位置情報が日本国内(指定した緯度経度の 範囲内)にあるものに対して、TweetID と username を取得し、ユーザーリストを作成した。次に、 ユーザーリストに登録した各ユーザーの Tweet を出来るだけ過去に遡って取得し、csv ファイル 形式で、各ユーザーごとに保存した。データ収集期間中は、登録した時以降の投稿も併せて取得 した。収集したデータの中には、企業や店舗の配信情報やニュース速報などの個人が配信した投 稿ではないものが存在したため、これらについては、username 及び Tweet の内容を見て、分析 の対象外とした。さらに本稿では、位置情報がおおよそ東京都 23 区内にある投稿を分析対象とし、 その投稿数は、274,567 件であった。このファイルをベースファイルと呼ぶ(図 3.1.1-1)。
データ収集期間:2010/8/1∼2010/12/8
Twitter API
日本国内で、Geotagを付 けて投稿したことのある ユーザーのリストを作成
Username0001
Username5337
Tweet
Tweet
Tweet リスト登録時
Username0001 ・・・
Tweet
Username5337
Tweet リスト登録時
Tweet
Tweet
2010/12/8
2010/12/8
ベースファイル Geotag位置情報 緯度(34° 00 00.00 ∼36° 00 00.00 ) 経度(138° 50 00.00 ∼140° 50 00.00 )
Tweet ・・・・・・
一定条件で抽出
Username////
Username////
Tweet
Tweet
Tweet
Tweet
Tweet
Tweet
Tweet
Tweet
不要ユーザーを除外
投稿時間 2010/7/19 0:00∼2010/12/5 23:59
図 3.1.1-1 Twitter データ取得プロセス
30
調査 1
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
3
3.1.2 データ分析 特に Tweet 数の多かった東京の 6 エリアに対して、設定した行為について書かれた Tweet を 抽出し、その行為と関係の深いと思われる統計データと照らし合わせて分析した。 行為は[食べる]と[買う]の二つに着目した。この二つの行為は生活するうえで欠かすこと の出来ない行為であり、都市生活者にとって[食べる]は飲食店、[買う]は小売店に対応した 行為であり、行為と実空間情報との関係性が比較しやすい為である。
|エリア別行為の抽出 まず、ベースファイルの緯度・経度情報から特に投稿が多かった[渋谷・新宿・池袋・銀座・ 秋葉原・六本木]の 6 つのエリアを選別した(図 3.1.2-1)。同時に、ベースファイルの二つの行為[食 べる・買う]に対して、その行為を指す文字列の候補[S1 〜 Sn]を用意し、文章に文字列[S1 〜 Sn]を含む投稿を抽出した(図 3.1.2-2)。
1.6km
秋葉原 新宿
1.6km
池袋
渋谷
銀座 渋谷
六本木 駅を中心に1.6km四方をエリアとして定め、 エリア内のTweet数と店舗データなどを集計
図 3.1.2-1 対象エリアの選定と範囲
ベースファイル 緯度・経度から抽出
渋谷
新宿
池袋
銀座
秋葉原
六本木
行為を表す文字列の候補[S1∼Sn]の決定 渋谷 [食べる]
新宿 [食べる]
池袋 [食べる]
銀座 [食べる]
秋葉原 [食べる]
六本木 [食べる]
[買う]
[買う]
[買う]
[買う]
[買う]
[買う]
図 3.1.2-2 分析のためのデータ整理手順
31
調査 1
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
3
|文字列[S1 〜 Sn]の決定 文字列[S1 〜 Sn]の決定方法に関して、行為[食べる]を例として述べる。「食」 「たべ」といっ た単語を含んだ文章をテキストマイニングによって形態素解析を行い、解析の結果から、動詞[食 べる]に関する新たに発見された活用形を[S1 〜 Sn]とした。さらに、動詞[食べる]に対し て共起度の高い動詞・名詞の上位 200 個の中から行為[食べる]に関連した動詞の活用形および 名詞も[S1 〜 Sn]とした(表 3.1.2-1)。各エリアごとの行為[食べる][買う]の Tweet 数を集 計した。 表 3.1.2-1 渋谷における[S1 〜 Sn]の例
食べる
ランチ なう 渋谷 ラーメン カレー http://twitpic 恵比寿
219 S12 美味しい
買う
30
S2
http://4sq.com/
149 96 92 82 56 50 37
27 21 21 20 19 17 17
S3 S4 S5 S6 S7 S8 S9
購入 なう 買い物 http://twitpic 帰る 思う 言う
S10 行く
出現数 10
54 S12 笑
10
37 26 24 15 14 13 12
S13 S14 S15 S16 S17 S18 S19
買える http://yfrog カード 来る 売る http://htn.to/ http://tweetphoto
10 9 8 8 7 6 6
11
…
…
31
食う ご飯 食事 タッチ http://yfrog 飲む 思う …
行く
S13 S14 S15 S16 S17 S18 S19 …
S4 S5 S6 S7 S8 S9 S10
S1
…
S3
文字列
[買う]文字列[S1∼Sn] 出現数 文字列 200 S11 飲む
出現数 30
…
S1 S2
[食べる]文字列[S1∼Sn] 文字列 出現数 文字列 http://4sq.com/ 282 S11 http://tou.ch/
|エリアごとの店舗数集計 事業所・企業統計調査報告(※ 1)と商業統計(※ 2)を用いて、各エリア内における以下の 数値を求めた。 ■飲食店データ ・一般飲食店数 ■小売店データ ・小売業事業所数 ・売場面積[㎡] ・年間商品販売額[百万円] ・1 店舗あたり売場面積[㎡] ・1 店舗あたり年間販売額[百万円] ・1 ㎡ あたり年間販売額[百万円 /㎡] これらの数値と行為[食べる][買う]の Tweet 数の相関分析を行った。 ※ 1) 総務省「平成 18 年事業所・企業統計調査」 ※ 2) 東京都総務局「平成 19 年商業統計調査報告」
32
調査 1
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
3
3.2 分析結果 3.2.1[食べる]と飲食店 行為[食べる]に関しては、エリア内における[一般飲食店数]との関係を調べた(表 3.2.1-1)。 相関係数は 0.687 という値を示したが、P 値は 0.131 となったため、有意水準 10% でも相関があ るとは言えない。ただ、今回はサンプル数が少ないためこのような結果となったが、飲食店舗数 と Twitter 上の[食べる]という行為には正の相関があるように見て取れる(図 3.2.1-1 )。 Twitter の特性として、ラーメンやカレーなどの食事の際に、[食べる]に関する Tweet が多 くなされるということがあげられ、それが Tweet 数と店舗数のばらつきの原因だと考えられる。 一般飲食店の総数が少なくても、ラーメン屋やカレー屋などの比率が高い地域は、Tweet も極端 に増加するという現象が起きる。Tweet 数は飲食店の種類にも影響されることが分かった。また、 飲食店の種類だけでなく、その店舗が有名な店かそうでないかも多分に影響するだろう。
表 3.2.1-1[食べる]と一般飲食店数
渋谷 新宿 池袋 銀座 秋葉原 六本木
339 288 144 322 297 239 相関係数
2,000
銀座
一般飲食店数 1,116 1,575 756 1,943 1,694 843 0.687
一般飲食店数
[食べる] Tweet数
秋葉原
新宿
1,500
渋谷
1,000
池袋
六本木
500
0 0
100
200
300
[食べる]Tweet数
400
図 3.2.1-1 [食べる]と一般飲食店数の相関
33
調査 1
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
3
3.2.2[買う]と小売店鋪の関係 行為[買う]と小売店鋪との相関分析を行った結果が下図である(図 3.2.1-2) 。行為[買う] に関しては、 [小売業事業所数]と[1 ㎡ あたり年間販売額]に相関が見られた。[小売業事業所 数]の相関係数は 0.873(有意水準 5%)、[1㎡あたり年間販売額]は 0.995(有意水準 0.1%)と いう数値を示した。特に[1㎡あたり年間販売額]は非常に強い相関が見られる。つまり、 [買う] Tweet が多くされているエリアと小売店鋪における単位面積あたりの経済効果が高い場所には強 い相関があると言える。
2,000
500,000 400,000
売場面積[㎡]
小売業事業所数
1,500
300,000
1,000
200,000
500
100,000
0
0 0
50
100
150
[買う]Tweet数
200
250
0
1店舗あたり売場面積[㎡]
900,000 600,000 300,000 0 0
50
100
150
[買う]Tweet数
200
200
250
300
200
100
0
250
0
50
100
150
[買う]Tweet数
200
250
[買う]と1店舗あたり売場面積の相関
[買う]と年間販売額の相関 1店舗あたり年間販売額[百万円/㎡]
150
400
900
1㎡あたり年間販売額[百万円/㎡]
年間販売額[百万円]
1,200,000
100
[買う]Tweet数
[買う]と売場面積の相関
[買う]と小売業事業所数の相関 1,500,000
50
3.00
750
2.50
600
2.00
450
1.50
300
1.00
150
0.50
0 0
50
100
150
[買う]Tweet数
200
250
[買う]と1店舗あたり年間販売額の相関
0 0
50
100
150
[買う]Tweet数
200
250
[買う]と 1 ㎡ あたり年間販売額の相関
図 3.2.1-2 [買う]と小売店鋪との相関
34
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
調査 1
3
3.3 考察
この調査では、Twitter に現れる生活者の行動と、実空間の情報の関係性を分析し、Twitter 上での行動とそれに関連する施設との間に一定の相関が見られた。特に[買う]と[1㎡あたり 年間販売額]に非常に強い相関があることが分かったが、その他の行為と実空間情報にもこのよ うな結果となる組み合わせがある可能性がある。 ソーシャルメディア上の人々の発言は現実の都市空間の様相をある程度反映していることが明 らかになった。 Twitter は毎日、何万という投稿がなされ、しかもそれがリアルタイムに「今このとき」のつ ぶやきを見ることが出来る。この調査の結果によって、このような人々から発信されるリアルタ イムデータを収集し、解析を行うことで「今このとき」の都市の様相を把握することが可能であ ると考えられる。Twitter の「トレンド」がまさにそのようなシステムであるが、これはあくま でサイバースペース上で話題にあがっている事柄である。そうではなく、一人の人間を都市とい う実空間内の一つのセンサーと捉えることで、瞬時に別の場所の様子が把握出来るような神経系 の都市というヴィジョンが考えられる。
35
調査 2 - ソーシャルメディアに現れる都市イメージの可視化 -
4
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
調査 2
4
4.1 調査方法 4.1.1 調査概要 生活者がつぶやいた Twitter の文章を、都市に対する言及と捉える。Twitter 検索 API を利用 し、独自に開発した Tweet 収集プログラムを用いて、Tweet を取得した。
|取得期間 2011 年 11 月 1 日〜 12 月 15 日
|取得方法 Tweet の中に都市名が必ず含まれるものを分析対象とするため、Twitter 取得時の検索語は「都 市名」とした。 Twitter 検索 API(Application Program Interface)を用いて、特定の検索語を含む Tweet を リアルタイムに取得し、テキストデータに保存していく独自のプログラムを作成した。検索間隔 を短くしすぎると、PC に負担がかかったり、API の制限に引っかかるため、取得の時間間隔を 10 分ごとに 15 件とした。 収集プログラムのコードは資料編に記載する。
|対象地 データを取得する為には、Twitter の文章中に都市・地域の名前が含まれる必要があるが、あ る程度その都市・地域の知名度が高くなければつぶやかれない。そのような理由から、対象都市 は政令指定都市や中核市などの大都市を中心に、ブランド総合研究所が毎年行っている地域ブラ ンド調査を参考に対象都市を選定した。収集は「地名」で検索するため同じ地名を持つ地域が存 在すると、複数の地域が混在して取得してしまう。例えば、千葉県と千葉市ではその言葉が指す エリアは明らかに違い、概して Twitter ではそれらをあえて区別するような表現の仕方はしない。 そのような都市は分析に適さない為、選定する際に、それらの都市は除外した。結果、全国 74 都市を調査対象地とた。
|取得データ ① TweetID ② Tweet 日時(標準時間 GMT で月日時分) ③ username ④ Tweet 本文
37
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
調査 2
4
4.2 調査結果 4.2.1 データ整理 取得したデータには重複した投稿が確認されたため、その重複分を削除する必要があった。
Microsoft Office Excel に搭載された VBA(Visual Basic for Applications)によって、それらの データを削除した。Tweet は各 Tweet ごとに固有の ID が割り振られ、個々の投稿を識別され る為に用いられる。重複投稿の削除にはこの TweetID を利用して、自動削除するプログラムを 組んだ。 また、Twitter の投稿には特定の内容を自動配信する bot や企業や店舗からの情報配信な ど、明らかに生活者からの投稿ではないものが含まれることがある。これらの投稿については username および Tweet の内容を見て、分析の対象外とした。username に「bot」や「news」 などの語が含まれる投稿や、企業や店舗の tweet には「こちらから」 「◆」などの特定の語や 文字が含まれることが多く、それらの語や文字を含む投稿をデータから VBA の自動処理によっ て削除した。また、リツイート(他者の投稿を引用形式で自分のアカウントから発信された投 稿)に含まれる単語が形態素解析で偏って抽出されてしまうため、 「RT」等の文字列が本文に 含まれる投稿も削除した。 TweetID や Tweet 日時、username などの文字列は KH Coder でデータを解析する際に、不 要なノイズとなって扱われるため、この時点でテキストマイニング用の Tweet 本文のみのデー タを作成した。 これらの自動削除プログラムのソースコードは資料編に記す。
38
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
調査 2
4
4.2.2 調査結果概要 取得した 74 都市の内、不要な Tweet の削除などでデータを精査した後に、およそ 1 万件以上 のデータが集まった 39 都市を分析対象とした(表 4.2.1-1)。データ数を比較すると、名古屋や仙 台などの大都市や関東圏の都市に関するつぶやきが多いことが分かる(図 4.2.1-1)。
表 4.2.1-1 対象都市と分析件数 都市名 さいたま 下関 仙台 伊勢 伊豆 佐世保 倉敷 出雲 函館 別府 北九州 名古屋 堺
分析対象件数 18,440 9,619 26,997 17,733 16,699 10,029 18,557 18,440 21,130 12,813 15,890 28,858 12,189
都市名 姫路 宇治 小樽 小田原 川崎 帯広 日光 旭川 札幌 松山 横浜 横須賀 浜松
分析対象件数 19,645 16,609 13,591 21,015 22,397 9,907 25,770 17,624 23,900 16,704 26,808 20,003 25,230
都市名 浦安 熱海 甲府 盛岡 相模原 神戸 茅ヶ崎 草津 西宮 那覇 金沢 釧路 鎌倉
分析対象件数 12,574 17,551 15,717 19,397 12,806 25,277 13,304 17,864 13,875 13,641 23,129 9,940 27,457
30000
25000
20000
15000
10000
5000
0 鎌倉 釧路 金沢 那覇 西宮 草津 茅ヶ崎 神戸 相模原 盛岡 甲府 熱海 浦安 浜松 横須賀 横浜 松山 札幌 旭川 日光 帯広 川崎 小田原 小樽 宇治 姫路 堺 名古屋 北九州 別府 函館 出雲 倉敷 佐世保 伊豆 伊勢 仙台 下関 さいたま
図 4.2.1-1 対象都市と取得件数
39
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
調査 2
4
4-3 分析方法 4.3.1 分析の流れ 詳細な分析に入る前に、テキストマイニングソフトである KH Coder を用い、Tweet の形態 素解析を行った。 以下に分析の流れを記す(図 4.2.2-1)。
Twitter データの取得 プログラムによる Tweet の自動収集
データの整理 自動配信投稿などの個人発信以外の Tweet の削除 対象都市と同名の事柄についての Tweet の削除 分析しやすい形にデータを加工
テキストマイニング データの概観と不要データの有無確認
形容語から見た都市に対する印象分析 単語リスト作成 形容語の抽出 5 要素の分類と得点化 クラスター分析
名詞から見た都市の独自性分析 共通名詞リスト作成 名詞出現回数の偏差値化 独自性の発見
地名から見た都市間の関係性 他地域との Jaccard 係数算出 都市間の距離と方角の計測
分析結果の可視化 Processing によるプログラミング
図 4.2.2-1 分析フロー
40
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
調査 2
4
4.3.2 Processing の可視化について Processinng とは電子アートやビジュアルデザインの為のプログラミング言語であり、統合開 発環境のことである。Java をベースにしており、グラフィカルなソフトウェアを手軽に開発、実行、 公開ができるという特徴を持ち、インタラクティブアート、インターフェースの研究の試作に使 われたり、インスタレーションやイベントの作品に使われる。文 24) Processing は大規模データの視覚化にも優れており文 25)、本研究における分析結果の可視化に 用いた。本研究は都市のイメージという曖昧で不可視のものを対象にすることから、その対象を 直観的に把握するためのプロセスであるデータの可視化は非常に重要な作業であると捉えてい る。 本研究では 2012 年 1 月時点で最新版の Processing 1.5.1 を用いた。
41
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
調査 2
4
4.4 分析「形容語から見た都市の印象」 4.4.1 都市を形容する単語 形態素解析を行った後に、まず文章中に含まれる全単語とその出現回数が記された品詞別単語 リストを作成した。都市に対する印象を抽出するために、リストの形容詞、形容動詞、動詞の中 から、都市の街並や都市全体に対して直接的な形容をしている単語を選定した。直接的な形容と は例えば、「きれいな街並」などといった文章である。また、都市に対するイメージは、個々の 都市的要素の印象や都市内での活動の集積によって形成されるものであるという考えのもと、都 市的要素(建築物、施設、イベント、自然、人の行動など)に対して形容しているものも、都市 を形容していると判断した。例えば、「イルミネーションがきれい」「おしゃれなカフェ」などの 文章である。 Twitter の文章はくだけた表現が多く、「綺麗」が「きれい」や「キレイ」と書かれるように、 一つの単語をとってもその表記は複数ある。ひらがなやカタカナで表記された単語も選定した。 以下に選定した単語と実際に抽出した Tweet の文章のサンプルを示す(表 4.4.1-1)。 表 4.4.1-1 形容語と Tweet 文章 綺麗
帰宅なう∼横浜運転で初めて行ったが綺麗だった!次はちゃんと道調べます…(笑)
美しい
日光東照宮行ってきた。美しい建物と紅葉でいい気分になったのもつかの間、カップルばっかりで泣きそうになっ た。
賑やか
今日の仙台は祭っぽい。何祭なんやろ?商店街が賑やか☆
楽しい
IKEAも神戸と大阪にあるから時々行くよ∼。ぶらぶらするだけで楽しい♪
遊ぶ 盛り上がる
いい天気&あったかいゆえ、今から名古屋に遊びに行ってきます♪東急ハンズもロフトもZARAもPARCOも行 くぞ! そいや今日川崎ハロウィンで盛り上がっててすごかった!仮装したちびっ子たち可愛すぎ∼
混む
神戸は、結構な混み具合いになりそうですね。
人混み
横浜人混みやばいきもちわるい川崎いってみよ
お洒落
神戸ってお洒落◎兵庫は嫌思ってたけど住みたいかも!凄いワクワクする!
素敵 心地好い 居心地 気持ち良い 清々しい 伝統 懐かしい 古い 昔ながら レトロ
昨日の橿原・今井町、今日の倉敷・美観地区、どちらも情緒豊かで素敵な町並みでした。雨で川舟に乗れなかったの が心残りかな∼。 色々…転々と賑わってます♪茅ヶ崎南口音楽祭 外からでも心地よい風が吹いて∼ちょっと寒い(()) 鎌倉駅近くのスタバの居心地のよさ 鎌倉なう!晴れ!!気持ち良いーーーっ(*´∀`) 北鎌倉駅から歩いて八幡宮。朝のお宮さんは清々しい。 新しさと伝統を感じますな…格好イイ。出雲と松本が特に好み 窓の外に札幌のテレビ塔が見えて来た。なぜか懐かしく感じてしまう。小樽も行きたかったが残念、縁がなかった ね。また今度とは言わないよ。さらば札幌∼。 明日はお休みなので、倉敷で有名な美観地区に行って古街の散策とお土産の下調べをして来ます\(^o^)/ 満腹状態でまた歩くor市内周遊バスで東茶屋街へ。川沿いの昔ながらの町並みで、風情は抜群。夕暮れ時が一番いい ですよん。金沢お土産などいろいろ物色してみてください。そして、夜のとばりが降りてきました。 鎌倉の老舗の銭湯さんです。建物もレトロで迫力です。お風呂の絵は金魚。 @ 清水湯
42
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
調査 2
4
4.4.2 単語の分類 選定した個々の単語をそれぞれの意味と実際の Tweet での使われ方に注意しながら、都市を 表す 5 つの要素としてまとめた(表 4.4.2-1)。個々の単語の出現回数を集計した後に、要素内の それぞれの出現回数を合算した数値を要素の出現回数とした(表 4.4.2-2)。この 5 つの要素をイメー ジ要素と呼ぶことにする。
表 4.4.2-1 形容語とイメージ要素
美 観
活 気
雰 囲 気
快 適
綺麗
賑やか
お洒落
心地好い
情 緒 伝統
きれい
にぎやか
おしゃれ
心地よい
懐かしい なつかしい
キレイ
楽しい
オシャレ
心地
美しい
たのしい
素敵
居心地
古い
うつくしい
遊ぶ
すてき
気持ち良い
昔ながら
あそぶ
ステキ
気持ちよい
レトロ
盛り上がる
清々しい
もりあがる
すがすがしい
混む 人混み 人ごみ
表 4.4.2-2 各都市のイメージ要素出現回数 出 現 回 数 都市名 さいたま
総Tweet件数
美 観
活 気
雰 囲 気
快 適
情 緒
18,440
151
445
93
21
70
下関
9,619
73
233
64
13
62
仙台
26,997
219
938
194
39
110
伊勢
17,733
142
434
129
34
96
伊豆
16,699
309
558
112
41
87
佐世保
10,029
87
224
57
11
60
倉敷
18,557
157
663
207
21
90
出雲
18,440
99
315
156
23
96
函館
21,130
345
473
205
19
166
別府
12,813
169
362
101
46
85
北九州
15,890
62
339
103
12
68
名古屋
28,858
128
1,012
163
23
88
堺
12,189
60
231
52
9
71
姫路
19,645
116
546
89
18
93
宇治
16,609
117
186
104
10
60
小樽
13,591
197
391
130
16
91
小田原
21,015
188
523
98
32
86
川崎
22,397
109
502
95
22
81
帯広
9,907
60
210
46
9
46
日光
25,770
568
596
145
21
118
旭川
17,624
152
413
84
15
66
札幌
23,900
190
652
146
37
89
松山
16,704
131
426
121
28
102
横浜
26,808
260
791
178
34
100
横須賀
20,003
146
682
110
32
96
浜松
25,230
161
657
166
24
111
浦安
12,574
72
311
50
11
75
熱海
17,551
229
464
81
26
83
甲府
15,717
173
307
45
27
73
盛岡
19,397
161
543
132
25
101
相模原
12,806
107
209
48
20
71
神戸
25,277
360
851
316
28
105
茅ヶ崎
13,304
139
407
116
31
56
草津
17,864
148
375
69
35
102
西宮
13,875
115
338
128
19
78
那覇
13,641
74
349
73
35
45
金沢
23,129
206
701
193
39
174
釧路
9,940
123
208
57
8
47
鎌倉
27,457
366
1,021
385
71
195
43
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
調査 2
4
4.4.3 イメージ要素の得点化 前項で表記したイメージ要素の出現回数は各イメージ要素ごとで平均値が違うため、値の比較 がしづらい。出現回数を各イメージ要素の平均値で除した値を算出し、得点化を行ったのが下表 である(表 4.4.3-1)。得点が高い項目程、濃い色で描画している。
表 4.4.3-1 イメージ要素の得点 出 現 回 数 (AVE=1) 都市名 さいたま
美 観 0.883
活 気 0.919
雰 囲 気 0.749
快 適 0.831
情 緒 0.782
下関 仙台 伊勢 伊豆
0.427 1.281 0.830 1.807
0.481 1.937 0.896 1.152
0.516 1.563 1.039 0.902
0.515 1.544 1.346 1.623
0.692 1.228 1.072 0.971
佐世保
0.509
0.463
0.459
0.436
0.670
倉敷 出雲 函館
0.918 0.579 2.018
1.369 0.650 0.977
1.668 1.257 1.652
0.831 0.911 0.752
1.005 1.072 1.853
別府 北九州
0.988 0.363
0.748 0.700
0.814 0.830
1.821 0.475
0.949 0.759
名古屋 堺 姫路 宇治
0.749 0.351 0.678 0.684
2.090 0.477 1.128 0.384
1.313 0.419 0.717 0.838
0.911 0.356 0.713 0.396
0.983 0.793 1.038 0.670
小樽
1.152
0.807
1.047
0.634
1.016
小田原 川崎 帯広 日光 旭川
1.099 0.637 0.351 3.322 0.889
1.080 1.037 0.434 1.231 0.853
0.790 0.765 0.371 1.168 0.677
1.267 0.871 0.356 0.831 0.594
0.960 0.904 0.514 1.317 0.737
札幌
1.111
1.346
1.176
1.465
0.994
松山 横浜 横須賀 浜松 浦安
0.766 1.520 0.854 0.942 0.421
0.880 1.633 1.408 1.357 0.642
0.975 1.434 0.886 1.337 0.403
1.109 1.346 1.267 0.950 0.436
1.139 1.117 1.072 1.239 0.837
熱海 甲府 盛岡 相模原 神戸
1.339 1.012 0.942 0.626 2.105
0.958 0.634 1.121 0.432 1.757
0.653 0.363 1.063 0.387 2.546
1.029 1.069 0.990 0.792 1.109
0.927 0.815 1.128 0.793 1.172
茅ヶ崎 草津 西宮 那覇 金沢
0.813 0.865 0.673 0.433 1.205
0.840 0.774 0.698 0.721 1.448
0.935 0.556 1.031 0.588 1.555
1.227 1.386 0.752 1.386 1.544
0.625 1.139 0.871 0.502 1.943
釧路 鎌倉
0.719 2.140
0.430 2.108
0.459 3.102
0.317 2.811
0.525 2.177
44
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
調査 2
4
4.4.4 イメージ要素得点の視覚化 前項の表から、どの都市がどの要素の得点が高いかはある程度読み取れるが、さらに視覚的に 読み取りやすくするため、得点のレーダーチャートを作成した(図 4.4.4-1、図 4.4.4-2)。 美観
情緒
活気
city 快適
雰囲気
図 4.4.4-1 イメージ要素のレーダーチャート
45
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
調査 2
4
図 4.4.4-2 イメージ要素のレーダーチャート
46
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
調査 2
4
4.4.5 クラスター分析 イメージ構造の似た都市を分類するために、イメージ要素の得点を基にクラスター分析を行っ た。分析の際にはデータを正規化し、判定にはユークリッド平方距離を用いた。また、分類感度 が高く、一般的に用いられるウォード法を使用して分析を行った。 クラスター分析によってデンドログラムを作成した(図 4.4.5-1)。この図の中で、近くに配
置されている都市ほどイメージの似ている都市である。各都市をいくつかのカテゴリー に分けることが出来た。都市のブランディングや施策を考える上で、自らの都市のイメー ジ力を把握することや似た都市を比較検討することは重要なことである。 さいたま 総合的なイメージはあまり高 くない
旭川 姫路 川崎 出雲 西宮 小樽 甲府
総合的なイメージはあまり高 くないが、「快適」要素は高 い
相模原 茅ヶ崎 那覇 伊勢 松山 草津
「快適」要素が高い
小田原 熱海 別府 伊豆 下関 佐世保 堺
イメージが総合的に低い
浦安 北九州 宇治 帯広 釧路 仙台 横浜 名古屋
比較的人口が多く、イメージ も平均的に高い
倉敷 浜松 盛岡 札幌 横須賀 函館
総合的にイメージ力が高く、 特にいずれかの要素が突出し て高い
金沢 神戸 日光 鎌倉
図 4.4.5-1 イメージ要素に基づいたデンドログラム
47
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
調査 2
4
4.4.6 考察 ⅰ)美観について 横浜、神戸、伊豆、鎌倉は<美観>の値が高いが横浜、神戸のような大都市の場合は 夜景やイルミネーションなどの人工的なものに綺麗と言及していることが多く、伊豆、 鎌倉のように自然環境に恵まれている都市では、例えば伊豆では海や星空、鎌倉では紅 葉などが、<美観>イメージの源泉になっていることが、Tweet の本文に立ち戻って調 べることで分かった。 ⅱ)雰囲気について 倉敷は<雰囲気>の値が特に高く、「街並が素敵」、「美観地区がすてき」という発言 が多い。対して、神戸も<雰囲気>が高いが、神戸の場合は「素敵な街」という言及以 外にも「オシャレな街」という発言も目立ち、スタイリッシュな都市としてのイメージ が強い。 ⅲ)快適について <快適>が高いのは茅ヶ崎、伊豆、那覇、別府である。茅ヶ崎や伊豆は海や山に恵ま れた都市であり、自然環境が快適に大きく起因している。また、那覇の場合は<快適> のイメージ要素と関係の深かった単語として、マラソンやランニングなどがあげられ、 11 月の沖縄の気候と「走る」というアクティビティが結びつき、「気持ちよい」といっ たイメージが喚起されたと言える。別府は観光の目玉である温泉が<快適>のイメージ に強く起因している。 ⅳ)情緒について <情緒>が特に高かったのは金沢であるが、「古い街並」といった文章が多く、古く さいといったネガティブなイメージではなく、観光地としてポジティブに捉えられてい る。 ⅴ)クラスター分析 イメージ要素の得点をもとにクラスター分析を行い、デンドログラムを作成することで、 各都市をいくつかのカテゴリーに分けることが出来た。この図の中で、近くに配置され ている都市ほどイメージの似ている都市である。都市のブランディングや施策を考える 上で、自らの都市のイメージ力を把握することや似た都市を比較検討することは重要な ことである。 ⅵ)総括 横浜、名古屋などの政令指定都市や伊豆、鎌倉など観光地として知名度の高い都市は 総じてイメージが高い傾向にある。しかし、さいたまは政令指定都市にも関わらず、ど のイメージ要素も低い値をとっている。これは 2001 年にさいたま市が大宮市、浦和市、 与野市の合併によって誕生した比較的新しい都市であることが、イメージの定着にいま だ至っていない原因だと考えられる。北九州の値が全体的に低いことも同様の理由だと 考えられる。鎌倉は全てのイメージ要素において高い得点を示した。これは海や山といっ た自然環境に非常に恵まれ、寺社など歴史的な建造物が保存されている点、また関東の 日帰りの観光スポットとして多くの観光客で賑わうことから、Twitter 上のイメージも 非常に高い評価となっている。
48
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
調査 2
4
4.5 分析「名詞から見た都市の独自性」 4.5.1 名詞出現数の偏差値化 ここまで、形容語によるイメージ分析を行ったが、具体的な都市の様相は記述出来ない。ここ からは名詞を用いて各都市の特徴語を抽出することで、都市の独自性を発見する。 品詞別単語リストの名詞の項目からその都市の特徴的な言葉を探索した。単純に頻出する単語 を比較しても、ほとんどの都市において共通なものが多いため、他の都市にはあまり現れないが、 ある都市にはよく現れる言葉を抽出する必要がある。 最初に作成した単語リストは各都市固有のものであり、それぞれ含まれる単語の組み合わせは 異なる。単語リストに含まれる単語は膨大な量があるため、Microsoft Office Excel に搭載され
た VBA でプログラムを組み、全都市共通の名詞リストを作り、各都市と名詞の出現数が対応し た表を作成した。VBA のソースコードは資料編に記す。その後、表の中の出現数を各名詞ごと に偏差値に換算し、各都市において偏差値の高い 50 項目を抽出した(表 4.5.1-1)。 表 4.5.1-1 特徴的な名詞(上位 50 語) さいたま 名詞 出現回数 アリーナ 2,833 スーパー 2,427 都心 1,680 荒野 23 ギャング 19 盆栽 24 キャッチフレーズ 18 平仮名 14 花道 15 両日 39 デイサービス 10 楽日 12 譜面 11 ノルマ 15 格闘技 10 物販 76 朝霞 8 太鼓 31 オーラス 60 アリ 119 シアター 21 シティ 78 県民 145 グッズ 129 大 日 27 擬人 12 空中 11 ディスコ 8 広場 35 ペンライト 10 真横 8 武道 11 切手 10 ステージ 69 ファイナル 92 双眼鏡 6 封筒 9 都道府県 15 帝国 11 大字 16 当落 11 ももいろクローバー 10 語呂 5 倍率 20 フランプール 9 初日 143 豆腐 35 ユニコーン 24 手首 5 スノーボード 6
偏差値 110.82286 110.80507 110.72485 110.35651 110.12628 109.80693 109.14662 108.45471 107.44566 107.10169 105.70757 105.61560 104.42433 103.64128 103.14946 102.15862 101.04651 100.22216 100.10221 99.86781 99.76384 99.65512 99.11838 98.07113 97.68120 97.03549 95.96638 95.83973 95.17505 94.69304 94.42793 93.49229 93.41762 93.38270 93.12410 93.01717 92.68017 92.56784 92.32510 91.24416 91.15319 91.13152 90.76871 90.63726 90.54318 90.52356 90.01391 88.96957 88.52166 88.33741
49
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
調査 2
4
4.5.2 名詞の分類 各単語をその意味に従って、[1. 建築物・施設 2. 名所 3. イベント 4. 特産品 5. 食 6. 自然 7. 歴史・文化 8. 行動 9. メディア 0. 不明]のような分類を行い、対応した番号を 4-5-1 で 作成したリストに追記した。単独では意味が解釈出来ない単語については元の文章を参照するこ とで対応した。下図は名詞の分類ごとに色を付け、それぞれの個数を見やすいように並べ替えた ものである(図 4.5.2-1)。
鎌倉
釧路
金沢
那覇
西宮
草津
茅ヶ崎
神戸
相模原
盛岡
甲府
メディア
熱海
浦安
浜松
行動
横須賀
横浜
歴史・文化
松山
札幌
旭川
日光
自然
帯広
川崎
食
小田原
小樽
宇治
特産品
姫路
堺
名古屋
イベント・事件
北九州
別府
函館
名所
出雲
倉敷
佐世保
伊豆
伊勢
仙台
下関
さいたま
建築物・施設
その他・不明
図 4.5.2-1 名詞の分類
50
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
調査 2
4
4.5.3 特徴語の可視化
さ い た ま
下 関
仙 台
伊 勢
伊 豆
佐 世 保
51
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
倉 敷
出 雲
函 館
別 府
北 九 州
名 古 屋
調査 2
4
52
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
堺
姫 路
宇 治
小 樽
小 田 原
川 崎
調査 2
4
53
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
帯 広
日 光
旭 川
札 幌
松 山
横 浜
調査 2
4
54
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
横 須 賀
浜 松
浦 安
熱 海
甲 府
盛 岡
調査 2
4
55
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
相 模 原
神 戸
茅 ヶ 崎
草 津
西 宮
那 覇
調査 2
4
56
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
金 沢
調査 2
4
釧 路
鎌 倉
57
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
調査 2
4
4.5.4 考察 ⅰ)都市施設とイメージ 都市によってはある一つのカテゴリに偏る場合がみられた。さいたまは「さいたまスーパーア リーナ」で行われるアーティストのコンサートや演目についての名詞が非常に多く抽出された。 また、出雲の場合は、出雲大社を中心に神話や歴史的な単語が抽出される結果となった。都市の ある特徴的な施設によってイメージが固定化されるという現象がこの図から読み取れる。 ⅱ)都市とイベント性 イベント・事件のカテゴリーが多数抽出された都市もあり、例えば仙台がそれである。仙台は「光 のページェント」と呼ばれるイルミネーションイベントが話題になり、それに関する単語が多い。 一時的なイベントによって、都市の実空間の様相は様変わりするが、そのような流動的な都市の イメージを表している例と言える。 ⅲ)都市と事件 北九州の場合は仙台のような娯楽的イベントではなく、以前、北九州で発生した犯罪事件の名 詞が非常に多く抽出された。収集期間中にこの事件の被告の刑が確定したことが原因であるが、 これはこの事件のイメージがいまだ払拭されていないということを表していると考えられる。 ⅳ)都市とメディア また、伊豆や松山、熱海といったメディアのカテゴリーが抽出される都市があった。伊豆は川 端康成の小説「伊豆の踊り子」、松山は夏目漱石の「坊っちゃん」といった物語の舞台となった 場所であり、そのようなコンテンツと都市のイメージは非常に結びつきやすい。最近ではゲーム や漫画、アニメ等といった若年層や「オタク」と呼ばれる人々をターゲットとしたコンテンツと 都市が関わりを持つことが多くなっている。熱海は「ラブプラス」というゲームのイベントが熱 海で行われ、それに関連した単語を多く抽出されている。 ⅴ)総括 この分析によって、各都市に独自に Tweet される名詞を抽出し、それらを得点や分類に従っ て可視化することで、どのような名詞が現れているかを直観的に把握することができた。ただ、 出現した名詞単独では意味が把握出来ないことが多々見受けられ、その場合は Tweet 本文に立 ち戻る必要がある。 留意しなければいけないのは、ここで抽出した名詞は本研究の Tweet 取得期間のみにあては まるということである。別の期間において同様の作業を行えば、また違った結果になるはずであ る。しかし、その中でも共通して現れる名詞はあると思われ、時系列的な分析をすればその名詞 を抽出することができ、都市のイメージの普遍的な部分を取り出すことが出来ると考えられる。 また、あくまで相対的な分析である為、比較する都市があ違えば、やはり違う結果が現れてく る。例えば、似た都市同士で比較をすれば、独自性の微妙な差異を抽出できると考えられる。
58
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
調査 2
4
4.6 分析「地名から見た都市間の関係性」 4.6.1 都市間の共起 都市計画やブランディングにおいて、他都市からの人の流動や、他地域との差別かあるいは連 携といった事は考慮されるべき事案である。ここでは、Twitter 上に現れる地域間の関係性を可 視化する。 KH Coder の機能の一つである「関連語分析」を用いて、対象の都市と関連の強い地名を上位 50 地域、抽出し、その出現数と Jaccord 係数をリスト化した。 Jaccard 係数とは、共起尺度の一つである。そもそも共起とは、2 つのキーワードが同じとこ ろに同時に現れることを指す用語であり、この関連性の高さを数値化したものが「共起尺度」 となる。共起尺度は「共起頻度」、「Simpson 係数」、「コサイン距離」などがあるが、ここでは Jaccard 係数を採用した。 ここで S1 と S2 の二つの集合があったとき、Jaccard 係数 J(S1,S2) は以下の式で表される。
J(S1,S2) =
¦S1 ¦S1
S2)¦ S2)¦
=
¦S1
S2 ¦
¦S1¦ +¦S2¦ - ¦S1
S2¦
Jaccard 係数が高い程、対象都市と共に文章に現れる回数が多く、関係の深い地名だと言える。 それは、都市間の移動を表していたり、似ている都市であったり、要因はさまざま考えられる。
59
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
調査 2
4
4.6.2 都市間の方角と距離の入力 関係性の強さを、実空間での位置関係も考慮して分析を行うため、対象都市と他地域との方角 と距離を調べ、作成したリストに追記していった。方角と距離の調査には以下の Web サイトを 利用した(図 4.6.2-1)。
[http://www.eva.hi-ho.ne.jp/tokada/map/distance_calculation.htm] 図 4.6.2-1 都市間の方角と距離の調査
地名、出現数、Jaccard 係数、方角、距離を記載したリストの一部を以下に示す(表 4.6.2-1)。 全都市のリストは資料編に掲載する。 表 4.6.2-1 名古屋の地名リスト(一部) No. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25
地名 大阪 東京 京都 福岡 岐阜 横浜 仙台 神戸 静岡 新潟 札幌 三重 北海道 柏 浜松 埼玉 長野 奈良 岡山 渋谷 広島 新宿 韓国 台湾 新横浜
分類 地名 地名 地名 地名 地名 地名 地名 地名 地名 地名 地名 地名 地名 地名 地名 地名 地名 地名 地名 地名 地名 地名 地名 地名 地名
総出現数 1291 (0.045) 1208 (0.042) 346 (0.012) 299 (0.010) 238 (0.008) 207 (0.007) 165 (0.006) 132 (0.005) 128 (0.004) 111 (0.004) 106 (0.004) 103 (0.004) 88 (0.003) 83 (0.003) 69 (0.002) 63 (0.002) 61 (0.002) 58 (0.002) 59 (0.002) 58 (0.002) 51 (0.002) 49 (0.002) 49 (0.002) 46 (0.002) 39 (0.001)
共起出現数 1262 (0.046) 1191 (0.043) 341 (0.012) 296 (0.011) 234 (0.008) 201 (0.007) 162 (0.006) 132 (0.005) 127 (0.005) 109 (0.004) 105 (0.004) 101 (0.004) 85 (0.003) 82 (0.003) 68 (0.002) 62 (0.002) 60 (0.002) 58 (0.002) 58 (0.002) 57 (0.002) 51 (0.002) 49 (0.002) 47 (0.002) 46 (0.002) 39 (0.001)
Jaccard係数 0.0456 0.043 0.0123 0.0107 0.0085 0.0073 0.0059 0.0048 0.0046 0.0039 0.0038 0.0037 0.0031 0.003 0.0025 0.0022 0.0022 0.0021 0.0021 0.0021 0.0018 0.0018 0.0017 0.0017 0.0014
方角(度分) 247度25分04秒 75度09分06秒 259度47分28秒 255度19分55秒 333度59分25秒 82度29分55秒 44度44分56秒 250度30分48秒 99度35分39秒 31度35分19秒 22度15分49秒 210度57分32秒 26度58分02秒 73度50分04秒 124度46分42秒 66度50分33秒 35度12分53秒 241度08分17秒 258度31分36秒 77度15分37秒 258度53分11秒 76度32分25秒 283度16分48秒 234度57分15秒 80度49分55秒
距離(m) 139219 241890 105878 622984 29885 249926 492492 165391 137189 358368 956632 92169 1043275 288614 91464 238988 199931 114866 278720 258889 415989 259995 804308 1986780 248859
方角(十進法) 247.41777778 75.15166667 259.79111111 255.33194444 333.99027778 82.49861111 44.74888889 250.51333333 99.59416667 31.58861111 22.26361111 210.95888889 26.96722222 73.83444444 124.77833333 66.8425 35.21472222 241.13805556 258.52666667 77.26027778 258.88638889 76.54027778 283.28 234.95416667 80.83194444
60
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
調査 2
4
4-6-3 都市間の関係性の可視化 |可視化方法 対象の都市を図の中心に置き、実距離と相対的な方角に従って、共起した地名を周辺に配置し た。共起した地名のテキスト、円の大きさ、バンドの太さは、Jaccard 係数の値に対応している(図 4.6.3-1)。
Jaccard 係数 バンド太さ 半径
方角
city
area
文字サイズ
実距離
図 4.6.3-1 可視化手順
|実距離と図の中での距離の関係 前述した地名リストのデータを、Processing で可視化した。描画する際に、各地域間の距離に 大きな差があるため、実際の距離と図上の距離を対応させるのではなく、対数関数的な表現方法 とした。その対数の係数と切片の値を算出する為に、Microsoft の Excel を用いて対数曲線を描き、 その数式を算出した。以下がその対数グラフとその曲線の方程式である(図 4.6.3-2)。ここで得 られた[係数:43.429]と[切片:-300]を Processing での描画計算に用いた。 450 400 350 300
y = 43.429ln(x) - 300
250 200 150 100 50 0
0
2000000
4000000
6000000
8000000
10000000
図 4.6.3-2 対数曲線
61
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
調査 2
4
名 古 屋
北 九 州
62
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
調査 2
4
別 府
浜 松
63
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
調査 2
4
姫 路
函 館
64
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
調査 2
4
熱 海
日 光
65
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
調査 2
4
那 覇
帯 広
66
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
調査 2
4
草 津
相 模 原
67
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
調査 2
4
倉 敷
川 崎
68
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
調査 2
4
仙 台
西 宮
69
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
調査 2
4
盛 岡
神 戸
70
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
調査 2
4
松 山
小 田 原
71
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
調査 2
4
小 樽
出 雲
72
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
調査 2
4
札 幌
堺
73
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
調査 2
4
佐 世 保
甲 府
74
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
調査 2
4
釧 路
金 沢
75
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
調査 2
4
茅 ヶ 崎
鎌 倉
76
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
調査 2
4
下 関
横 浜
77
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
調査 2
4
横 須 賀
浦 安
78
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
調査 2
4
宇 治
伊 豆
79
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
調査 2
4
伊 勢
旭 川
80
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
調査 2
4
さ い た ま
81
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
調査 2
4
4.6.4 考察 ⅰ)図に現れる地域性 地域間関係図には心理的に近しい地域が大きく描かれる。ある一面から都市がどのような位置 づけであるかを読み取ることが出来る。例えば、名古屋では東京と大阪が大きく描かれているが、 東京と大阪の中間に位置する名古屋の地理的特徴や東海道新幹線で移動するという人々の活動の 特徴が色濃く現れている。また、北海道の都市(函館、旭川、釧路、小樽)は全てにおいて札幌 との結びつきが強く、ハブの機能としての札幌という地域性が現れている。 ⅱ)類似した都市 自らと特徴が類似した都市も現れる傾向がある。例えば、日光や鎌倉などの歴史性の高い都市 は、やはり歴史のある地域である京都や奈良などと結びつきが強く現れている。似ている=比較 される都市であり、都市ブランディングの観点から言えば競合する都市と捉えることが出来る。 ⅲ)都市の自立性 本研究では基本的に行政市(の地名)を対象としたため、多くの場合その市が所属する都道府 県名が大きく描かれている。しかし、名古屋や仙台、神戸などの都市は所属する都道府県名との 結びつきはさして強くないという結果であった。これはその都市が都道府県に従属しているので はなく、自立性の高い都市であると捉えることが出来る。ただ、北海道内の都市は概して北海道 という地名が大きく描かれているが、これは北海道という地名のイメージが非常に高いというこ とを示している。 ⅳ)大都市圏と地方都市圏の分布の相違 結びつきの強い地域との距離については、大都市圏と地方都市において違いが見られた。関東・ 関西地方の大都市に近傍する都市は、結びつきの強い都市が 10km 〜 50km 付近に偏在している が、地方都市の場合は 100km 〜 1000km と離れた都市との結びつきが強い傾向にある。
82
まとめ
5
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
まとめ
5
5.1 まとめ
本研究で、以下のことが達成された。 |ソーシャルメディア上の膨大なテキストデータに含まれる形容語、名詞、地名といった側面か ら、web 上に蓄積された都市に対するイメージを抽出することが出来た。 |形容語から見た都市の印象では、Twitter 上には都市を形容する語が存在し、その語の出現数 から都市に対する印象の記述が可能である。また、クラスター分析によって、印象の似た都市に 分類することができた。 |名詞から見た都市の独自性では、それぞれの都市の特徴的な名詞を抽出することができ、どの ような都市要素がその都市から想起されているかを発見することが出来た。また、その結果を直 観的に把握しやすいような可視化手法を提示した。 |地名から見た都市間の関係性では、Twitter 上の他地域との語の結びつきを現実空間での心的 な結びつきと捉え、それを可視化することで、その都市の周辺との位置づけや地域性を発見する ことが出来た。
84
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
まとめ
5
5.2 展望
|本研究は、Twitter による多量なデータを扱ったが、それも Web 上の情報の一部でしかない。 個人の発言を抽出し、そこから形成されるイメージを抽出することに主眼をおいたため、本研究 では Twitter を用いたが、近年は多くの Web サービスが存在するので、複数のサービスを横断 的に分析することも必要であろう。 |都市のイメージは移ろいやすく絶えず変化するものである。それは昨年の東日本大震災の津波 の被害や原発事故による海辺の街への意識の変化を見れば、至極、納得のいく事実である。その ような流動的な都市のイメージを把握する為に、時系列的な分析を行うことが必要であろう。本 研究では、その段階まで至らなかったが、より長期的にデータを採集し刻々と変化する都市の様 相を記述することは可能であろう。 |本研究は Twitter ユーザーというごく限られた、しかも偏りのある属性の人間しか対象にでき ていないという前提で進めており、それが多様な人々が暮らす現実での都市空間を必ずしも正確 に反映しているとは言えない。本研究の調査 1 では、Web 上の情報と実空間情報との関係を分 析したが、そのような Web と現実との関係性のより詳細な調査も必要である。
85
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
まとめ
5
参考文献
1) 国立社会保障・人口問題研究所 http://www.ipss.go.jp/syoushika/tohkei/suikei07/suikei.html#chapt1-1 2) 和田 充夫 , 菅野 佐織 , 徳山 美津恵 , 長尾 雅信 , 若林 宏保 :『地域ブランドマネジメント 電 通 abic project 編』有斐閣 , 2009 3) 横浜創造都市センター http://www.yaf.or.jp/ycc/index.php 4) 木内信蔵 , 丹下建三 , 牧谷孝則:『日本列島の地域構造・図集/ Regional Structure of Japanese』日本地域開発センター , 1967 5) 松田達:『九〇年代、メディアの中の都市』10+1 No.19 都市/建築クロニクル 1990-2000 116-119 INAX 出版 , 2000 6) O'REILLY RADAR,「What is Web 2.0?」, 2005/9/30 http://radar.oreilly.com/archives/2005/09/what-is-web-20.html 7) 梅田望夫:『ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる』筑摩書房 , 2006 8) 東 浩紀 :『一般意志 2.0』講談社 , 2011 9) TechCrunch,「サンフランシスコ市が Twitter での苦情受付を開始」, 2009/6/3 http://jp.techcrunch.com/archives/20090602the-city-of-san-francisco-now-lets-you-submit- complaints-via-twitter/ 10)Twitter blog,「東日本大地震における地球規模の情報の流れ」, 2011/6/30 http://blog.jp.twitter.com/2011/06/blog-post_30.html 11)Pingpong プロジェクト , 東京大学知の構造化センター http://www.pingpong.ne.jp 12)Lynch.K, : 『The image of the city』M.I.T Press, 1960, 丹下健三・富田玲子訳 :『都市のイメー ジ』岩波書店 , 1968 13)D.appleyard ,『Why buildings are known, Environment and Behavior』, 1969 14)James D.Harrison, William A.Howard ,『The role of Meaning in the Urban Image, Environment and Behavior』
86
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
まとめ
5
15)Amos Rapoport, Pobert E.Kantor ,『Complexity and Ambiguity in Environmental Design 』, A.I.P.Journal, Jul. 16)志水英樹 ,『街のイメージ構造』, 技報堂 ,1979 17)志水英樹 , 福井通: 「中心地区空間におけるイメージの構造」日本建築学会論文報告集 ,No.229, 1975 18)加藤哲男 , 川上洋司 , 本多義明:「地域イメージに関する認知構造の研究」日本都市計画学会 学術研究論文集 , 31 号 , 337-342, 1996 19) 須山聡 , 鄭美愛: 「韓国における都市イメージの構成と形成過程 -- 評定尺度と言語表現の分析」 駒沢地理 (42), 11-35, 2006-03, 駒沢大学文学部地理学教室 20)米川光政 , 西浦定継:「街路の視覚的、空間的要素からみるイメージ要因分析に関する研究」 日本都市計画学会都市計画報告集 , No.2, 8-14, 2003-5 22)迫麻里絵 , 有馬隆文 :「Web に現れる都市イメージの可視化と実空間との比較に関する基礎 的研究」学術講演梗概集 . F-1, 都市計画 , 建築経済・住宅問題 2007, 775-776, 2007-07-31, 社団 法人日本建築学会 22)仲村明代 , 伊藤香織 :「東京のイメージ - マスイメージと私的イメージから見るまちの多様性 に関する研究 -」2009 23)吉田雄史 , 鄭新源 , 庄子真岐 , 朝倉博樹:「テキスト・マイニングを用いた都市・地域のイ メージ把握に関する研究」学術講演梗概集 . F-1, 都市計画 , 建築経済・住宅問題 2010, 1069 1070, 2010-07-20, 社団法人日本建築学会 24)前川 峻志 , 田中 孝太郎:『Built with Processing デザイン / アートのためのプログラミング 入門』BNN, 2007 25) Ben Fry:「ビジュアライジング・データ Processing による情報視覚化手法」O'REILLY, 2008
87
おわり に
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
おわりに
謝辞
この修士論文はたくさんの方に支えられて書き上げることができました。仁史先生、三年間ご 指導ありがとうございました。このように自由に研究出来る場を設けて頂き、とても感謝してお ります。本当にこの三年間、先生の下で充実した研究室生活を送ることができました。どうもあ りがとうございました。 この文章がご本人達の目に触れるかは分かりませんが、まず、情報ゼミの偉大なる先輩方にこ れまでの御礼を申し上げたいと思います。 遠田さん。出来の悪い学生にもかかわらず、卒論に加え、修論のご相談にも載って頂きあり がとうございました。遠田さんにお会い出来なければ、卒論も書き上げることはできなかった でしょうし、修論もこのテーマではやっていなかったと思います。卒論のときに遠田さんから Processing のことを教えてもらったおかげで、この修論にも活かすことができました。また、情 報ゼミ OB 会でもやりたいですね。新潟旅行で、全裸で雪の中にダイブしたことは一生の思い出 です。 奥津さん。本当に奥津さんには卒論のときも、修士になっても、奥津さんが卒業してもお世 話になりっぱなしです。卒論ではつきっきりで見てもらったり、一緒に ICC に行って頂いたり、 ご面倒おかけしました。この Twitter での研究も奥津さんの影響で始めたようなものです。いつ か、奥津さんのような本当の意味でオシャレでデキル男になれるよう、日々精進します。あ、僕 の誕生日にはわざわざ大阪から送ってくれたカップラーメンご飯、おいしく頂きました。あの、 手紙の絵は笑いました。ディーゼルのパンツも愛用してます。 おかたつさん。おかたつさんにもずっと研究やら就活やらなにかとご相談に乗って頂きました。 的確なアドバイスが返ってくるので、ついつい何度も相談してしまいました。すぎたつと3人で 作業のために研究室泊まったのに、ずっとしゃべってて 1mm も進まなかった夜のことは忘れま せん。あ、これ卒論の謝辞にも書いたかも。研究室に無駄に(?)泊まっていたおかたつさんが 懐かしく思います。またどうでも良い話で語り明かしたいです。 情報ゼミの他の先輩方、入江さん、池内さん、ヒデさん、ジマさんにもこの場を借りて御礼を 申し上げます。 また、林田先生は、卒論のときは「純平と区別がつかない」と言われるほど接点がありません でしたが、修士になってからはコトブキやダイアグラムなどでご指導いただき、大変お世話にな りました。執筆中 S 棟に狸せんべいやみかんを差し入れして下さりありがとうございました。 夏子さんには、ゼミが違ったせいであまり研究の話はできませんでしたが、いつも健康ゼミを やっている横で、夏子さんの豊富な話題をいつも興味深く聴かせて頂いていました。卒論の中間 発表のときに厳しいコメントを頂いたのは今では良い思い出です。
89
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
おわりに
菊地さんにはプログラミングの相談に乗って頂いたり、研究のことについて気にかけて頂いた り、大変お世話になりました。マリカーやりましょう。 ぶっさん。そのバイタリティを分けてほしいと常々思っております。ただ、幼稚園の設計の時 は死にそうになっていましたね。いつかぶっさんに家を建ててほしいです。 がっきーさんには卒論のときは情報ゼミで、修士からはダイアグラムで大変お世話になりまし た。ダイアグラム引き続き頑張りましょう笑 よごちゃんとひろきは M1 が二人という状況の中で、研究室の運営や雑務まで本当によくやっ てくれ、頭が下がる思いです。ありがとう。よごちゃんは夜更かしとスタ丼はほどほどに。ひろ きは禁欲はほどほどに。(まだ続いてる?) ししょう、手伝ってくれてありがとう!来年も微積ですか? もこみちも、手伝ってくれてありがとう!こんど秘湯を教えて下さい。 もにわ!手伝ってくれてありがとう!あと、湯のみもありがとう! S 棟で愛用させていただき ました。でも家では使わないと思う。 ハム太郎!キン肉マン! あやかちゃん、日本酒は勘弁して! もえちゃん、お互いなんかいろいろがんばろう! せいじ、今度はっしーと飲みいこう! 成田くん、タバコ吸い過ぎんな! あと、なによりこの三年間、お世話になった同期のみんなには本当に感謝しています。このメ ンバーだったから、楽しく充実した研究室生活を送れたと思います。 ゆたか、たばこ!ジャンボ、食い過ぎ!ゆかりん、もう 25 !木戸、abababababa !こーじー、遅刻! ぺー、おっちー殴んなよ!おっちー、泡立てろ! あ、はっしー、差し入れありがと。でも、まだみかん食ってないや。 すぎたつ、返信くれず悲しいです。 小西、なにしにきた? よりちゃん、イラレとかフォトショの使い方メールで俺に聞くより、ググった方がはやいよ。 江藤さん、たえちゃん! ながたつは? とりあえず、この修論最後の一ヶ月間、S 棟で共に生活していた、ゆたか、ジャンボ、ゆかりん のおかげで、つらいはずの研究が楽しくやれたような気がするけど、S 棟の環境の悪さは半端な かったなぁ。 とりあえずそろそろ印刷を始めなければいけないので、この辺で。 改めて、ご指導して下さった先生方、アドバイスをしてくれた先輩方、お手伝いしてくれた皆さ ん、苦楽を共にした同期のみんな、どうもありがとうございました。 2011 年 1 月 30 日 小池太輔
90
資料 編
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
| Twitter 取得プログラム Source code(Ruby)
# -*- coding: utf-8 -*require 'rubygems' require "twitter" require "kconv" require 'time' lines = [] File.open("list.txt", "r") do |f| lines = f.readlines end while true begin for city in lines search = Twitter::Search.new search.containing("#{city}").each do |r| n = r.text.delete("\n") # 改行消去 tweet = n.delete("\t") # タブ消去 time = Time.parse(r.created_at).strftime("%Y %m %d %H:%M:%S %a") time = time.gsub("\s" , "\t") File.open("#{city}.tsv","a")do |f| f.print r.id , "\t" , time , "\t" , r.from_user , "\t" f.puts tweet.tosjis end end end sleep 600 rescue puts "error" end end
資料編
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
| VBA Source code
Sub 重複一括削除 () Dim myStream As Object Dim buf As String, buf2 As Variant, buf3 As Variant, buf4() As Variant Dim i As Long, j As Long Dim fName As Variant Dim Filename As Variant Dim FolderPath As Variant Const adReadAll As Long = -1 Const adtypetext As Long = 2 Application.ScreenUpdating = False FolderPath = "C:¥Users¥Watanabe¥Desktop¥taisuke¥data¥city" fName = Dir(FolderPath & "¥*.tsv") Do Until fName = "" Filename = FolderPath & "¥" & fName Workbooks.OpenText Filename:=Filename, Origin _ :=932, StartRow:=1, DataType:=xlDelimited, TextQualifier:=xlDoubleQuote _ , ConsecutiveDelimiter:=False, Tab:=True, Semicolon:=False, Comma:= _ False, Space:=False, Other:=False, FieldInfo:=Array(Array(1, 2), Array(2, 1) _ , Array(3, 1), Array(4, 1), Array(5, 1), Array(6, 1), Array(7, 1), Array(8, 1)), _ TrailingMinusNumbers:=True ActiveSheet.Columns("A:H").RemoveDuplicates Columns:=1, Header:=xlNo Application.WindowState = xlMinimized ActiveWorkbook.Save ActiveWorkbook.Close SaveChanges:=True fName = Dir() Loop End Sub
資料編
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
Sub 本文重複一括削除 () Dim myStream As Object Dim buf As String, buf2 As Variant, buf3 As Variant, buf4() As Variant Dim i As Long, j As Long Dim fName As Variant Dim Filename As Variant Dim FolderPath As Variant Const adReadAll As Long = -1 Const adtypetext As Long = 2 Application.ScreenUpdating = False FolderPath = "C:¥Users¥Watanabe¥Desktop¥taisuke¥data¥city" fName = Dir(FolderPath & "¥*.tsv") Do Until fName = "" Filename = FolderPath & "¥" & fName Workbooks.OpenText Filename:=Filename, Origin _ :=932, StartRow:=1, DataType:=xlDelimited, TextQualifier:=xlDoubleQuote _ , ConsecutiveDelimiter:=False, Tab:=True, Semicolon:=False, Comma:= _ False, Space:=False, Other:=False, FieldInfo:=Array(Array(1, 2), Array(2, 1) _ , Array(3, 1), Array(4, 1), Array(5, 1), Array(6, 1), Array(7, 1), Array(8, 1)), _ TrailingMinusNumbers:=True ActiveSheet.Columns("A:H").RemoveDuplicates Columns:=8, Header:=xlNo Application.WindowState = xlMinimized ActiveWorkbook.Save ActiveWorkbook.Close SaveChanges:=True fName = Dir() Loop End Sub
資料編
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
Sub 空白行一括削除 () Dim myStream As Object Dim buf As String, buf2 As Variant, buf3 As Variant, buf4() As Variant Dim i As Long, j As Long Dim fName As Variant Dim Filename As Variant Dim FolderPath As Variant Dim Mrag As Range Dim Zrow As Long Const adReadAll As Long = -1 Const adtypetext As Long = 2 Application.ScreenUpdating = False FolderPath = "C:¥Users¥Watanabe¥Desktop¥taisuke¥data¥city" fName = Dir(FolderPath & "¥*.tsv") Do Until fName = "" Filename = FolderPath & "¥" & fName Workbooks.OpenText Filename:=Filename, Origin _ :=932, StartRow:=1, DataType:=xlDelimited, TextQualifier:=xlDoubleQuote _ , ConsecutiveDelimiter:=False, Tab:=True, Semicolon:=False, Comma:= _ False, Space:=False, Other:=False, FieldInfo:=Array(Array(1, 2), Array(2, 1) _ , Array(3, 1), Array(4, 1), Array(5, 1), Array(6, 1), Array(7, 1), Array(8, 1)), _ TrailingMinusNumbers:=True Columns("H:H").Select Selection.SpecialCells(xlCellTypeBlanks).Select Selection.EntireRow.Delete ActiveWorkbook.Save ActiveWorkbook.Close SaveChanges:=True fName = Dir() Loop End Sub
資料編
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
Sub 不要行一括削除 () Dim myStream As Object Dim buf As String, buf2 As Variant, buf3 As Variant, buf4() As Variant Dim i As Long, j As Long Dim fName As Variant Dim Filename As Variant Dim FolderPath As Variant Dim Mrag1 As Variant Dim Mrag2 As Variant Dim Mrag3 As Variant Dim Mrag4 As Variant Dim Mrag5 As Variant Dim Mrag6 As Variant Dim Mrag7 As Variant Dim Mrag8 As Variant Dim Mrag9 As Variant Dim Mrag10 As Variant Dim Mrag11 As Variant Dim Mrag12 As Variant Dim Mrag13 As Variant Dim Mrag14 As Variant Dim Mrag15 As Variant Dim Mrag16 As Variant Dim Mrag17 As Variant Dim Mrag18 As Variant Dim Mrag19 As Variant Dim Mrag20 As Variant Dim Zrow As Long Const adReadAll As Long = -1 Const adtypetext As Long = 2 Application.ScreenUpdating = False FolderPath = "C:¥Users¥Watanabe¥Desktop¥taisuke¥data¥city" fName = Dir(FolderPath & "¥*.tsv") Do Until fName = "" Filename = FolderPath & "¥" & fName Workbooks.OpenText Filename:=Filename, Origin _ :=932, StartRow:=1, DataType:=xlDelimited, TextQualifier:=xlDoubleQuote _ , ConsecutiveDelimiter:=False, Tab:=True, Semicolon:=False, Comma:= _ False, Space:=False, Other:=False, FieldInfo:=Array(Array(1, 2), Array(2, 1) _ , Array(3, 1), Array(4, 1), Array(5, 1), Array(6, 1), Array(7, 1), Array(8, 2)), _ TrailingMinusNumbers:=True For Zrow = Range("H1048576").End(xlUp).Row To 1 Step -1 For Each Mrag1 In Range("H" & Zrow) If Mrag1.Value Like "* 公式 RT*" Then Rows(Mrag1.Row).Delete Shift:=xlUp Next
資料編
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
For Each Mrag2 In Range("H" & Zrow) If Mrag2.Value Like "*【*" Then Rows(Mrag2.Row).Delete Shift:=xlUp Next For Each Mrag3 In Range("H" & Zrow) If Mrag3.Value Like "*_bot*" Then Rows(Mrag3.Row).Delete Shift:=xlUp Next For Each Mrag4 In Range("H" & Zrow) If Mrag4.Value Like "* 株式会社 *" Then Rows(Mrag4.Row).Delete Shift:=xlUp Next For Each Mrag5 In Range("H" & Zrow) If Mrag5.Value Like "*RT *" Then Rows(Mrag5.Row).Delete Shift:=xlUp Next For Each Mrag6 In Range("H" & Zrow) If Mrag6.Value Like "* 当店 *" Then Rows(Mrag6.Row).Delete Shift:=xlUp Next For Each Mrag7 In Range("H" & Zrow) If Mrag7.Value Like "* 円から *" Then Rows(Mrag7.Row).Delete Shift:=xlUp Next For Each Mrag8 In Range("H" & Zrow) If Mrag8.Value Like "* 円〜 *" Then Rows(Mrag8.Row).Delete Shift:=xlUp Next For Each Mrag9 In Range("H" & Zrow) If Mrag9.Value Like "* 詳しくは *" Then Rows(Mrag9.Row).Delete Shift:=xlUp Next For Each Mrag10 In Range("H" & Zrow) If Mrag10.Value Like "* こちらから *" Then Rows(Mrag10.Row).Delete Shift:=xlUp Next For Each Mrag11 In Range("H" & Zrow) If Mrag11.Value Like "* ◆ *" Then Rows(Mrag11.Row).Delete Shift:=xlUp Next For Each Mrag12 In Range("H" & Zrow) If Mrag12.Value Like "* ■ *" Then Rows(Mrag12.Row).Delete Shift:=xlUp Next For Each Mrag13 In Range("H" & Zrow) If Mrag13.Value Like "*news*" Then Rows(Mrag13.Row).Delete Shift:=xlUp Next For Each Mrag15 In Range("H" & Zrow) If Mrag15.Value Like "* ★ *" Then Rows(Mrag15.Row).Delete Shift:=xlUp Next For Each Mrag16 In Range("H" & Zrow) If Mrag16.Value Like "*HP へどうぞ *" Then Rows(Mrag16.Row).Delete Shift:=xlUp Next For Each Mrag17 In Range("H" & Zrow) If Mrag17.Value Like "*#*" Then Rows(Mrag17.Row).Delete Shift:=xlUp Next For Each Mrag18 In Range("H" & Zrow) If Mrag18.Value Like "*《*" Then Rows(Mrag18.Row).Delete Shift:=xlUp Next
資料編
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
For Each Mrag19 In Range("H" & Zrow) If Mrag19.Value Like "* 仲介手数料 *" Then Rows(Mrag19.Row).Delete Shift:=xlUp Next For Each Mrag20 In Range("H" & Zrow) If Mrag20.Value Like "* デリヘル *" Then Rows(Mrag20.Row).Delete Shift:=xlUp Next Next Zrow ActiveWorkbook.Save ActiveWorkbook.Close SaveChanges:=True fName = Dir() Loop End Sub
資料編
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
Sub bot 削除 () Dim myStream As Object Dim buf As String, buf2 As Variant, buf3 As Variant, buf4() As Variant Dim i As Long, j As Long Dim fName As Variant Dim Filename As Variant Dim FolderPath As Variant Dim Mrag1 As Variant Dim Mrag2 As Variant Dim Mrag3 As Variant Dim Mrag4 As Variant Dim Mrag5 As Variant Dim Mrag6 As Variant Dim Zrow As Long Const adReadAll As Long = -1 Const adtypetext As Long = 2 Application.ScreenUpdating = False FolderPath = "C:¥Users¥Watanabe¥Desktop¥taisuke¥data¥city¥" fName = Dir(FolderPath & "¥*.tsv") Do Until fName = "" Filename = FolderPath & "¥" & fName Workbooks.OpenText Filename:=Filename, Origin _ :=932, StartRow:=1, DataType:=xlDelimited, TextQualifier:=xlDoubleQuote _ , ConsecutiveDelimiter:=False, Tab:=True, Semicolon:=False, Comma:= _ False, Space:=False, Other:=False, FieldInfo:=Array(Array(1, 2), Array(2, 1) _ , Array(3, 1), Array(4, 1), Array(5, 1), Array(6, 1), Array(7, 1), Array(8, 2)), _ TrailingMinusNumbers:=True For Zrow = Range("G1048576").End(xlUp).Row To 1 Step -1 For Each Mrag1 In Range("G" & Zrow) If Mrag1.Value Like "*bot*" Then Rows(Mrag1.Row).Delete Shift:=xlUp Next For Each Mrag2 In Range("G" & Zrow) If Mrag2.Value Like "*BOT*" Then Rows(Mrag2.Row).Delete Shift:=xlUp Next For Each Mrag3 In Range("G" & Zrow) If Mrag3.Value Like "*news*" Then Rows(Mrag3.Row).Delete Shift:=xlUp Next For Each Mrag4 In Range("G" & Zrow) If Mrag4.Value Like "*NEWS*" Then Rows(Mrag4.Row).Delete Shift:=xlUp Next For Each Mrag5 In Range("G" & Zrow) If Mrag5.Value Like "*info*" Then Rows(Mrag5.Row).Delete Shift:=xlUp
資料編
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
Next For Each Mrag6 In Range("G" & Zrow) If Mrag6.Value Like "*INFO*" Then Rows(Mrag6.Row).Delete Shift:=xlUp Next Next Zrow ActiveWorkbook.Save ActiveWorkbook.Close SaveChanges:=True fName = Dir() Loop End Sub
資料編
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
Sub 特定単語削除 () Dim myStream As Object Dim buf As String, buf2 As Variant, buf3 As Variant, buf4() As Variant Dim i As Long, j As Long Dim fName As Variant Dim Filename As Variant Dim FolderPath As Variant Const adReadAll As Long = -1 Const adtypetext As Long = 2 Application.ScreenUpdating = False FolderPath = "C:¥Users¥Watanabe¥Desktop¥taisuke¥data¥city¥ 特定単語削除 " fName = Dir(FolderPath & "¥*.tsv") Do Until fName = "" Filename = FolderPath & "¥" & fName Workbooks.OpenText Filename:=Filename, Origin _ :=932, StartRow:=1, DataType:=xlDelimited, TextQualifier:=xlDoubleQuote _ , ConsecutiveDelimiter:=False, Tab:=True, Semicolon:=False, Comma:= _ False, Space:=False, Other:=False, FieldInfo:=Array(Array(1, 2), Array(2, 1) _ , Array(3, 1), Array(4, 1), Array(5, 1), Array(6, 1), Array(7, 1), Array(8, 1)), _ TrailingMinusNumbers:=True Columns("A:G").Select Selection.Delete Shift:=xlToLeft ActiveWorkbook.Save ActiveWorkbook.Close SaveChanges:=True fName = Dir() Loop End Sub
資料編
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
資料編
Sub 集計 () Dim myStream As Object Dim buf As String, buf2 As Variant, buf3 As Variant, buf4() As Variant Dim i As Long, j As Long Dim fName As Variant Dim Filename As Variant Dim FolderPath As Variant Dim Mrag As Variant Dim Zrow As Long Const adReadAll As Long = -1 Const adtypetext As Long = 2 Application.ScreenUpdating = False Dim c As Range Dim myFind As Variant Dim cAdr As String FolderPath = "C:¥Users¥Watanabe¥Desktop¥taisuke¥data¥city_KH¥" fName = Dir(FolderPath & "*_temp0.xls") Do Until fName = "" Filename = FolderPath & fName pName = Replace(fName, "_temp0.xls", "")
Workbooks.OpenText Filename:=Filename
Workbooks.Add ActiveWorkbook.SaveAs Filename:="C:¥Users¥Watanabe¥Desktop¥taisuke¥data¥tokyo_KH¥" & pName & " 集 計 .xlsx" Windows(fName).Activate myFind = " 綺麗 " Set c = Cells.Find(myFind, , xlValues, xlWhole) If Not c Is Nothing Then Range(Cells(c.Row, c.Column), Cells(c.Row, c.Column + 1)).Select Selection.Copy Windows(pName & " 集計 .xlsx").Activate Range("A1").Select ActiveSheet.Paste Application.CutCopyMode = False Windows(fName).Activate End If myFind = " きれい " Set c = Cells.Find(myFind, , xlValues, xlWhole) If Not c Is Nothing Then
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
Range(Cells(c.Row, c.Column), Cells(c.Row, c.Column + 1)).Select Selection.Copy Windows(pName & " 集計 .xlsx").Activate Range("A2").Select ActiveSheet.Paste Application.CutCopyMode = False Windows(fName).Activate End If myFind = " キレイ " Set c = Cells.Find(myFind, , xlValues, xlWhole) If Not c Is Nothing Then Range(Cells(c.Row, c.Column), Cells(c.Row, c.Column + 1)).Select Selection.Copy Windows(pName & " 集計 .xlsx").Activate Range("A3").Select ActiveSheet.Paste Application.CutCopyMode = False Windows(fName).Activate End If myFind = " 美しい " Set c = Cells.Find(myFind, , xlValues, xlWhole) If Not c Is Nothing Then Range(Cells(c.Row, c.Column), Cells(c.Row, c.Column + 1)).Select Selection.Copy Windows(pName & " 集計 .xlsx").Activate Range("A4").Select ActiveSheet.Paste Application.CutCopyMode = False Windows(fName).Activate End If myFind = " うつくしい " Set c = Cells.Find(myFind, , xlValues, xlWhole) If Not c Is Nothing Then Range(Cells(c.Row, c.Column), Cells(c.Row, c.Column + 1)).Select Selection.Copy Windows(pName & " 集計 .xlsx").Activate Range("A5").Select ActiveSheet.Paste Application.CutCopyMode = False Windows(fName).Activate End If myFind = " 賑やか " Set c = Cells.Find(myFind, , xlValues, xlWhole) If Not c Is Nothing Then Range(Cells(c.Row, c.Column), Cells(c.Row, c.Column + 1)).Select
資料編
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
Selection.Copy Windows(pName & " 集計 .xlsx").Activate Range("C1").Select ActiveSheet.Paste Application.CutCopyMode = False Windows(fName).Activate End If myFind = " にぎやか " Set c = Cells.Find(myFind, , xlValues, xlWhole) If Not c Is Nothing Then Range(Cells(c.Row, c.Column), Cells(c.Row, c.Column + 1)).Select Selection.Copy Windows(pName & " 集計 .xlsx").Activate Range("C2").Select ActiveSheet.Paste Application.CutCopyMode = False Windows(fName).Activate End If myFind = " 楽しい " Set c = Cells.Find(myFind, , xlValues, xlWhole) If Not c Is Nothing Then Range(Cells(c.Row, c.Column), Cells(c.Row, c.Column + 1)).Select Selection.Copy Windows(pName & " 集計 .xlsx").Activate Range("C3").Select ActiveSheet.Paste Application.CutCopyMode = False Windows(fName).Activate End If myFind = " たのしい " Set c = Cells.Find(myFind, , xlValues, xlWhole) If Not c Is Nothing Then Range(Cells(c.Row, c.Column), Cells(c.Row, c.Column + 1)).Select Selection.Copy Windows(pName & " 集計 .xlsx").Activate Range("C4").Select ActiveSheet.Paste Application.CutCopyMode = False Windows(fName).Activate End If myFind = " 遊ぶ " Set c = Cells.Find(myFind, , xlValues, xlWhole) If Not c Is Nothing Then Range(Cells(c.Row, c.Column), Cells(c.Row, c.Column + 1)).Select Selection.Copy
資料編
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
Windows(pName & " 集計 .xlsx").Activate Range("C5").Select ActiveSheet.Paste Application.CutCopyMode = False Windows(fName).Activate End If myFind = " あそぶ " Set c = Cells.Find(myFind, , xlValues, xlWhole) If Not c Is Nothing Then Range(Cells(c.Row, c.Column), Cells(c.Row, c.Column + 1)).Select Selection.Copy Windows(pName & " 集計 .xlsx").Activate Range("C6").Select ActiveSheet.Paste Application.CutCopyMode = False Windows(fName).Activate End If myFind = " 盛り上がる " Set c = Cells.Find(myFind, , xlValues, xlWhole) If Not c Is Nothing Then Range(Cells(c.Row, c.Column), Cells(c.Row, c.Column + 1)).Select Selection.Copy Windows(pName & " 集計 .xlsx").Activate Range("C7").Select ActiveSheet.Paste Application.CutCopyMode = False Windows(fName).Activate End If myFind = " もりあがる " Set c = Cells.Find(myFind, , xlValues, xlWhole) If Not c Is Nothing Then Range(Cells(c.Row, c.Column), Cells(c.Row, c.Column + 1)).Select Selection.Copy Windows(pName & " 集計 .xlsx").Activate Range("C8").Select ActiveSheet.Paste Application.CutCopyMode = False Windows(fName).Activate End If myFind = " 混む " Set c = Cells.Find(myFind, , xlValues, xlWhole) If Not c Is Nothing Then Range(Cells(c.Row, c.Column), Cells(c.Row, c.Column + 1)).Select Selection.Copy Windows(pName & " 集計 .xlsx").Activate
資料編
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
Range("C9").Select ActiveSheet.Paste Application.CutCopyMode = False Windows(fName).Activate End If myFind = " 人混み " Set c = Cells.Find(myFind, , xlValues, xlWhole) If Not c Is Nothing Then Range(Cells(c.Row, c.Column), Cells(c.Row, c.Column + 1)).Select Selection.Copy Windows(pName & " 集計 .xlsx").Activate Range("C10").Select ActiveSheet.Paste Application.CutCopyMode = False Windows(fName).Activate End If myFind = " 人ごみ " Set c = Cells.Find(myFind, , xlValues, xlWhole) If Not c Is Nothing Then Range(Cells(c.Row, c.Column), Cells(c.Row, c.Column + 1)).Select Selection.Copy Windows(pName & " 集計 .xlsx").Activate Range("C11").Select ActiveSheet.Paste Application.CutCopyMode = False Windows(fName).Activate End If myFind = " お洒落 " Set c = Cells.Find(myFind, , xlValues, xlWhole) If Not c Is Nothing Then Range(Cells(c.Row, c.Column), Cells(c.Row, c.Column + 1)).Select Selection.Copy Windows(pName & " 集計 .xlsx").Activate Range("E1").Select ActiveSheet.Paste Application.CutCopyMode = False Windows(fName).Activate End If myFind = " おしゃれ " Set c = Cells.Find(myFind, , xlValues, xlWhole) If Not c Is Nothing Then Range(Cells(c.Row, c.Column), Cells(c.Row, c.Column + 1)).Select Selection.Copy Windows(pName & " 集計 .xlsx").Activate Range("E2").Select
資料編
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
ActiveSheet.Paste Application.CutCopyMode = False Windows(fName).Activate End If myFind = " オシャレ " Set c = Cells.Find(myFind, , xlValues, xlWhole) If Not c Is Nothing Then Range(Cells(c.Row, c.Column), Cells(c.Row, c.Column + 1)).Select Selection.Copy Windows(pName & " 集計 .xlsx").Activate Range("E3").Select ActiveSheet.Paste Application.CutCopyMode = False Windows(fName).Activate End If myFind = " 素敵 " Set c = Cells.Find(myFind, , xlValues, xlWhole) If Not c Is Nothing Then Range(Cells(c.Row, c.Column), Cells(c.Row, c.Column + 1)).Select Selection.Copy Windows(pName & " 集計 .xlsx").Activate Range("E4").Select ActiveSheet.Paste Application.CutCopyMode = False Windows(fName).Activate End If myFind = " すてき " Set c = Cells.Find(myFind, , xlValues, xlWhole) If Not c Is Nothing Then Range(Cells(c.Row, c.Column), Cells(c.Row, c.Column + 1)).Select Selection.Copy Windows(pName & " 集計 .xlsx").Activate Range("E5").Select ActiveSheet.Paste Application.CutCopyMode = False Windows(fName).Activate End If myFind = " ステキ " Set c = Cells.Find(myFind, , xlValues, xlWhole) If Not c Is Nothing Then Range(Cells(c.Row, c.Column), Cells(c.Row, c.Column + 1)).Select Selection.Copy Windows(pName & " 集計 .xlsx").Activate Range("E6").Select ActiveSheet.Paste
資料編
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
Application.CutCopyMode = False Windows(fName).Activate End If myFind = " 心地好い " Set c = Cells.Find(myFind, , xlValues, xlWhole) If Not c Is Nothing Then Range(Cells(c.Row, c.Column), Cells(c.Row, c.Column + 1)).Select Selection.Copy Windows(pName & " 集計 .xlsx").Activate Range("G1").Select ActiveSheet.Paste Application.CutCopyMode = False Windows(fName).Activate End If myFind = " 心地よい " Set c = Cells.Find(myFind, , xlValues, xlWhole) If Not c Is Nothing Then Range(Cells(c.Row, c.Column), Cells(c.Row, c.Column + 1)).Select Selection.Copy Windows(pName & " 集計 .xlsx").Activate Range("G2").Select ActiveSheet.Paste Application.CutCopyMode = False Windows(fName).Activate End If myFind = " 心地 " Set c = Cells.Find(myFind, , xlValues, xlWhole) If Not c Is Nothing Then Range(Cells(c.Row, c.Column), Cells(c.Row, c.Column + 1)).Select Selection.Copy Windows(pName & " 集計 .xlsx").Activate Range("G3").Select ActiveSheet.Paste Application.CutCopyMode = False Windows(fName).Activate End If myFind = " 居心地 " Set c = Cells.Find(myFind, , xlValues, xlWhole) If Not c Is Nothing Then Range(Cells(c.Row, c.Column), Cells(c.Row, c.Column + 1)).Select Selection.Copy Windows(pName & " 集計 .xlsx").Activate Range("G4").Select ActiveSheet.Paste Application.CutCopyMode = False
資料編
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
Windows(fName).Activate End If myFind = " 気持ち良い " Set c = Cells.Find(myFind, , xlValues, xlWhole) If Not c Is Nothing Then Range(Cells(c.Row, c.Column), Cells(c.Row, c.Column + 1)).Select Selection.Copy Windows(pName & " 集計 .xlsx").Activate Range("G5").Select ActiveSheet.Paste Application.CutCopyMode = False Windows(fName).Activate End If myFind = " 気持ちよい " Set c = Cells.Find(myFind, , xlValues, xlWhole) If Not c Is Nothing Then Range(Cells(c.Row, c.Column), Cells(c.Row, c.Column + 1)).Select Selection.Copy Windows(pName & " 集計 .xlsx").Activate Range("G6").Select ActiveSheet.Paste Application.CutCopyMode = False Windows(fName).Activate End If myFind = " 清々しい " Set c = Cells.Find(myFind, , xlValues, xlWhole) If Not c Is Nothing Then Range(Cells(c.Row, c.Column), Cells(c.Row, c.Column + 1)).Select Selection.Copy Windows(pName & " 集計 .xlsx").Activate Range("G7").Select ActiveSheet.Paste Application.CutCopyMode = False Windows(fName).Activate End If myFind = " すがすがしい " Set c = Cells.Find(myFind, , xlValues, xlWhole) If Not c Is Nothing Then Range(Cells(c.Row, c.Column), Cells(c.Row, c.Column + 1)).Select Selection.Copy Windows(pName & " 集計 .xlsx").Activate Range("G8").Select ActiveSheet.Paste Application.CutCopyMode = False Windows(fName).Activate
資料編
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
End If myFind = " 伝統 " Set c = Cells.Find(myFind, , xlValues, xlWhole) If Not c Is Nothing Then Range(Cells(c.Row, c.Column), Cells(c.Row, c.Column + 1)).Select Selection.Copy Windows(pName & " 集計 .xlsx").Activate Range("I1").Select ActiveSheet.Paste Application.CutCopyMode = False Windows(fName).Activate End If myFind = " 懐かしい " Set c = Cells.Find(myFind, , xlValues, xlWhole) If Not c Is Nothing Then Range(Cells(c.Row, c.Column), Cells(c.Row, c.Column + 1)).Select Selection.Copy Windows(pName & " 集計 .xlsx").Activate Range("I2").Select ActiveSheet.Paste Application.CutCopyMode = False Windows(fName).Activate End If myFind = " なつかしい " Set c = Cells.Find(myFind, , xlValues, xlWhole) If Not c Is Nothing Then Range(Cells(c.Row, c.Column), Cells(c.Row, c.Column + 1)).Select Selection.Copy Windows(pName & " 集計 .xlsx").Activate Range("I3").Select ActiveSheet.Paste Application.CutCopyMode = False Windows(fName).Activate End If myFind = " 古い " Set c = Cells.Find(myFind, , xlValues, xlWhole) If Not c Is Nothing Then Range(Cells(c.Row, c.Column), Cells(c.Row, c.Column + 1)).Select Selection.Copy Windows(pName & " 集計 .xlsx").Activate Range("I4").Select ActiveSheet.Paste Application.CutCopyMode = False Windows(fName).Activate End If
資料編
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
myFind = " 昔ながら " Set c = Cells.Find(myFind, , xlValues, xlWhole) If Not c Is Nothing Then Range(Cells(c.Row, c.Column), Cells(c.Row, c.Column + 1)).Select Selection.Copy Windows(pName & " 集計 .xlsx").Activate Range("I5").Select ActiveSheet.Paste Application.CutCopyMode = False Windows(fName).Activate End If myFind = " レトロ " Set c = Cells.Find(myFind, , xlValues, xlWhole) If Not c Is Nothing Then Range(Cells(c.Row, c.Column), Cells(c.Row, c.Column + 1)).Select Selection.Copy Windows(pName & " 集計 .xlsx").Activate Range("I6").Select ActiveSheet.Paste Application.CutCopyMode = False Windows(fName).Activate End If Windows(pName & " 集計 .xlsx").Activate ActiveWorkbook.Save ActiveWindow.Close Windows(fName).Activate ActiveWindow.Close
fName = Dir() Loop
資料編
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
Sub csv 作成 () Dim myStream As Object Dim buf As String, buf2 As Variant, buf3 As Variant, buf4() As Variant Dim i As Long Dim fName As Variant Dim Filename As Variant Dim FolderPath As Variant Dim Mrag As Variant Dim Zrow As Long Const adReadAll As Long = -1 Const adtypetext As Long = 2 Application.ScreenUpdating = False Dim c As Range Dim myFind As Variant Dim cAdr As String i=2 Workbooks.OpenText Filename:= _ "C:¥Users¥Watanabe¥Desktop¥taisuke¥data¥city_KH¥ 全集計 .csv", Origin:=932, _ StartRow:=1, DataType:=xlDelimited, TextQualifier:=xlDoubleQuote, _ ConsecutiveDelimiter:=False, Tab:=False, Semicolon:=False, Comma:=True _ , Space:=False, Other:=False, FieldInfo:=Array(1, 1), _ TrailingMinusNumbers:=True FolderPath = "C:¥Users¥Watanabe¥Desktop¥taisuke¥data¥city_KH¥" fName = Dir(FolderPath & "*.xlsx") Do Until fName = "" Filename = FolderPath & "¥" & fName pName = Replace(fName, ".xlsx", "") city = Replace(pName, " 集計 ", "") Workbooks.OpenText Filename:=Filename
Range("A13").Select ActiveCell.Formula = "=B1+B2+B3+B4" Range("B13").Select ActiveCell.Formula = "=D1+D2+D3+D4+D5+D6+D7+D8+D9+D10+D11" Range("C13").Select ActiveCell.Formula = "=F1+F2+F3+F4+F5+F6" Range("D13").Select ActiveCell.Formula = "=H1+H2+H3+H4+H5+H6+H7" Range("E13").Select ActiveCell.Formula = "=J1+J2+J3+J4+J5+J6" Range("A13:E13").Select
資料編
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
Selection.Copy Windows(" 全集計 .csv").Activate Range("B" & i).Select Selection.PasteSpecial Paste:=xlPasteValues, Operation:=xlNone, SkipBlanks _ :=False, Transpose:=False Application.CutCopyMode = False Range("A" & i).Value = city
Windows(fName).Activate ActiveWorkbook.Close SaveChanges:=False i=i+1 fName = Dir() Loop Windows(" 全集計 .csv").Activate ActiveWorkbook.SaveAs Filename:="C:¥Users¥Watanabe¥Desktop¥taisuke¥data¥city_KH¥ 全集計 .csv", _ FileFormat:=xlCSV, CreateBackup:=False ActiveWindow.Close SaveChanges:=False End Sub
資料編
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
Sub 名詞リスト作成 () Dim myStream As Object Dim buf As String, buf2 As Variant, buf3 As Variant, buf4() As Variant Dim i As Long, j As Long Dim fName As Variant Dim Filename As Variant Dim FolderPath As Variant Dim lastRow1 As Integer Dim lastRow2 As Integer Dim lastRow3 As Integer Dim c As Range Dim myFind() As Variant Const adReadAll As Long = -1 Const adtypetext As Long = 2 Application.ScreenUpdating = False
Workbooks.OpenText Filename:="C:¥Users¥Watanabe¥Desktop¥taisuke¥data¥city_test¥test.xlsx" FolderPath = "C:¥Users¥Watanabe¥Desktop¥taisuke¥data¥city_test¥" fName = Dir(FolderPath & "*_temp0.xls")
i = 40 Do Until fName = "" pName = Replace(fName, "_temp0.xls", "") Filename = FolderPath & "¥" & fName Workbooks.OpenText Filename:=Filename Windows(fName).Activate lastRow1 = Range("A2").End(xlDown).Row Range("A2:A" & lastRow1).Select Application.CutCopyMode = False Selection.Copy Application.DisplayAlerts = False Windows("test.xlsx").Activate If Range("A2") = "" Then lastRow2 = 2 Else lastRow2 = Range("A2").End(xlDown).Row End If Range("A" & lastRow2).Select ActiveSheet.Paste ActiveSheet.Columns("A:A").RemoveDuplicates Columns:=1, Header:=xlNo Application.WindowState = xlMinimized ActiveWorkbook.Save
資料編
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
Cells(1, i).Value = pName lastRow3 = Range("A2").End(xlDown).Row - 1 ReDim myFind(lastRow3) For j = 2 To lastRow3 myFind(j) = Cells(j, 1).Value Windows(fName).Activate Set c = Range("A:A").Find(myFind(j), , xlValues, xlWhole) If Not c Is Nothing Then Cells(c.Row, c.Column + 1).Select Selection.Copy Windows("test.xlsx").Activate Cells(j, i).Select ActiveSheet.Paste Application.CutCopyMode = False Else Windows("test.xlsx").Activate Cells(j, i).Value = 0 End If Next j i=i+1 Windows(fName).Activate ActiveWindow.Close SaveChanges:=False fName = Dir() Loop End Sub
資料編
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
| Processing Source code
|形容語からみた都市の印象 レーダーチャート作成
import processing.pdf.*; boolean record; Table dataTable; int rowCount; float size = 30; int angle = 72; int def_angle = -90; int dpi =72; float width_mm = 420; float height_mm = 297; int width_pix = int(width_mm * 0.03937 * dpi); int height_pix = int(height_mm * 0.03937 * dpi); void setup(){ size(width_pix+100, height_pix); background(255); } void draw(){ if (record) { beginRecord(PDF, "data.pdf"); } background(255); smooth(); dataTable = new Table("city_ave.csv"); PFont axis = loadFont("RyuminPro-Bold.vlw"); rowCount = dataTable.getRowCount(); translate(0,100); for (int row = 1; row < rowCount; row++) { translate(140,0); if(row == 9||row == 17||row == 25||row == 33){ translate(-1120,150); } String place = dataTable.getString(row, 0); float data1 = dataTable.getFloat(row, 1); float data2 = dataTable.getFloat(row, 2); float data3 = dataTable.getFloat(row, 3); float data4 = dataTable.getFloat(row, 4); float data5 = dataTable.getFloat(row, 5); float ave = (data1+data2+data3+data4+data5)/5; strokeWeight(1); noStroke(); fill(240); beginShape();
資料編
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
vertex(size*cos(radians(def_angle)),size*sin(radians(def_angle))); vertex(size*cos(radians(def_angle+angle)),size*sin(radians(def_angle+angle))); vertex(size*cos(radians(def_angle+angle*2)),size*sin(radians(def_angle+angle*2))); vertex(size*cos(radians(def_angle+angle*3)),size*sin(radians(def_angle+angle*3))); vertex(size*cos(radians(def_angle+angle*4)),size*sin(radians(def_angle+angle*4))); endShape(CLOSE); strokeWeight(1); stroke(150); fill(250,0); strokeWeight(1); stroke(200); line(0,0,data1*size*cos(radians(def_angle)),data1*size*sin(radians(def_angle))); line(0,0,data2*size*cos(radians(def_angle+angle)),data2*size*sin(radians(def_angle+angle))); line(0,0,data3*size*cos(radians(def_angle+angle*2)),data3*size*sin(radians(def_angle+angle*2))); line(0,0,data4*size*cos(radians(def_angle+angle*3)),data4*size*sin(radians(def_angle+angle*3))); line(0,0,data5*size*cos(radians(def_angle+angle*4)),data5*size*sin(radians(def_angle+angle*4))); strokeWeight(1); stroke(0); noFill(); beginShape(); vertex(data1*size*cos(radians(def_angle)),data1*size*sin(radians(def_angle))); vertex(data2*size*cos(radians(def_angle+angle)),data2*size*sin(radians(def_angle+angle))); vertex(data3*size*cos(radians(def_angle+angle*2)),data3*size*sin(radians(def_angle+angle*2))); vertex(data4*size*cos(radians(def_angle+angle*3)),data4*size*sin(radians(def_angle+angle*3))); vertex(data5*size*cos(radians(def_angle+angle*4)),data5*size*sin(radians(def_angle+angle*4))); endShape(CLOSE); textFont(axis,10); fill(100); textAlign(CENTER); text(data1,data1*size*cos(radians(def_angle)),data1*size*sin(radians(def_angle))-3); textAlign(LEFT); text(data2,data2*size*cos(radians(def_angle+angle)),data2*size*sin(radians(def_angle+angle))); textAlign(LEFT); text(data3,data3*size*cos(radians(def_angle+angle*2)),data3*size*sin(radians(def_angle+angle*2))+6); textAlign(RIGHT); text(data4,data4*size*cos(radians(def_angle+angle*3))-4,data4*size*sin(radians(def_angle+angle*3))+6); textAlign(RIGHT); text(data5,data5*size*cos(radians(def_angle+angle*4))-3,data5*size*sin(radians(def_angle+angle*4))); textFont(axis,10); textAlign(CENTER);
資料編
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
fill(0); text(place,0,4); } if (record) { endRecord();
record = false; }
} void keyPressed(){ switch(key){ case 'p' : record = true; break; } }
資料編
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
|名詞からみた都市の独自性 特徴名詞の可視化
import processing.pdf.*; boolean record; Table dataTable; int rowCount; int col; PFont font; float[] rad; void setup(){ size(800,800); background(255); font = loadFont("RyuminPro-Bold.vlw"); col = 0; rad = new float[51]; for(int i=1; i<=50;i++){ rad[i] = random(0,360); } } void draw(){ dataTable = new Table("list50.csv"); rowCount = dataTable.getRowCount(); String city = dataTable.getString(0, col*3); if (record) { beginRecord(PDF, city + ".pdf"); } background(255); translate(width/2,height/2); smooth(); textFont(font,30); textAlign(CENTER); fill(200,0,0); text(city,0,0); for(int row = 50; row >= 1;row--){ String word = dataTable.getString(row, col*3); float data = dataTable.getFloat(row, col*3+1); int category = dataTable.getInt(row, col*3+2); float r = log((3+row))*60; textFont(font,data*4); textAlign(CENTER); switch(category){ case 0 : fill(0,0,0,-row*3+200); break; case 1 : fill(200,0,0,-row*3+200);
資料編
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
break; case 2 : fill(0,200,0,-row*3+200); break; case 3 : fill(0,0,200,-row*3+200); break; case 4 : fill(150,150,0,-row*3+200); break; case 5 : fill(0,150,150,-row*3+200); break; case 6 : fill(150,0,150,-row*3+200); break; case 7 : fill(150,150,50,-row*3+200); break; case 8 : fill(150,50,150,-row*3+200); break; case 9 : fill(50,150,150,-row*3+200); break; } text(word,r*cos(rad[row]),r*sin(rad[row])); } if (record) { endRecord(); record = false; } } void keyPressed(){ switch(key){ case CODED : switch(keyCode){ case RIGHT : col ++; for(int i=1; i<=50;i++){ rad[i] = random(0,360); } break; case LEFT: col --; for(int i=1; i<=50;i++){ rad[i] = random(0,360);
資料編
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
} break; } } } void mousePressed() { record = true; }
資料編
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
|地名からみた都市間の関係性 共起した地名の可視化
import processing.pdf.*; boolean record; Table dataTable; Table listTable; int rowCount; float a=43.4294481903252; float rad; float r; PFont font1; PFont font2; int count; String[] list; int number; int core; void setup(){ size(900,900); background(255); font1 = loadFont("RyuminPro-Bold.vlw"); font2 = loadFont("HelveticaNeue.vlw"); translate(width/2,height/2); rad = 30; r=100; number = 1; list = new String[40]; core = 33; }
void draw(){ if (record) { beginRecord(PDF, list[number] + ".pdf"); } listTable = new Table("city_list.csv"); for(int i=1; i<=39;i++){ list[i] = listTable.getString(i-1, 0); } background(255); translate(width/2,height/2); smooth(); stroke(200); noFill(); ellipse(0,0,200+core*2,200+core*2); ellipse(0,0,400+core*2,400+core*2); ellipse(0,0,600+core*2,600+core*2);
資料編
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
line(-width/2,0,width/2,0); line(0,-height/2,0,height/2); fill(0); textFont(font2,12); textAlign(CENTER); text("North",0,-350-core); text("East",350+core,5); text("South",0,350+core); text("West",-350-core,5); textAlign(LEFT); text("10km",0,-100-core); text("100km",0,-200-core); text("1000km",0,-300-core); dataTable = new Table(list[number] + ".csv"); for(int row = 0; row < 50;row++){ String loc = dataTable.getString(row, 1); float data = dataTable.getFloat(row, 5); float rad = dataTable.getFloat(row, 8)-90; float dis = dataTable.getFloat(row, 7); float r = data*10000; float c_x=cos(radians(rad))*(a*log(dis)-300+core); float c_y=sin(radians(rad))*(a*log(dis)-300+core); float l_x=cos(radians(rad))*(a*log(dis)-300-data*2500); float l_y=sin(radians(rad))*(a*log(dis)-300-data*2500); strokeWeight(data*100); stroke(130,0,0,120); strokeCap(ROUND); line(0,0,c_x,c_y); } strokeWeight(2); stroke(80); fill(150); ellipse(0,0,core*2,core*2); for(int row = 0; row < 50;row++){ String loc = dataTable.getString(row, 1); float data = dataTable.getFloat(row, 5); float rad = dataTable.getFloat(row, 8)-90; float dis = dataTable.getFloat(row, 7); float r = data*10000; float c_x=cos(radians(rad))*(a*log(dis)-300+core); float c_y=sin(radians(rad))*(a*log(dis)-300+core); float l_x=cos(radians(rad))*(a*log(dis)-300-data*2500); float l_y=sin(radians(rad))*(a*log(dis)-300-data*2500); strokeWeight(1); stroke(0,50); fill(0,30); ellipse(c_x,c_y,data*5000,data*5000); fill(150,0,0,200);
資料編
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
noStroke(); ellipse(c_x,c_y,3,3); fill(0); if(c_x<0){ textAlign(RIGHT); textFont(font1,data*600+10); text(loc,c_x-5,c_y); }else{ textAlign(LEFT); textFont(font1,data*600+10); text(loc,c_x+5,c_y); } } fill(255); textAlign(CENTER); textFont(font1,15); text(list[number],0,5); noFill(); stroke(50); rect(-width/2,-height/2,width,height); if (record) { endRecord(); record = false; } }
void keyPressed(){ switch(key){ case 'p' : record = true; break; case CODED : switch(keyCode){ case RIGHT : number ++; break; case LEFT: number --; break; } } }
資料編
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
| Table Class
class Table { String[][] data; int rowCount;
Table() { data = new String[10][10]; }
Table(String filename) { String[] rows = loadStrings(filename); data = new String[rows.length][]; for (int i = 0; i < rows.length; i++) { if (trim(rows[i]).length() == 0) { continue; // skip empty rows } if (rows[i].startsWith("#")) { continue; // skip comment lines } // split the row on the tabs String[] pieces = split(rows[i], ","); // copy to the table array data[rowCount] = pieces; rowCount++; } // resize the 'data' array as necessary data = (String[][]) subset(data, 0, rowCount); }
int getRowCount() { return rowCount; }
int getRowIndex(String name) { for (int i = 0; i < rowCount; i++) { if (data[i][0].equals(name)) { return i; } } println("No row named '" + name + "' was found");
資料編
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
return -1; }
String getRowName(int row) { return getString(row, 0); }
String getString(int rowIndex, int column) { return data[rowIndex][column]; }
String getString(String rowName, int column) { return getString(getRowIndex(rowName), column); }
int getInt(String rowName, int column) { return parseInt(getString(rowName, column)); }
int getInt(int rowIndex, int column) { return parseInt(getString(rowIndex, column)); }
float getFloat(String rowName, int column) { return parseFloat(getString(rowName, column)); }
float getFloat(int rowIndex, int column) { return parseFloat(getString(rowIndex, column)); }
void setRowName(int row, String what) { data[row][0] = what; }
void setString(int rowIndex, int column, String what) { data[rowIndex][column] = what; }
資料編
ソーシャルメディアに現れる発言の集積としての都市イメージ
void setString(String rowName, int column, String what) { int rowIndex = getRowIndex(rowName); data[rowIndex][column] = what; }
void setInt(int rowIndex, int column, int what) { data[rowIndex][column] = str(what); }
void setInt(String rowName, int column, int what) { int rowIndex = getRowIndex(rowName); data[rowIndex][column] = str(what); }
void setFloat(int rowIndex, int column, float what) { data[rowIndex][column] = str(what); }
void setFloat(String rowName, int column, float what) { int rowIndex = getRowIndex(rowName); data[rowIndex][column] = str(what); }
void write(PrintWriter writer) { for (int i = 0; i < rowCount; i++) { for (int j = 0; j < data[i].length; j++) { if (j != 0) { writer.print(","); } if (data[i][j] != null) { writer.print(data[i][j]); } } writer.println(); } writer.flush(); } }
資料編