商業施設における利用者の移動行動に関する研究

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平成元年度卒業論文 早稲口大学理工学科建築学科

商業施設 にお け る利用者 の移動行動 に関す る研究

早稲田大学理工学部建築学科

G6D049

渡辺仁史研究室

加藤

104030


は じめ に

建 築 には機能 が存在 し、それ故 に利用者 とい うものが存在す る。 この利 用者 には、単一の 目的 を持 った者 とそ うでない者 の 2通 りが あ って、前者 の例 としては office、 劇場等が、そ して後者 には商業施設が挙 げら れ る。

商業施設 は、街や外 部 に開いた性格 であるが故 に、規模や機能が拡大 し、 複雑化 する傾向 にある。 また商空間は、人の歩行 による動 きに原点 がある 為、規模 の拡大 に伴 って、様 々な移動行動が発生す るはずである。経営者 サイ ドから見 た場合、施設全体 の利用が望 ましい と思 われるが、規模が拡 大 した場合、全淋利用 とい う点 に問題が生 じるであろ う。 また今 日、様 々な商業施設が続々 と建設 されているが、中には、実際 に 使 いに くい平面形 の もの も見受けられた。そこで、そのような問題 を解決 で きる糸口が見 つかれば と研究 にとりかかった訳であ る。

早稲田大学 渡辺仁史研究室

:989年 度卒業論文


日次

第 1章

1   2           4   5   7

は じめに

■ ■

序論

1

研究 目的

2

研究背景

3

研究概要

2章 本論

0     1

各階平面毎 の考察 コーナー における通路選択 につい て

施設全体 の流動状況 に関す る考察

1■

第 3章

7   9

各階平面 にお ける流動状況 に関す る考察

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考察

3

調査結果

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調査概要 1   5

1

結論

あ とが き

・ 参考文献

今後 の展望

2

1    1

考察

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1


第 I章 序論


l

研究 目的

本研 究 の 目的 は、商業施設内での利用者 の流動状況 を調査 し把握す るこ とによ り、通路及 びエ スカレー タ等 の移動空間 におけ る行動 を左右す る要 因 を探 り、移動行動 との関係 を明 らかにす ることであ る。

早稲田大学 渡辺仁史研究室

1989年 度卒業論文


2

研 究背 景

現代 の動的 に変貌す る情報社会 において最 も情 報 の動 きに関 わる空間、 最 も人 々の生 活 や コ ミュニティー に影響 を与え る空間 として商空間が取 り 上 げ られる。商空間が それ自体、本来社会的存在 で あ るので、社会や街 に 開 い た性格 を持 ち、 と同時 に街 を通 じて他 の商業施設 とつ ながってい く性 格 を持 ち合わせている。 それ故、商空間が集積 し、多様化、複合化、大規模化す るのであ る。

ここ数年、街 では大型 の商業施設が話題を集 め、地域開発、スラム化防 止、土地高度利用等の理由によ り、郊外・都心 を問 わず、 よ り大型 の商業 施設が続 々と建設 されている状況 である。 これは、オイルショック以前 の発展期 につ ぐ第 三次発展期 とな りそうで ある。好景気・延 びる個人消費・余暇の増大・消費者 ニーズの多様化等 の 要因も伴 い、複合の度合 い も促進 し規模も大型化 し、 ます ます発展 してい くであろう。

早稲田大学

渡辺仁史研究室

:989年

度卒業論文


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度卒業論文

1989年

渡辺仁史研究室

早稲 田大学

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研 究概 要

本論文 は、序論 を含 めて、全体 で 3章 から構成 される。

第 1章 は、研究目的 。研究背景 。研究概要から成 ってお り、本論文の輪 郭 を説明する序論であ る。 第 2章 は、調査 の概要及 び結果 の報告 と、調査結果 に基づいて行 なった 考察 について述べ る本論 である。 調査 は、実際 の流動状況 の把握 を図 り、利用者 の移動行動 が重要かつ複 雑 な施 設である大規模商業施設『 MYCAL本 牧」 において追跡調査 を 行 なった。 考察 は、各階平面での流動状況 と、各階間の流動状況の 2通 りの観点 か ら行 なっている。 平面での考察 では、各階平面 における問題点 を指摘 し、その原因 となる 建築的及 び空間的要素 の抽出 を行 な う。更 にそれを基に通路 の評価 を行 なっている。 各階間での考察では、利用者全体 の各階への移動行動 について考察 した 後、利用入口別及び入館 直後 の行動パ ターン別 の他階への移動行動 につ いて考察する。更 に、移動行動 に対 して、他階、 の移動手段 であるエス カレー タの配置及 び向 きと周辺空間の状況が与える影響 について も考察 す る。 第 3章 は、前章で考察 した内容 を総括的にまとめる結論 の章である。 商業施設の利用者 と経営者、その両方の側 にとって有益 な施設計画 を行 な うための問題提起及 び考察 を移動行動 とい う観点 から行 な う。そして、 本研究 の今後 の展望 について述べ る。 早稲田大学 渡辺仁史研究室

1989年 度卒業論文


第 ′章

本論


調査概要 ■

調査 目的

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大規模商業施設 において、来館者 の移動行動 の軌跡 を記録す ることに よって、実際 の通路使用状況 を把握す る。 また、施設 の建築的及 び空間的状況 を把握 す ることを目的 とす る。

調査内容

1)来 館者 の属性 と施設利用時間

2)来 館者 の施設内 におけ る移動行動 の軌跡 の記録 3)照 度計 を用 いた施設内通路 の明 る さの分布状況 ■ 調査方法 無作為 に来館者 を選定 し、入館 から退館 までの歩行追跡調査 を行 なう。 移動行動 の軌跡 は、各界平面図上に記録する。同時 に属性 と入館 から 退館 までの時間 を記入する。 追跡開始場所 は、予備調査 により入館者数の少 ない場所 は除 き、入館 者数 の多 い 1階 正面入口とペデイス トリアンデッキにつながる 2階 正 面入日の二箇所 とす る。

調査 日時

1989年

早稲 田大 学

9月 3日 9月 10日 10月 10日

8月

27日

9月

15日

午前

11時 ∼午後 7時

渡辺仁史研究室

1989年

度卒業論文


調査対象施設 「 MYCAL本

五番街」

調査対象施設 について 商業施設 における最 も大 きな目的 として利潤追及 が あげられ る。その ため、来館者 の施設内 におけ る滞在時間の伸長 が図 られることになる。 つ ま り、施 設全体 を利用 させ、目的地以外 の店舗 の利用機会 を増進 さ せ ることが商業施設 においては望 まれるのである。 今 回、 3つ の商業施設 における予備調査 の結果 か ら、特 にMYCAL 本牧 では各界平面及 び施設全体利用 とい うことで問題 が存在す ると思 われる。 そ こで特 に、迷路性 のある平面 と、光 の分布状態が様 々 な様相 を呈 じ ている 5番 街 におい て調査 を行 なった。

『 MYCAL本 牧Jは 、横浜の都心か ら車で約 30分 、横浜ベイプリ ッジ新山下出口近 くに位置 している。 ここは、米軍 キャンプ跡地を総 合的に整備する新本牧開発 の中心地区である。 1番 街から5番 街の施設によ り構成 されているが、 この うち空間的・ 内容的に広域商圏の獲得 を狙 っている、専門店 の集 まる 5番 街 は広場 や路地空間が各所 に配 され、街の性格 を持ち合 わせ ている。

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「 MYCAL本 牧』建築概要 名称 MYCAL本 牧 ― 所在地 ――― 横浜市中区牧原 敷地面積 8018m2 -3万 建 築面積 9966m2 -1万 べ 延 面積 1014m2 営業面積 -12万 9334m2 -4万地上 6階 。地下 1階 (5番 街) 階数

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配置・2階 平面図 (1/2,400)

早稲田大学 渡辺仁史研究室

1989年 度卒業論文


調査結果 本調査 によって得 られた有効 サ ンプルは、 56ケ ースであ った。 これ を、入口別及 び入館 直後 の行動 パ ター ン別 に

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: 1階 入口から入館 (10ケ ース : 2階 入口から入館、 の ち直進 (29ケ ース : 2階 入口から入館、 のち右折 (17ケ ース )

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の 3つ のタイプに分類 し、集計 を進 めた。 その結果 を以下 に記す。

早稲田大学 渡辺仁史研究室

1989年

度卒業論文


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!989年 度卒業論文

早llI田 大学 渡辺仁史研究室

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度卒業論文

1989年

早稲 田大学 渡辺仁史研究室

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度卒業論文

1989年

早稲田大学 渡辺仁史研究室

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度卒業論文

1989年

渡辺仁史研究室

早稲 田大学

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度卒業論文

1989年

渡辺仁史研究室

早稲 田大学

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度卒業論文

1989年

渡辺仁史研究室

早稲 田大学

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度卒業論文

1989年

渡辺仁史研究室

早稲 田大学

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度卒業論文

1989年

渡辺仁史研究室

早稲田大学


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度卒業論文

1989年

渡辺仁史研究室

早稲 田大学

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度卒業論文

1989年

渡辺仁史研究室

早稲 田大学

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1989年

渡辺仁史研究室

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度卒業論文

1989年

早稲田大学 渡辺仁史研究室


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度卒業論文

1989年

渡辺仁史研 究室

早稲 田大学

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度卒業論文

1989年

渡辺仁史研究室

早稲 田大 学

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度卒業論文

1989年

渡辺仁史研 究室

早稲 田大学

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度卒業論文

1989年

渡辺仁史研究室

早稲 田大学

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度卒業論文

1989年

渡辺仁史研究室

早稲 田大学

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度卒業論文

1989年

渡辺仁史研究室

早稲田大学


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度卒業論文

1989年

渡辺仁史研究室

早稲 田大学

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度卒業論文

1989年

渡辺仁史研究室

早稲田大学

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度卒業論文

1989年

渡辺仁史研究室

早稲 田大学

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度卒業論文

1989年

渡辺仁史研究室

早稲 田大学

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度卒業論文

:989年

早稲田大学 渡辺仁史研究室

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度卒業論文

1989年

渡辺仁史研究室

早稲田大学

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度卒業論文

1989年

早稲田大学 渡辺仁史研究壼

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度卒業論文

1989年

渡辺仁史研究室

早稲田大学

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度卒業論文

1989年

渡辺仁史研究室

早稲 田大学

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楓 州 回

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度卒業論文

1989年

渡辺仁史研究室

早稲田大学

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度卒業論文

1989年

渡辺仁史研究室

早稲田大学

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度卒業論文

1989年

渡辺仁史研 究室

早稲田大学

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度卒業論文

1989年

渡辺仁史研究室

早稲 田大学


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度卒業論文

1989年

渡辺仁史研究室

早稲田大学


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度卒業論文

1989年

早稲田大学 渡辺仁史研究室


︵X ⊃ コ ︶

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度卒業論文

1989年

早稲 田大学 渡辺仁史研究室


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1989年 度事業論文

早稲田大学 渡辺仁史研究室


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渡辺仁史研究室

1989年

度卒業論文


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1989年

度卒業論文


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1989年

度卒業論文


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1989年

度卒業論文


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1989年

度卒業論支


3

考察

■ は じめに 以下の考察 をすす めるにあた り、便宜 上の為、各階の各通路 に番号 を記 した。

.13 .

早稲田大学 渡辺仁史研究室

1989年

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11。

度卒業論文

16日 .7

4 .

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早稲田大学 渡辺仁史研究室

1989年

度卒業論文


早稲田大学 渡辺仁史研究室

:989年 度卒業論文


各階平面 における流動状況 に関す る考察 a-1

各界平面毎 の考察

■ 1階 平面 におけ る考察

01階 平面 における来館者 の流動状況 は、通路 によって流動数及 び通過数 にかな りの格差 が生 じている。 (図 参照)特 に、No.3 No。 5 No.6 No.7 No.8 No。 9 No.10の 通路 は極 めて少 な い。 また、本牧坂 と呼 ばれる No.19 No.20 No。 21 No. 22 No.23通 路 において も同様 である。 前者 の要 因 として

1)入 日付 近 のエ スカレー ターか らの導入数 が極 めて少 ない。

2)No.4 No.11通

路 におけ る流動状況 に、広場

(ネ

ビュラ)ヘ

の強 い方向性 が見 られる。

3)本 牧坂及 びNo.19通 路 の流動数が少 な く、 No.10 No。 19 No。 21通 路 か らなる コー ナ ー においてNo。 10通 路 へ の流入が 全 く見 られない。 の 3つ が あげ られる と思 われる。 また、本牧坂 におけ る流動数 が少 ない理由 として、

1)本 牧坂入日か らの流入 が少 ない。

2)No.12 No。 18お よびNo.10通 路 か らNo.19通 路へ の 流入数 が少ない。

3)2階 か らつながるNo.20通 路へ の流入 が少 ない。 の 3つ があ げ られる。

早稲田大学

渡辺仁史研究室

1989年

度卒業論文


これ らそれぞれの要因 には、何 らかの建築的及 び空 間的要素が影響 して い る ものと思 われる。

○ 回遊度 グラフによると、1階 各利用者 の回遊度が比 較的低 いこ とがわか る。 これはこの 1階 平面 の通路 におけ る来館者 の流動 に強 い方向性

(No.

2→ 4→ 11→ 13→ 16→ 18の 流 れ)が あ り、 この ため他 の通路 へ の 移動 が減少 し回遊度 の低下 につ ながるもの と考 えられる。

○平面全体利用 とい う観点 か らす ると l階 の問題点 として次 の 2点 が あげ られる。

1)通 路 によ り流動 の分布 にかな りの格差 が生 じて い る。

2)1階 の各利用者 の回遊度 が比較的低 い。 ■ 2階 平面 におけ る考察

02階 におけ る来館者 の流動状況 は、本牧坂 につ なが るNo.20 No. 21通 路 を除外 してどの通路 において も流動数 はほぼ一様 である本牧坂 に つ ながる通路 の流動数が少 ないのは、先程述べ た 1階 平面 の影響 に加 えて

2階 の扉及 び何 らかの建築的 もしくは空 間的要素が影響 を与えてい る もの と思 われる。

○ この平面において各来館者の回遊度 は他階の ものと比較して全般的に高 い

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:989年

度卒業論文


■ 3階 平面 における考察

03階 における来館者の流動状況 は 1階 と同様、通過数に格差が見 られる。 特 にNo.3 No.5通 路では向 きを考慮 した通過数 に差 が生 じてい る。 ○各来館者の回遊度 も 1階 と同様、比較的低 い。

○ この階における もう1つ の問題点 として、吹き抜け周囲の多 目的ホール ヘ通 じるNo.1通 路及び映画館へ向かうNo.8通 路で、行 き止まり、U ターンする行動 が多々見受けられた。 ■ 4階 平面 における考察 ○ レス トラン街 である 4階 におけ る流動状況 は、 どの通路 において も流動 数、通過数共 にほぼ一様 である。

○行動軌跡 より、何 を食すか、各店舗 をまわって決定する行動が見 られ、 結果的に各利用者の回遊度が高まっている。

早稲田大学 渡辺仁史研究室

1989年 度卒業論文


a-2

コーナー におけ る通路選択 につい て

回遊度グラフによ り、各階 における回遊度 にかな りの差 が判明 した。 全般的に見 ると、 2階 と比較 して、 1階 。3階 における回遊度 の低 さが 目立 つ。つ ま り各 々の来館者の店舗利用 の機会 が 1階 。3階 において少 な い とい うことを意味す るのである。 また、先ほ ど述べたように、 1階 。3階 各平面 において、全体的な流動 状況 に もばらつ きが見 られる。即ち、通路 によって流動数 に差が生 じてい ることによって、各店舗間に利用機会の格差が発生す る。 以上の2つ が、店舗利用機会の減少及 び格差 の発生 とい う問題 に関係 し ている ものと思 われる。 これは平面計画時点での動線計画、本研究 におい ては特 に通路設定 の際 の通路 の建築的及 び空間的操作 と深 く関与す るので はないだろうか。 そ こで、来館者 の

(コ

ーナーにおける)通 路選択 に関係 があると思 われ

る通路 の建築的及 び空間的要素 を抽出 し、それら要素からコーナーにおけ る通路選択の総合評価 を行 ない、実際の状況 と比較 し、 さらに考察 を加 え る。

■移動行動 に影響 を与 える通路 の建築的及 び空間的要素 建 築空間にお い て、光 の有効 な操作 は、利用者 に強 い心理的影響 を与 え る。特 に通路・ 階段 などの移動空間 においては、人 を誘導す る効果 を発生 す る と思 われ、その操作 は重要 となる。調査結果 からも、や は り照度 の低 い通路 の流動数 が少 ないこ とが半J明 した。 早稲田大学

渡辺仁史研究室

1989年

度卒業論文


次 に、通路 の幅 について考慮する必要があると思 われる。施設内部 とい う空間の性質上、利用者 は常 に物理的に取 り囲 まれている。特 に通路・エ スカレータ等 においては、その幅が`い 理的な圧迫感 と深 く結 びついてお り、 通路 上の密度 に直接関係することと併せて、移動行動 を左右す る要因 とな っていることが考 えられる。実際 に、通路 の幅 と流動数 の関連が推測 され る調査結果が見受け られた。 更 に、歩行 の連続性 とい う観点 からすると、通路相互の位置関係

(角 度)

によって、その連続性 の確保あるいは中断が為 されるこ とが推測できる。 断面交通量調査 などの予備調査 で、連続性 を保 とうとす る傾向が観察 でき たこ とから、 この通路相互の位置関係 も、移動行動 に作用す る要素 の 1つ であ ると考 えることができる。 以上のことか ら、

1) 2) 3)

通路 の明 る さ 通路 の幅 通路相互 の位置関係

とい う3つ の要素 を抽出 した。

早稲田大学 渡辺仁史研究室

1989年 度卒業論文


■通路選択 に関す る評価 ○評価 方法 につい て 施 設内の全通路 に関 して、前項 で抽出 した

1)通 路 の明 るさ 2)通

路 の幅

3)通

a(>)b(>)c

の 3要 素 をそれぞれ

路相互 の位置関係

の 3段 階 に評価 し、

a → 3点 b→ 2点 c → 1点 の点数 を与え る。 次 に、 3要 素 それぞれの点数 を乗 じて総合 評価点 を算出す る。 これは 要素相 互のパ ラ ンス を重視 す るためであ る。算 出 した総合 評価点 は、 点数 に応 じて

A B C D

(18点 、 27点 (8点 、 9点 、12点 (3点 、 4点 、 6点 (1点 、 2点 )

)

)

)

の 4段 階 に分類 し、 これを総合評価 とす る。 ここで行 なった総合 評価 は、あ る通路 か ら他 の通路へ の移動 の しやす さを表すもので あ る。

総合評価 (A、 B、 C、 総合評価点

=

D)

総合評価 点

明 るさの評価点 ×幅 の評価点 ×位置関係 の評価点

早稲田大学 渡辺仁史研究室

1989年 度卒業論文


移動後 の通路

4

9

議増 C握最絲

ёb D

4

c a a a

0

a a 9

各 コーナーにおける表 の見方

c

l

A

幅 位 置関響 総 合 評価

!0

実 淑1人 数

a a c B

B 0

a a a A 3

明 るさ

1

c b

図化 した もの

c

D 0

│ │

│へ

評価 と実測値 におよその相関 が見 られる。

早llT田 大学 渡辺仁史研究室

:989年 度卒業論文

│ │

IR


2 1

a a a A 7

3

c b c D

明 るさ

l

実測人数

0

軍 _

評価 と実測値 におよその相関が見 られ る。

早稲田大学 渡辺仁史研究室

1989年 度卒業論文


2

4

5

a a b

C C C D

A

2

7

a a b 4

5

A 3 a a c B

実測 人

1

C C C D a a c B 3

/

︱ ・

評価 と実測値 におよその相 関が見 られ る。

早稲田大学 渡辺仁史研究室

幅 諭

IJ 繁

1

l

0

0

:

明 るさ

1989年

度卒業論文

l位 置関


4

9

c b c D

4

0 9

a a c B

明るさ l

幅 l位 置由頂

総合評価 実測人数

B

0

a a a A 3

a a a A 10 a a c 1

c b

c

D 0

︲ ・ ﹁

口 R

│ │

│ │

│ト

評価 と実測値 にお よその相関が見 られる。

早稲田大学 渡辺仁史研究室

:989年

度卒業論文


12

b b

c

C

13 a a a A

明るさ

12

位 置関屏

実演1人 数

0

a a

1

c

a a

B

c B 2

a a a 13 A

a a b

b b C 3

b b

A 3

c

c a a b

C 0

C

A 3

13-11, 12 におい て、評価 と実測値 に違 いが生 じてい る。 行動軌跡 から考察す ると、 これはエ スカ レー タで上階へ 向か う行動 が関係 してい るため である。

早稲田大学 渡辺仁史研究室

1989年

度卒業論文


13 13

15

16

c b a

b b b

C

B 8

7

a a

b b

c B

15

C 3

a a b A 3

16 a a 17

c

c

c b

c

17 C C C D 3 C C C D

D

C D

0

0

c b

C

明 るさ 1 幅 l位 置関塀 給

実演1人 数

C

c b b c

B

D

C

0

0

1

C一F︲

ト ﹂   r    口F 口F

15-13 これは通路

150

T ` ノ二≒ ト

におい て、評価 と実測値 に違 いが生 じてい る。

15へ の移動者 は全て通路 13か ら来てい るためである。

早稲田大学 渡辺仁史研究室

1989年 度卒業論文


16 16

17 C C C D 0

a b c C 3 C C C 18 D 17

0

18

a b a A 12 b b c D 0

明 るさ

l

I位 置

実測 人数

b b a B 2

評価 と実測値 におよその相 関が見 られる。

早稲田大学 渡辺仁史研究室

総合

1989年 度卒業綸文


12

18

a b 12

b b

19

c b b c

B

C

総合 評価

0

0

実測人数

c

b b a

C

18

2

b 19

b

盟るさ l 幅 I位 置関樹

a b a

c

C

A

1

2

B 3

﹁︱ ︱ ︱ ︱ ︱ ﹁ ︱ ︱ ︱

180

12

評価 と実測値 におよその相関が見 られる。

早稲田大学 渡辺仁史研究室

1989年

度卒業論文


19

10

b b 10

c b 19

21

c a b c

C

B

2

0

c

l

l位 置

a b a

D

A 3

0

21

明 るさ

c b c D

b b a

0

0

B

10→ 21 へ の移動が少 ないのは、 ドアの存在 と、エスカ レー タで上階へ向か う行動 の 2つ が 関係 してい るためだ と思 われる。

早稲田大学 渡辺仁史研究室

:989年 度卒業論文


a b b b 21

22

21

20

]獅

20

c b b b

C

B

0

2

明るさ

実測人数

b b a

c

C

B 2

b b 22

b

a b a

B

A

0

0

評価 と実測値 にお よその相 関が見 られる。

早稲田大学 渡辺仁史研究室

:989年 度卒業論文


3

7

b 3

c c c b a D

C

2

2

c b c 7

c b

D 3

c b a 8

8 明 るさ

l

l位 置

実測

c

D 1

b

c c

C

D

0

0

lF

評価 と実測値 におよその相関 が見 られる。

早稲田大学 渡辺仁史研究室

1989年

度卒業論文


5

6

b 5

c D

9

c

c b

0

C c b 6

9

3 C C c D

10

b

明るさ

l

1

0

実測

c

c b

c b

c

D 2

C

c b c D

0

0

c c c b c

D

D

D

0

0

0

利用者 が非常 に少 ない ため、評価 との相関が得 られなかった。

早稲田大学 渡辺仁史研究室

0

b

c b b C

D

0

C C b

c

D

c b

D

10

i989年 度卒業論文


2

b b a 1

B 28

3 b b c C 16

明 るさ

l

!位 置 関

実測人数

・ 目

ll

3

評価 と実測値 におよその相 関が見 られる。

早稲田大学

渡辺仁史研究室

1989年

度卒業論文


2 2

4

5

b b c

b b b

C

B 29

2

b b 4

b b b

c

C 3

B 4

b b b 5

る さ

b b

B

B

21

5

c

評価 と実測値 におよその相 関 が見 られる。

早稲田大学

渡辺仁史研究室

1989年

度卒業論文


5 5

b 6

6

7

b b

c a a a

C 3

A 23 a a c

b c C 16

b b a

l

実演1人 数

B 3

b b

c

B 8

C 3

b b b

b b c

a a b

B

C

A

2

0

7

7

るさ

6-5,7 におい て、評価 と実測値 に違 いが生 じている。 行動軌跡から考察す ると、 これは出口へ 向か う行動 が関係 してい るためである。

早稲 田大学

渡辺仁史研究室

1989年

度卒業論文


8

7

a a c B 3

7

a a 8

9

b b

B

B 1

c B 3

総 合 評価

C 5

2 9

るさ

b b a

c

a a

c

a a a A 0

│ │

│ │

3

早稲田大学 渡辺仁史研究室

7

1989年

度卒業論文


10

12

b b c b b a C

10

B 21

1

b b c

b b

C

12

B 10

I 船

眩置関樹

実測人数

c

C

0

b b a

明るさ

0

b

b C

c

0

8

8

評価 と実測値 におよそ の相 関が見 られ る。

早稲田大学 渡辺仁史研究室

!989年 度事業論文


13

12

b a c C

12

b b 13

C

b a C

9

5

c コ h= 一

B

l

実預1人 数

20 a a c B 8

5

14

明 るさ

A

c

b b a

14 a a a

14

14

評価 と実測値 におよその相関 が見 られる。

早稲田大学 渡辺仁史研究室

1989年 度卒業論文


13 b

b

c

C

8 a a

b a c

B

C

1

13

明 るさ

A

c

a a a

b a a

興 一無 鰤

8

1

b

A

b C

8

0

c

日■ ︱ ︱ 2                 0

2             0 ︲ ︲

評価 と実測値 におよその相関が見 られる。

早稲田大学 渡辺仁史研究室

1989年

度卒業論文


14

6

15

b

a a c B

20

b a

c b

c

明るさ

l

l位 置関

B

D

総 合 評価

5

0

実測

b b c

b b c

c b b

C 8

C

C

6

14

2

b b a B

B

8

2

b b c

a a b

C

A

C

1

2

0

15

20

0

b

b

a a b

C

A

B

10

2

b

:

l L・

:

l L・

b

yl」 一

c

D

b b c

yI」

0

c b

a a c

c

b

c

b

c

D

川 ι

:

l

l川

y日

.__:」

y日

.__: l L因

14

早稲田大学

渡辺仁史研究室

1989年

度卒業論文

L° 因 :

:

1

:


y

:」

早稲田大学

:

:L‐

渡辺仁史研究室

t測

1

1

1989年

度卒業論文


18

18

20

21

b a c

b b a

C

C

20

C

B

0

1

B 3

総合評価 実測人数

b a b

c

b a b 21

l

2

0

b b

明るさ

b b

c

C 0

七 」lL I I… 司 M

ヨ lh P I l == nl

︱ロ lー = ■l

200

8 3

lb 1l = ■1

評価 と実測値 におよその相関が見 られる。

早稲田大学 渡辺仁史研究室

:989年

度卒業論文


18 b b c C

17

17

18

c

明 るさ

l

B 実測

0

b b a B 10

b b

c

C 0

M ﹁︱︱コ

¬」 司

¬」 司

17

P P ih l =I nl =

!L P i l == nl

∃ 一

ヨー

ヨ lト

評価 と実測値 におよその相関が見 られる。

早稲田大学

置関

C

0

M

b b c

C

19

b b a 19

1

b b

19

渡辺仁史研究室

1989年

度卒業論文


3

4

19

b b c

b b a

C

B 8

3

2

b b 4

C 4

B 13

b b

_LIX:

:位 置関傷

実測人数

C 1

b

b C 5

c

c b b c

b b c

C

C

C

1

0

1

l l

b b c

c

b b a 19

明 るさ l

_LM i

l 1

19

/ 19 l

_LIX l

評価 と実測値 におよその相関が見 られる。

早稲田大学 渡辺仁史研究室

1989年 度卒業論文

l l


1

2

a b a B

1

2

a b a 2

b b C

3

0

C

C

3

0

a b b a b b B 4

c

明 るさ

C 5

C

a b c a b c 9

9

b b

b b

B

C

6

7

1 給

l位 置関

諭 人数

c

c

理Π到可←OFJЖ

■Π劃可←OrJ Ж 全般的に、評価 に対 して通路 2へ の移動が少 ないのは、宝石店街への入 りにく さによるものと思われる。

早稲田大学 渡辺仁史研究室

1989年

度卒業論文


2 2

3

4

b b b

b b b

B

B 4

1

b b b 3

b b

B 3

b b b

l

l位 置関

人数

c

C 1

b b

c

B

C

b b b

b b b

B 3

B

C

2

1

4

明 るさ

b b

c

3

通路 2-通 路 3、 4の 場合 におい て通路 4へ の移動が多 いのは、左側通行 の傾 向があるため と思 われ る。

早稲田大学

渡辺仁史研究室

1989年

度卒業論文


5

b b b

るさ

B

幅 一鰤 一摯

4 b b c C 4

12

L

評価 と実測値 におよその相関が見 られる。

早稲 田大学

渡辺仁史研究室

1989年

度卒業論文


3

5

b b a 3

B

b b a 5

B

6

C 6

るさ

B 4

0

b b

6 a a c B 3 a a c

c b b c C 0

早稲田大学 渡辺仁史研究室

1989年 度卒業論文

I

:位


6

8

7

c b

c a b a

C

A

b c C 3 b b c C

0

0

0

D

6

A

0

a 7

8

6

b c

a b a

a b a

c b a

A

C

1

0

a b c 9

9

C 4

c b

b

b

b

明 るさ

1

:位 置関

実測人

c

C 2

c a b c

D

C

1

5

通路 8で は、Uタ ーン行動がよく見 られ、その後 さらに上階へ移動するために 通路 9を 使 う傾向がある。

早稲田大学 渡辺仁史研究室

1989年

度卒業論文


4

1

b b

16

c b b a

C 3

16

B 8

実測人数

7

b b

c

C

C 4

a b b

l

B

a b c 4

明 るさ

2

b

b C

c

6

・ ﹁ ﹁ ﹁

・ ﹁ 評価 と実測値 にお よその相 関が見 られる。

早稲田大学 渡辺仁史研究室

1989年

度卒業論文


b

l

:位 置

実測人数

a b c

A 4

a b c

るさ

C 3

9

a b a

3

b a a b c B

1

2

3

2

1

C 6

b

C

b C

2

0

c

□ 三ロ

︲F 2-1, 3 におい て、評価 と実測値 に違 いが生 じてい る。 これは通路 3側 の店舗 数 が非常 に少 ない ためだと思 われ る。

早稲田大学 渡辺仁史研究室

1989年 度卒業論文


3

4

5

b a c 3

C 4

a b 4

c

c

明 るさ

l

I位

C

2

実測 人数

b b

C

C

0

3

a b 5

b b

c

c b a c

C

C 6

0

LU_l F .J- __trt, ,

引 り

^

L ソ

司 赳

ー ‐Lr:口

通路 3へ の移動が少 ないのは、通路 3側 の店舗数が非常 に少 ない ためだ と思 われる。

早稲田大学 渡辺仁史研究室

1989年

度卒業論文


5

8

7

b 5

b C

c

7

明 るさ

A 5

0

b b

b a a

c

b a c

C

C

2

b b a 8

B 6

b

b C 3

c

評価 と実測値 におよそ の相 関が見 られる。

早稲田大学 渡辺仁史研究室

1989年 度卒業論文

1

:位 面

総 合 評価

実測人数


8 8

9 a a a A 4

10

b a c

A

6 a a c 10 B 3

l

幅 輸

2

実測人

b a c

a a a 9

るさ

C

C 3 a a c

B 0

09

10

I‖

10-8, 9 思 われる。

│‖

におい て、通路 8へ の移動 が多 いのは、店舗 へ の距離が関係 してい ると

早稲田大学 渡辺仁史研究室

:989年

度卒業論文


9

12

a a b

b a c

A

C

7

2

明 るさ !

測人数

ロ     ロ

評価 と実測値 におよその相関が見 られ る。

早稲田大学 渡辺仁史研究室

1989年

度卒業論文


13 c a c

10

15 a a c

nυ

C

b

B a a c B

1

15

A

0

a a

c a a

b c a a

実演1人 数

B

C

6

0

a c b b

B

C

2

0

c b

c

D

5

a a a

0

b

b

A

B

A

C

0

1

0

0

c

10

10 2

早稲田大学 渡辺仁史研究室

0

A

6

1

c b a

a a a

B

明 るさ

b b a

2

a a c 16 B

c

総合

b b

c a c C

b

D

1

a a b

c

C 3

0

a a c 13 B

16 b c

1989年 度卒業論文


ロ 0 0 ー

早稲田大学 渡辺仁史研究室

1989年

度事業論文


2

a a c B

1

5 2

3

3

b a b

明 るさ

1

B 1

幅 獅

実測 人数

b a b

a a c B 5

B 0

a a b

a a b

A

A

0

0

この階 は、店舗数が 3(飲 食店 2、 会員制 スポー ツクラブ 1) と少 な く、利用者数 も非 常 に少 ない。 1-2,3 において評価 と実測値 に違 いが生 じてい るのは、店舗 が通路 2に 接 して配 置 されてい るため、視認 されやす い ためだと思われる。

早稲田大学 渡辺仁史研究室

1989年

度卒業論文


施設全体 の流動状況 に関す る考察 ■他階へ の移動 に関す る考察

調査結果 により各来館者の各階へ の移動状況 が明 らかになった。 これに よ り来館者すべ てに 2階 の利用がなされていることもわかった。 これは、 ペ デイス トリアンデ ッキにつなが り、最も入館者数 の多 い入口が 2階 にあ 各階利用 率

ることが深 く関与す る もの で あ るが、 1階 入口 か らの 来館者 の 2階 へ の移動 が、 かな り高 い割合 であ ること に もよると考 えられる。 また、 2階 入日か らの来館 者 が 1つ 上の階で あ る 3階

lF

2F

へ の移動 では 54.5%と い う数字が得 られて い るが これは 1階 → 2階 へ移動す る割合 の約半分 であ る。

3F

4F

5F

階数

各階利用率 階数

lF

2F

3F

4F

5F

総人数

55

55

55

55

利用人数 利用率

25 45%

55 55

30 55%

25

4570

6 11%

10070

次 に 1階 へ の移動状況 については全体 で 45.5%、 3階 へ の移動状況 は全体 で 54.5%で あ る。 つ ま り、各 フロアー別利用状況 は、 2階 >3階 >1階 >4階 とい う順 に 割合 が高 いこ とがわか り、 これはアメリカでの研 究成果 に基 く、地上 3階 地下 2階 の商業施設 におけ るフロアー別重要性配分 の報告 とほぼ一致 して い る。

早稲田大学 渡辺仁史研究室

:989年 度卒業論支


■入口別及び入館 直後 の行動別 による他階へ の移動状況 による考察

本研究 では 1階 から入館する ものをAタ イプ

(サ

ンプル 47-56)と

し、 2階 から入館す る ものをBタ イプとする。 Bタ イプの うち入館直後直 進す る ものをBsタ イプ プ

(サ

(サ

ンプル 1-29)、 右折する ものをBrタ イ

ンプル 30-46)と す る。

Aタ イプの 2階 、 3階 への移動率 は非常 に高 く、それぞれ 100%。 7

0%で あるのに対 して、 4階 、 5階 への移動率 は 20%を わっている。 他階移動率 Aタ イプ 1∞ %

Aタ イ プ 他 階移動 率 2F 3F 4F 階数

80% 60% 移動 率

40% 20%

0%

2F

3F

4F

5F

タイプ総 人数

10

10

10

10

移動人数 移動率

10

7

2

1

100m 7070 2070 10%

5F

階数

Bタ イ プの移動 率 は 、 以下 の 表 の 通 りで あ る。 他階移動率

Bタ イプ

1∞ %

Bタ イ プ 他階移動率 4F lF 3F 階数

80%

タイ プ総 人 数

45

40%

移動人数 移動率

45 23

45

15

3396

51%

51%

20% 07●

lF

3F

4F

5F

階数

早稲田大学 渡辺仁史研究室

:989年 度卒業論文

23

45 ξ′

移動率

60%

5F

119ろ


Aタ イプ と比較す る と、 3階 へ の移動率が大 きく下回 り、 4階 において は逆 にBタ イプが上 回 っている。 また、下階へ移動する割合 よ り上 階へ移 動す る割合 が高 いこ とがわかる。 更 に、 Bタ イプの内 わけであ るBsタ イプ とBrタ イプの比較 を試み る。

Brタ ィプ

他 階移動 率

lF

3F

4F

lF

5F

3F

3F

4F

5F

16

16

16

16

5

10

10

4

31% 63% 63% 25%

5F 29

lF

イプ 他 階移動 率 lF 階数 4F 3F タイ プ総 人 数 29 29 29 移動 人数 10 13 移動 率 34% 45%♭ 45% ,

階数

移動率

5F

Bsタ

イプ 他 階移動率

タイ プ総人 数 移動人数

4F

階数

階数

Brタ

Bsタ イプ

他階移動率

3%

両 タイプとも 1階 へ の移動 に関 しては、 ほぼ同 じ割合 であ るが 、上 階 で あ る 3階 、 4階 へ の移動率 に大 きな差がでた。 3階 、 4階 へ の移動率 を見 るとBrタ イプは 62.5%で 、 Bsタ イプの 44.8%を 大 き く上回 っ てい る。 この要因 につい ては次項 で考察 する もの とす る。

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■前面通過店舗数による他階移動 に関する考察 移動状況グラフによ り、他階へ移動するまでの状況が把握できた。 前項で分けたタイプ別 による前面通過店舗数 による他階移動状況 をみる とまず、Aタ イプ

(10ケ ース)は 、 ほぼ 2種 類 のパ ターンで上 階へ移動

している。その うちわけ として 3ケ ース 動 し、残 りの 7ケ ース

(30%)は 入館直後上階へ即移

(70%)は 前面通過店舗数が 20前 後あた りで奥

にあるエスカレー ターを利用 して上 階へ移動 している。他階へ の移動 とい う観点 からす ると、すべ てのケースについて上階へ の移動がみ られるので 問題 はないが移動するまでの経路が 2パ ターンに分類 で きて しまうことは 平面 における流動 にかたよりと回遊度 の低下の原因の 1つ と考 えられる。 また、エスカレーターの配置及び向 きが関係 していると思われ、 これを改 ・ 善す ることによ り少 しは改善されるであろう。 次 に、 Bsタ イプ

(29ケ ース)・ Brタ ィプ (17ケ ース)の 前面通 過店舗数 による他階移動状況を見 ると、 Brタ ィプではBsタ イプにみら れるような 2階 だけの利用パ ターンは存在せず、ほぼ 4パ ターンに分類 さ れる。

1)入 館直後、入口付近のエスカレーターを使用 し上階へ移動す る。 (7ケ ース/17ケ ース)

2)入 館直後、入日付近のエスカレーターを使用 し 1階 へ移動す る。 (2ケ ース/17ケ ース)

3)前 面通過店舗数が 10∼ 20の 間で上階へ移動する。 (7ケ ース/17ケ ース) 早稲田大学 渡辺仁史研究室

i989年 度卒業論文


4)前 面通過店舗数が 10∼ 20の 間で 1階 へ移動する。 (2ケ ース/17ケ ース) このBrタ イプは、他階への移動

(特

に上階へ の移動)と い う観点 では

問題がない と思 われる。

Bsタ イプ (29ケ ース)は 、 2階 のみの利用 (9ケ ース)を 除 くと、 ほぼ 3パ タTン が存在する。

1)前 面通過店舗数が 7(No.2→ No.5通 路)で 上階へ移動する。 (7ケ ース/29ケ ース)

2)前 面通過店舗数が 20∼ 30の 間で上階へ移動する。 (7ケ ース/29ケ ース)

3)前 面通過店舗数が 20∼ 30の 間で 1階 へ移動する。 (5ケ ース/29ケ ース) ここでは 2階 のみ の利用 (9ケ ース)力 ` 多 く、前項 で述べ たBrタ イプ とBsタ イプの上階への移動 の割合 に差 が生 じた原因である。

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1989年 度卒業論文


■ エスカレー ター利用状況 に関する考察

本商業施設 では、エスカレーターが入日付近

(E-1)及 び広場付近

(E-2)に 各 々 1つ ずつ配置 されている。 この両者を比較すると、前者 のエスカレー ター よ りも後者のほ う力弩J用 者が多 い。特 に 2階 のエスカレ ー ターにおいて顕著 に現 われている。 これはエスカレー ターの配置・ 向き お よび周囲の空間が影響 している ものと思 われる。広場付近のエスカレー ターは、広場 の上部が吹 き抜けとなっているため上階の状況 を察知・判断 できるのに対 し入日付近 のエスカレニ ター 。は、無表情・ 無性格 であ る。 このエスカレーターの配置・ 向 きお よび周囲の空間は、施設全体 の利用 に深 く影響す ると思 われるので十分考慮 したうえで平面 および断面計画 を 行 な う必要があ る。

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第 3章


考察 本研究 におけ る結論 を述べ る。

○利用者 が、 コー ナーにおいて次 の通路 を選択 し、移動す る際 には

1)通 2)通 3)通

路 の明 る さ 路 の幅 路相互 の位置関係

の 3つ の要素が深 く関与 していることが明 らかになった。 また、 これ らの

3つ の要素 を用 い て、施設内部 でのおよそ の移動行動 を推測す るこ とが可 能 で あ ると言え よ う。

1)に ついては暗 いほ うよ りも明 るい ほ うへ、

2)に ついては幅 の狭 いほ うよ りも広 い ほ うへ、 3)に ついては通路相互 の位置関係が直線 もしくはそれに近 いほ うへ、 利用者 は行動す る傾向が あ る。 よって、意図的 に流動状況 に差 を付 け たい場合や、動線 の分離 を図 りた い場合 には、 3つ の要素 を操作す ることによ り、可能 となるであろ う。

○施設 の全体利用 とい う観点からは、各階間の移動行動 も重要であ る。 本研究の調査 において、他階へ の移動 はエスカレー タを利用する率 が極 めて高 く、 0エ スカレー タの配置及 び向きにより、エスカレー タ毎 の利用者数 か

な りの差 が ある。 ・エスカレー タ周辺 の空間に、他階の情報が察知 しやすい吹 き抜けなど わっている場合 も利用者数 に差 が現 われる。 何 らかの条件 力勁口 早稲田大学 渡辺仁史研究室

1989年 度卒業論文

107


とい つた結果が得 られている。 このこ とよリエスカレータを利用 した各階間の移動行動 には、以下の 2 つの要素が深 く関与す る もの と思 われる。

1) 2)

エスカレー タの配置及び向 き エスカレー タ周辺 の建築的及 び空間的要素 (吹 き抜け、 トップ 0ラ イ ト)

以上により、本研究の結論 とす る。

以上

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:989年

度事業論文

188


今後 の展望 コーナーにおいて移動行動 に影響 を与 える建築的及 び空間的要素 として 明 る さ・ 通路 の幅・通路の位置関係 とい う3つ の要素 を取 り上 げたが、 コ ーナーにおける通路選択 の総合評価 の際、それらだけでは判断できないケ ース もあ り、更 に評価 の精度 をます要素の抽出が望まれる。 また、エスカレー ターの配置・ 向 きお よび周囲の空間の体系 的評価 の確 立が、今後後 の課題 として残 る。

1989年 度卒舞論文

●●

早稲田大学 渡辺仁史研究壼


`

7

あ とが き ■

今回の研究 で反省するべ き点 は非常 に多 いが、特 にエスカレー タこの配 置・ 向 きお よび周囲の空間の体系 的評価 に欠けてしまったことが非常 に心 苦 しい。 目新 しい斬新 な研究が行 なえなかったのは、私 の勉強不足 による もので あ るが、自分 な りに充実 した日々が、送れたと思 う。 最後 に適切な助言を下 さった渡辺仁史先生、親 身のご指導頂 き、朝 まで 付 き合 って下 さつた大学院生の志多宏彦先輩 はじめ同研究室 の諸先輩方々、 また調査 を手伝 って くれた建築学科 の遠藤肇君、石田竜一君、機械学科の 吉本玄徳君 に深 く感謝申 し上げます。

早稲田大学 渡辺仁史研究室

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■ 参考文献 1)東

直彦

2)大村 3)小 原

「商空間の設計技法」 理工図書 「評価 と数量化」

1986

日科技連

二郎 ,加 藤 力,安 藤 正雄 「 イ ンテリアの計画 と設計」

彰国社

4)竹 山 実 5)畑 靖彦

「街路 の意味」 鹿島出版会 「 ビジュアル マーチャンダイジ ング戦略」

日本能率

協会

6)カ ール・ クリステイアン・ ホイザ ー 「イ ンテリアデザイ ンの基礎」 集文社

7)S.プ ライネス,Wo J.デ イーン

「歩行者革命」 鹿島出版会

8)デ ィビッ ド・ カウンター

「場所 の心理学」 彰国社

9)日 経アーキテクチュアー

6-12

1989

10)「建築設計資料 -8 複合商業建築」 建築資料研究社 11)「 商業建築設計資料 一多 目的商業建築」 建築資料研究社 12)新 建築学体系 -11 「環境心理」 彰国社 13)花 里 俊廣 「動線概念 についての考察 ―平面評価 の方法論」 日本建築学会大会梗概集 1988 14)船越 徹 「移動空間における光 の効果の研究」 日本建築学会大会梗概集 1988 15)鈴 木 信宏 「東京 カテ ドラル大聖堂における自然光 による空間演 出手法」 日本建築学会大会梗概集 1988 早稲田大学 渡辺仁史研究宝

:989年 度卒業論文



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