"SEIKAFU" KOGIRE-KAI AUCTION CATALOG

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掲 出 を 若 宮 の 御 形 代 と み て も 大 過 あ る ま い 。

人 男 子 は 結 わ な く な り 、 少 年 か ら 童 子 の 髪 形 に な っ た 。

#001 童形神坐像 ¥1, 500, 000. ~ 高57 虫喰

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輪 に 見 る こ と が で き る が 、 奈 良 時 代

( 8 世 紀 以 後 )

美 豆 良 と 呼 ぶ 髪 形 は 、 古 墳 時 代

( 5 ・ 6 世 紀 )

の に 男 は 子 成 埴

を り 胸 し 前 、 に 花 置 枝 く を 。 持 っ て い た か の よ う に 、 右 手 を 腰 前 、 左 手

テ ィ ア ラ 形 の 飾 冠 を 額 に し 、 美 豆 良 を 結 い 、 大 和 座


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参 考 出 雲 大 社 展 ( 島 根 県 立 古 代 出 雲 歴 史 博 物 館 / 平 成 二 十 五 ・ 2 0 1 3 )

掲 と ほ ぼ 同 時 代 の 画 作 を 窺 わ せ る 。

度 造 営 以 降 の 景 観 を 記 録 す る 。 掲 出 は 荒 垣 の 内 の 社 殿 図 を 克 明 に 描 い て 、 前

国 立 歴 史 民 俗 博 物 館 蔵 の 「 出 雲 大 社 及 び 境 内 周 辺 図 」 ( 三 幅 対 ) は 、 延 享

で あ る こ と を お の ず か ら 知 る 」 。 ( 後 略 ) 松 尾 充 晶 ( 島 根 県 古 代 文 化 セ ン タ ー )

内 へ と 一 歩 足 を 踏 み 入 れ れ ば た ち ま ち 、 そ こ が 浄 ら か で 霊 威 に 満 ち た 神 域

「 出 雲 大 社 を 訪 れ る 人 は 誰 し も 、 松 並 木 を 過 ぎ て 銅 鳥 居 を く ぐ り 、 荒 垣 の

#002 出雲大社境内画幅 ¥1, 000, 000. ~ 付識箱(桐) 絹本 唐木軸端 57×118 表具69×213

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の 袴 着 祝 に 下 さ れ た 。 上 衣 は 紗 地 。

九 年 ・ 1 8 9 6 )

、 嵯 峨 家 か ら 宮 本 家 ( 仲 敬 ) の 息

勝 の 息 ( 実 勝 ) の 袴 着 祝 に 贈 ら れ 、 後 ( 明 治 二 十

祝 に 用 い ら れ た も の で 、 明 治 天 皇 か ら 嵯 峨 公

れ 御 る 付 衣 。 さ は れ 、 る 明 桐 治 箱 天 ( 皇 蓋 、 裏 若 ) し に く 、 伝 は 来 大 の 正 経 天 緯 皇 が の 記 袴 さ 着

#003 東宮袴着祝御衣 ¥1, 000, 000. ~ 79×66×58 ヤケ シミ

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#004 日吉山王祭礼賀茂競馬画屏風 中形 六曲 一双

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¥1, 500, 000. ~ 紙本 十枚貼 40×115 屏風264×134 ヤケ シミ スレ


を賀にす祭唐事わ 欠茂色るが崎でせ日 く社取祭描のあて吉 ののる礼か沖る描社 が祭山図れ合競かの 惜事王屏、に馬れ山 し競祭風石浮をる王 ま馬礼に山か組。祭 れを図は寺ぶみこ礼 る中は水や供合のは 。心見上瀬膳わ屏独 全にる 田 せ風立 体洛者のの船一は画 の中を祭唐を双右題 細洛喜り橋めと隻と 部外ばをなざすにし にのせ描どしる山て 至名たく名神。王、 る所とも所輿右祭あ まが想のをを隻礼る で描像は配載に、い 丁かさ少すせは左は 寧れれな。た日隻他 なるるく近船吉にの 筆が。湖世が社上祭 致、左南初競の賀礼 を両隻を期漕神茂と み端に華にす事社組 せ二はや流るでのみ 、扇上か行船、祭合

て人 の物 資の 料数 とも し多 てく も、 大あ 変ら 興ゆ 味る 深階 い層 。を 描 く 掲 出 作 品 は 、 初 期 風 俗 画 と し

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のにの十 場「最五近 面花大日江 を渡のに坂 描式行か本 く」 、事けの 。左とて日 にし執吉 山て行山 王親さ王 神しれ祭 輿まるは 七れ祭、 基る礼四 の。。月 「掲日十 神出吉二 輿は山日 渡右王か 御双 社ら 」

#005 日吉山王祭礼屏風 本間 六曲 一双 ¥1, 000, 000. ~ 紙本 358×155 屏風374×170 ヤケ シミ スレ

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#006 高辻豊長 源氏物語帖 ¥3, 500, 000. ~ 付時代箱(杉) 18×21 箪笥41×25×28 (小アタリ 隅キレ) 早蕨題簽欠

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輔 正 二 位 。

1 7 0 2 )

は 江 戸 中 期 の 公 卿 。 権 大 納 言 式 部 大

筆 者 の 高 辻 豊 長

( 寛 永 元 年 ・ 1 6 2 4 ~ 元 禄 十 五 ・

十 四 帖 を 納 め る 箪 笥 ( 源 氏 物 語 箪 笥 ) が 添 う 。

本 。 各 帖 の 扉 に 各 帖 の 源 氏 物 語 絵 を 配 す 。 五

桐 壺 か ら 夢 の 浮 橋 ま で の 五 十 四 帖 の 筆 者

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#007 金地『伊勢物語』(武蔵野)屏風 中形 六曲 一隻 ¥1, 000, 000. ~ 紙本 246×93 屏風288×106

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た 『 源 氏 物 語 』 の 「 も の の あ は れ 」 に 繋 が る 。

「 哀 れ 」 は 「 文 学 的 な あ は れ 」 と な っ て 、 本 居 宣 長 が 解 い

じ る 体 質 ら し い 。

和 人 は 、 男 女 が 織 り な す 悲 劇 の 極 致 に 「 哀 れ の 美 」 を 感

極 め て 悲 劇 的 な 場 面 を 優 美 な 大 和 絵 で 賞 翫 す る 。

わ れ も こ も れ り

と け れ む す け ハ 昔 さ れ 国 男 し 女 ハ の あ 野 わ 守 り は ひ 道 に け け て 行 捉 り ふ 人 え 此 ら 人 ハ 野 れ の な に に 娘 や ハ け を き 盗 り 盗 そ 人 て わ あ 女 武 か り を 蔵 草 と は 野 の て 叢 を つ 野 の 行 ま に 中 に も 火 に 盗 こ を を 人 も つ き な れ け て り ん に け り

武 士 の 一 団 。

叢 に 身 を 隠 す 男 女 、 右 に 松 明 を 照 ら し 抜 刀 し た 追 手 の

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手 伝 っ て の こ と だ ろ う 。

時 代 の 写 経 に あ っ て 、 そ の 堂 々 と し た 書 風 も

聖 武 天 皇 の 宸 筆 と し て 伝 来 し た の は 、 奈 良

手 本 と し て 大 切 に 伝 え て き た 。

大 字 を 大 聖 武 、 中 字 を 中 聖 武 と 呼 ん で 、 能 筆 の

聖 武 天 皇 筆 と し て 伝 来 し た 写 経 二 本 の う ち 、

る 塵 粉 を 漉 き 込 む 。

荼 毘 紙 と 呼 ば れ る 骨 粉 の よ う に 見 受 け ら れ

一 行 二 十 字 詰 四 行 。

#008 中聖武断簡幅 ¥1, 200, 000. ~ 付二重箱(内新桐 外黒塗) 紙本 金軸端 太巻 8×27 表具40×141 茶毘紙 飯島春敬箱識

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#009 勝鬘経巻物 \1, 800, 000. ~ 付二重箱(内新桐 外黒塗) 紙本 水晶軸端 1250×28 表具1275×28 承久二年(1220)銘 勝鬘師子吼一乗大方便方廣経

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書 写 例 の 提 示 参を 考み 『 な 古い 写。 経 総 鑒 』 ( 田 中 塊 堂 ・ 鵤 故 郷 舎 ・ 昭 和 1 7 )

同 時 に 、 『 古 写 経 総 鑒 』 で は 保 安 二 年 本 の ほ か に 『 勝 鬘 経 』 の

安 歴 會 正 二 史 講 範 年 を 」 円 ( の 1 み 書 の 署 1 る 2 。 入 名 1 範 れ と ) 円 が 承 の み に 久 紀 年 つ ら 二 銘 い れ 年 ( の て 、 聖 1 の 勝 徳 2 鬘 情 太 2 0 報 経 ( を 子 ) に の 一 帖 得 源 紀 ) な 年 の い 流 銘 す 伝 が に 存 、 る 「 続 が 興 勝 い 報 福 鬘 て 告 寺 経 「 さ に 講 為 れ は 」 勝 る 保 の 鬘 。

に 撒 き 、 裏 面 に は 銀 切 箔 を 散 ら す 。 巻 末 に 興 福 寺 別 当 ・ 権 僧

さ れ る 。 掲 出 は 、 い わ ゆ る 装 飾 経 で 経 表 に は 金 銀 切 箔 を 天 地

蔵 の 法 身 が 説 か れ 、 大 乗 佛 教 の 理 想 と 理 念 を 教 え る 経 と 解 説

う を 獅 子 吼 し 、 そ れ を 釈 迦 が 認 め た と す る 。 一 乗 真 実 と 如 来

名 だ が 、 経 説 は 、 勝 鬘 夫 人 が 在 家 信 者 の 正 し い 信 仰 の あ り よ

十 五 歳 の 聖 徳 太 子 に よ る 「 勝 鬘 経 講 経 」 と 「 勝 鬘 経 義 疏 」 で 有

「 勝 鬘 経 」 の 正 式 名 は 「 勝 鬘 獅 子 吼 一 乗 大 方 便 方 廣 経 」 。 三

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草 が 毛 彫 さ れ 四 隅 に は 猪 目 を 透 か し て 古 風 を 伝 え る 。

黒 漆 表 面 は 経 年 変 化 を 証 す 段 紋 が 覆 う 。 要 所 に 充 て る 鍍 金 金 物 に は 蓮 華 唐

総 体 を 布 下 地 に 黒 漆 で 厚 塗 し 、 面 取 部 に は 朱 漆 を 挿 し て 変 化 を み せ る 。

倉 時 代 に 比 定 さ れ る 奈 良 霊 泉 寺 三 重 塔 の 須 弥 壇 が 参 考 に な ろ う 。

が 用 意 さ れ て い た 痕 跡 が 残 る 。 な お 、 掲 出 の 作 期 で は 、 様 式 的 に 酷 似 し 、 鎌

唐 草 地 に は 孔 雀 三 羽 を 三 方 に 散 ら す 。 背 板 の 空 隙 に は 羽 目 板 も し く は 障 子

部 に は 衝 立 状 の 背 板 を 立 て 、 外 周 に は 古 風 な 蓮 華 唐 草 を 透 か し 、 欄 間 部 の

束 を 立 て 連 子 の 羽 目 板 を 入 れ 、 壇 上 に は 宝 珠 と 蕨 手 付 の 髙 欄 を 廻 ら し 、 背

し 、 供 物 を そ な え 、 礼 拝 す る 。 掲 出 は 、 木 造 の 須 弥 壇 で 、 上 下 に 框 を 組 み 、

須 弥 壇 は 佛 教 世 界 の 中 心 に 聳 え 立 つ 須 弥 山 を 意 識 し た 壇 で 、 佛 像 を 安 置

#010 黒漆塗須弥壇 ¥3, 500, 000. ~ 164×136×230 スレ カケ 剥離

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さ せ る 。

方 へ と 翻 っ て 、 本 像 の 本 来 の 台 坐 の 形 を 暗 示

垂 下 す る 天 衣 の 両 端 は 足 裏 よ り も さ ら に 下

造 の 岩 坐 が 添 う が 、 首 に 懸 け ら れ 体 に 添 っ て

さ せ る 。 安 政 二 年 (

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の 年 記 を 有 す 唐 木

げ 、 中 尊 の 左 側 に 侍 し た 脇 侍 の 可 能 性 を 想 起

薩 像 で 、 頭 を 右 方 向 に 傾 け 、 下 方 に 視 線 を な

金 の 輝 き を 覗 か せ る 。 典 型 的 な 奈 良 時 代 の 菩

す が 、 早 退 は 黒 色 に 覆 わ れ 、 厚 く 施 さ れ た 鍍

6で ㎜ を 総 の 一 重 計 鋳 量 測 す は 値 る 1 を 。 5 示 は 4 す 頑 5 。 丈 g 、 部 に 頭 の 形 頂 銅 成 か 色 さ ら は れ 足 赤 長 裏 味 さ の を は 呈 2ま

#011 銅鍍金菩薩立像 ¥2, 000, 000. ~ 付木箱(桐) 飾台 像高21. 5 総高26. 5 台坐ヒビ、カケ、後補修 唐木台坐に「安政二(1855)乙卯秋造刀」の刻銘をみる。

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も 好 ま し い 。

瞬 間 を 思 わ せ る 。 像 高 の み な ら ず 、 法 量 の 豊 か さ

表 現 さ れ 、 ま さ に 観 音 が 衆 生 の 救 済 に 動 き 出 す

金 銅 佛 で あ る こ と を 顕 著 に す る 。 衣 文 は 軽 快 に

肩 で 本 尊 式 の に 身 両 部 腕 と を 化 差 佛 し 類 込 に む 鍍 工 金 作 を を 施 み す せ 。 、 本 中 体 世 は の 両

#012 銅鍍金十一面観音立像 ¥1, 200, 000. ~ 付黒塗厨子 像高50 厨子38×30×79 持物破損

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す い に 印 る る な で 。 。 さ の が れ 来 、 た 迎 藤 原 金 を 時 箔 も 代 押 現 に に 実 作 よ 化 期 り さ を 作 せ も 期 た と の 。 掲 め 特 出 る 定 に べ を 戻 き 複 れ だ 雑 ば と に 、 愚 し 後 考 て 代

な い 。 な お 、 本 朝 の 阿 弥 陀 信 仰 の 盛 行 は 、 定 印 や 説 法

西 方 浄 土 に お け る 瞑 想 中 の 動 作 の 表 象 に ほ か な ら

示 す よ う に 、 弥 陀 の 定 印 も ま た 、 衆 生 救 済 の た め の

の で あ る 。 釈 迦 佛 の 定 印 ( 膝 前 印 )

が 「 入 定 と 観 想 」 を

阿 弥 陀 佛 は 先 の ご と く 親 指 と 他 指 の 指 頭 を 接 す る

#013 木彫阿弥陀如来坐像 \5, 000, 000. ~ 像高80 彫眼

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う 。 釈 迦 の 定 印 が 五 指 を 伸 ば し て な さ れ る の に 対 し 、

別 の 必 要 の た め に な さ れ た 工 夫 と 考 え る べ き だ ろ

そ の 造 像 が な さ れ る な か で 釈 迦 佛 と の 視 覚 的 な 識

大 乗 佛 教 の 展 開 の な か で 、 西 方 弥 陀 の 信 仰 が 確 立 し 、

金 を 意 味 す る 仕 草 な ど と 揶 揄 さ れ る こ と も あ る が 、

限 っ て み る こ と に な る 親 指 と 他 指 を 接 す 印 相 は 、 お

頭 を 結 び 、 右 手 を 下 に 両 手 を 重 ね る 。 阿 弥 陀 佛 に

結 跏 趺 坐 し 膝 前 に 掌 を 仰 向 け 親 指 と 人 差 指 の 指

像 高 8 0 、 等 身 大 の 定 印 座 像 。


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太 子 信 仰 を 再 認 識 さ せ る 。

し 日 宝 永 掲 た 本 七 出 。 の 年 は 釈 ( 胎 迦 1 に 7 内 1 の 位 0 墨 置 ) 書 付 に に け 造 ら 立 よ っ れ さ 、 れ て そ た 東 の 寺 こ 信 大 と 仰 佛 が の 師 知 敷 ・ ら 衍 法 れ を 、 橋 ゆ 江 民 る 戸 部 ぎ 時 卿 な 代 良 い に 以 も お に の け よ る り に

月 十 五 日 は 、 釈 迦 の 入 滅 と 同 日 で あ り 、 太 子 は 釈 迦 の 生 ま れ 変 わ り 、

は 、 太 子 の 満 一 歳 ( 二 歳 )

の 姿 を 写 し た と さ れ る 。 太 子 が 生 ま れ た 二

叡 尊 は 真 言 律 を 奉 じ 、 佛 教 の 原 点 回 帰 を 教 宣 の 柱 と し た 。 二 歳 像

太 子 信 仰 の 産 物 の 一 と み ら れ る 。

時 代 に 興 正 菩 薩 叡 尊

( 1 2 0 1 ~ 1 2 9 0 )

ら に よ っ て 称 揚 さ れ た 聖 徳

太 子 二 歳 像 と さ れ 南 無 太 子 像 と も 呼 ば れ る 童 形 の そ れ は 、 鎌 倉

#014 木彫彩色南無聖徳太子像 ¥1, 000, 000. ~ 付木箱(桐) 像高43 スレ 剥離 ヒビ 玉眼

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象 さ せ る 。

し さ を 抑 え 、 理 知 的 を 濃 く し て 、 藤 原 時 代 作 を 心

掲 出 は 良 材 を 選 ん で 刻 出 さ れ る 。 武 神 の 荒 々

を あ つ め た 。

れ 、 後 に は 、 武 神 信 仰 の ほ か に 施 福 神 と し て 尊 崇

#015 木彫毘沙門天立像 ¥1, 500, 000. ~ 像高98 総高154

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た 。 本 朝 に お い て は 、 北 方 の 守 護 神 と し て 崇 め ら

須 弥 山 の 北 方 の 守 護 神 ・ 四 天 王 と し て 受 容 さ れ

毘 沙 門 天 は 古 代 印 度 の 土 俗 神 な が ら 、 佛 教 の


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甲 冑 に は 細 密 な 截 金 彩 色 が 認 め ら れ る 。

立 さ れ た と み ら れ る 。

し て は 信 仰 さ れ ず 、 掲 出 も 四 天 王 の 一 と し て 造

#016 木彫増長天立像 ¥1, 500, 000. ~ 像高73 総高122

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は 四 天 王 の 一 と し て 、 南 方 を 守 護 す る 。 独 尊 と

右 手 を 腰 に 当 て 左 手 に 三 叉 戟 を 執 る 。 増 長 天


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し く し な い 。

名 を 記 し た と み ら れ る 墨 書 を 見 る が 詳

技 は 優 れ 、 緊 張 感 が 充 つ 。 台 座 裏 に 佛 師

救 済 に 行 動 す る 意 志 を 顕 著 に す る 。 彫

し 、 偏 袒 と 呼 ぶ 右 肩 を 露 わ に し て 、 衆 生

陀 如 来 は 、 身 を 巻 く よ う に 袈 裟 を 被 着

総 体 に 金 箔 を 押 し 彫 眼 と す る 。 阿 弥

#017 木彫箔押阿弥陀如来立像 ¥2, 300, 000. ~ 像高97 総高121 白毫欠 右第三、五指欠 光背欠 玉眼

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ム ・ 平 成 二 十 五 ・ 2 0 1 3 )

参 報 考 告 『 を 極 楽 み の る い 。 ざ 掲 な 出 い に 』 ( つ 練 い り て 供 養 は を 鎌 め 倉 ぐ 時 る 代 美 術 作 / を 龍 提 谷 示 ミ し ュ ー た ジ い ア 。

行 道 面 は 、 平 安 後 期 作 を 古 例 に 鎌 倉 、 室 町 時 代 作 の 遺 例

し た 行 道 、 「 練 り 供 養 」 に 到 達 し た 。

菩 薩 、 さ ら に 二 十 五 菩 薩 に 扮 し て 、 弥 陀 来 迎 の 様 を 芝 居 化

芝 居 さ な が ら に 仮 面 や 衣 装 を 工 夫 し 、 阿 弥 陀 佛 、 観 音 、 勢 至

#018 木彫行道菩薩面 ¥1, 000, 000. ~ 付時代箱(桐) 17×18×35

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生 は 弥 陀 来 迎 の よ り 動 的 で 具 体 的 な 表 現 を 渇 望 し 、 人 々 が

阿 弥 陀 佛 信 仰 の 盛 行 は 、 種 々 の 来 迎 美 術 を 生 ん だ が 、 衆


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し た 記 録

( 天 保 五 年 ・ 1 8 3 4 )

が 墨 書 さ れ る 。

丹 後 宮 津 本 庄 家 の 家 紋 で あ る 。 付 さ れ る 飾 台 に は 、 台 座 を 新 調

寶 塔 鈴 と み な さ れ る 。 「 繋 ギ 九 ツ 目 紋 」 は 、 桂 昌 院 の 生 家 で あ る

五 代 将 軍 綱 吉 の 生 母 ・ 桂 昌 院 の 格 別 の 帰 依 が 知 ら れ る 善 峰 寺 の

す る 寺 院 に は 、 善 峰 寺 、 金 蔵 寺 、 西 明 寺 、 室 生 寺 が 知 ら れ る が 、

掲 出 は 「 繋 ギ 九 ツ 目 紋 」 を 据 え る 。 「 繋 ギ 九 ツ 目 紋 」 を 寺 紋 と

の で あ る 。 寛 永 寺 に は 鈴 部 に 「 三 つ 葉 葵 紋 」 の 遺 例 が 残 る 。

天 海 僧 正

( 1 5 3 6 ~ 1 6 4 3 )

の 天 台 密 教 の 影 響 を 指 摘 さ せ る も

帰 依 を も と に 、 五 代 将 軍 綱 吉 ま で の 幕 府 の 宗 教 政 策 を 差 配 し た

大 形 の 鍍 金 寶 塔 鈴 の 遺 例 は 、 江 戸 前 期 に 集 中 し 、 徳 川 家 康 の

#019 善峰寺塔鈴 ¥1, 000, 000. ~ 付飾台 天保五年甲午(1834)性得院飾台識 総高44

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寺 院 の 寺 名 。

※ 墨 書 の 向 原 寺 は 、 豊 浦 寺 の 故 地 に 建 立 さ れ た 本 願 寺 派 真 宗

時 代 の 鬼 瓦 の 完 好 品 は 極 め て 希 で あ る 。

ば 、 白 鳳 期 の 鬼 瓦 に 先 行 し 、 飛 鳥 時 代 後 期 に 位 置 し よ う が 、 こ の

麗 系 と さ れ る 鐙 瓦 の 蓮 華 文 に 合 致 す る 。 古 瓦 の 編 年 史 に 照 ら せ

一 対 す る 特 徴 が 知 ら れ る 。 掲 出 は 、 豊 浦 寺 の 遺 例 の な か の 、 高 句

鬼 瓦 に 先 行 す る が 、 そ の 蓮 華 文 に は 、 同 じ 寺 院 の 鐙 瓦 の 文 様 と

#020 豊浦寺鬼瓦 \1, 000, 000. ~ 付時代識箱(杉) 26×22

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本 朝 の 鬼 瓦 は 、 飛 鳥 時 代 に 蓮 華 文 を 主 文 と し て 鬼 面 を 据 え た

を 設 け な い 。

し 、 内 槨 の 下 方 左 右 を パ ル メ ッ ト で 飾 り 、 外 槨 の 下 方 に は 刳 り

に す る 素 弁 八 葉 で 、 各 弁 間 に 珠 文 を 据 え 、 周 縁 に 素 文 縁 を 廻 ら

中 心 に 釘 孔 を 穿 っ て 孔 の 周 囲 に 蓮 子 を 廻 ら す 。 蓮 弁 は 稜 線 を 顕

鬼 瓦 は 、 円 頭 方 形 重 槨 に 形 成 し 、 中 央 に 蓮 華 文 を 置 く 。 中 房 の

蓋 甲 に み る 。

「 飛 鳥 時 代 向 原 寺 古 瓦 昭 和 八 年 出 土 」 の 墨 書 を 収 納 箱 の


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大 徳 寺 三 四 一 世 、 玉 林 院 住 職 。

大 瀧 宗 丈 ( 元 禄 五 ・ 1 6 9 2 ~ 寛 延 四 ・ 1 7 5 1 )

没 後 大 徳 寺 に 真 珠 庵 が 建 て ら れ た 。

文 明 六 年 大 徳 寺 四 十 七 世 と な る も す ぐ に 退 寺 。

は 室 町 中 期 の 禅 僧 。 京 都 生 ま れ 。 別 号 狂 雲 子 ほ か 。

一 休 宗 純 ( 明 徳 五 ・ 1 3 9 4 ~ 文 明 十 三 ・ 1 4 8 1 )

概 念 の 描 出 に 苦 心 す る 。

し て 知 ら れ 、 『 舞 姫 』 以 降 、 川 端 は 「 魔 界 」 と い う

足 り な い 。 作 家 ・ 川 端 康 成 が 好 ん だ 思 想 の 一 つ と

教 的 二 元 論 を 基 底 と す る も の で あ ろ う が 愚 考 に

葉 と さ れ て い る 。 生 死 不 二 な ど に 代 表 さ れ る 佛

掲 出 作 品 の 「 佛 界 易 入 魔 界 難 入 」 は 一 休 の 言

#021 一休宗純 一行書幅 ¥1, 500, 000. ~ 付二重箱(内時代識桐 外黒塗) 大瀧宗丈(玉林院)、宗教(真珠庵)折紙 紙本 牙軸端 27×134 表具29×195 スレ オレ 穴

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術 館 で 研 究 に 専 念 す る 。 平 成 五 年 ( 1 9 9 3 )

歿 。

に 師 事 。 ま た 同 じ く 御 風 の 勧 め で 良 寛 の 書 跡 を 研 究 し 、 の ち 根 津 美

森 哲 四 郎 は 新 潟 県 生 の 書 跡 研 究 家 。 相 馬 御 風 の 紹 介 で 安 田 靫 彦

究 に 従 事 す る 。

三 木 露 風 ら と 口 語 自 由 詩 運 動 を 進 め た の ち 、 故 郷 に 隠 棲 。 良 寛 の 研

歌 人 。 評 論 家 。 新 潟 県 糸 魚 川 市 出 身 、 早 稲 田 大 学 文 学 部 卒 。 野 口 雨 情 、

相 馬 御 風 ( 明 治 十 六 ・ 1 8 8 3 ~ 昭 和 二 十 五 ・ 1 9 5 0 )

は 文 学 者 、 詩 人 、

宗 の 禅 僧 。 越 後 出 雲 崎 の 人 。 安 永 四 年 頃 出 家 、 大 愚 と も 号 し た 。

良 寛

( 宝 暦 八 ・ 1 7 5 8 ~ 天 保 二 ・ 1 8 3 1 )

は 江 戸 後 期 の 歌 人 で 曹 洞

#022 良寛 四行書幅 ¥1, 000, 000. ~ 付識箱(桐) 紙本 唐木軸端 47×129 表具60×188 スレ 相馬御風、森哲四郎箱識

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れ心 に水 執何 しぞ て澄 以は てた 有る と 為之 しれ を 之望 れめ にど 乘も じ端 てを 永見 くず 還 ら一 ず念 纔 苦に し瞥 い起 哉す れ 狂ば 醉 子萬 像 終其 にの 十前 纒に に堆 纒し ら る之

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し 出 は た 雲 江 良 。 崎 戸 寛 の 後 ( 宝 人 期 暦 。 の 八 安 ・ 永 歌 1 人 7 四 年 で 5 8 頃 曹 ~ 出 洞 天 家 宗 保 、 の 二 大 禅 ・ 愚 僧 1 8 と 。 3 も 越 1 号 後 )

#023 良寛 詠草幅 ¥1, 000, 000. ~ 付二重箱(内識桐 外溜塗) 紙本 骨軸端 30×29 表具54×103 ヤケ シミ スレ 相馬御風箱識

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つぎてどた花ふ と に も り る せけ山こけ見さ しり吹ずりみと ま の こ の にふ花ちさむ人 る の り か と の 良ささかりいや 寛とかたにひま 人りにはおぶ をはな待こき 待すりてせの

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描 い た 油 彩 画 が 付 属 す る 。

七 宝 花 菱 紋 の 長 方 櫃 、 本 品 を カ ン バ ス に

緒 、 懸 緒 に 対 応 す る 鐶 を 具 え る 。

に 笄 金 物 を 据 え て 鐶 を 打 つ 。 裏 に 受 緒 、 中

菊 鋲 各 二 で 留 め 、 紅 白 水 引 を 置 く 。 四 段 目

化 粧 板 を 具 え 、 枝 菊 透 の 八 双 金 物 三 を 奈 良

金 素 文 覆 輪 を 廻 ら す 。 そ の 下 に 菖 蒲 韋 張 の

に 同 じ く 鮫 革 張 と し 、 小 桜 鋲 九 で 留 め 、 鍍

大 袖 は 威 を 胴 と 共 通 す る 七 段 。 冠 板 も 胴

菱 縫 二 段 と 啄 木 耳 絲 を 付 す 。

に 威 し 、 耳 絲 を 啄 木 と す る 。 裾 板 に は 紅 絲

揺 絲 と 威 絲 は 胴 に 続 い て 萌 黄 と し て 毛 引

姿 え 臆 も を す 留 二 透 下 毛 草 る 金 で の 三 引 前 る 病 鮫 打 各 形 胴 摺 。 具 留 八 段 に 後 。 板 革 ち 板 を は は を を 、 は と 腰 は め 双 を 威 の 七 留 張 銅 鉄 る を 一 る 金 萌 す 立 間 め っ 鍍 地 。 絞 方 。 物 黄 。 挙 裏 り 背 を 絲 長 は 五 る て 金 、 を 側 に 、 側 先 素 段 た 背 奈 に 前 で は 二 は 背 述 文 板 、 と 威 段 め 良 も 茶 で 四 通 各 の の に 覆 り 韋 引 菊 八 脇 す 段 、 段 上 留 。 に 鍍 座 双 は め 輪 鮫 を き 各 各 と か 金 、 を 革 張 合 金 し 撓 金 三 上 ら 茱 丸 廻 を る わ の 物 、 段 、 紫 を 萸 鋲 す 張 。 せ 水 を 奈 に 上 、 強 金 二 。 り 呑 置 良 鍍 段 紅 る く 具 を 肩 小 鐶 く 菊 金 を の 腹 す を 打 上 桜 付 が 鋲 枝 白 順 巻 る の 具 つ に 鋲 。 と 、 各 菊 絲 に 、 。

#024 腹巻 付大袖 \9, 000, 000. ~ 付長方櫃 額

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鮫 革 を 充 て る な ど 、 豪 奢 な 印 象 を 受 け る 。

背 板 と 袖 の 化 粧 板 と い っ た 金 具 廻 り に は

は 豊 か な 色 調 を み せ る 。 胴 の 胸 板 ・ 脇 板 ・

練 韋 の 各 小 札 に 金 箔 を 押 し 、 総 体 の 威 絲


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は 盛 上 鉄 板 札 五 段 で 毛 引 威 。

紺 絲 で 毛 引 に 威 す 。 面 具 は 鉄 地 黒 漆 塗 の 烈 勢 頬 。 垂

#025 白檀塗変兜 ¥1, 000, 000. ~ 付面頬

5 1

箔 押 )

く う ち を 出 据 し え 、 る 正 。 面 後 下 正 端 中 に に 刳 笠 り は 印 を 当 付 み 世 鐶 る 形 ( 。 。 鍍 眉 鉄 金 庇 板 ) の 札 を 五 備 木 裏 段 え 胎 面 を る に は 。 吹 返 は 一 段 で 金 泥 覆 輪 。

朱 塗 。 眉 庇 に 二 本 角 本 を 立 て 、 猪 目 形 の 前 立 (

露 出 す る 。 眉 庇 は 大 き め の 当 世 形 だ が 、 眉 を 鋭 く 強

金 の 白 檀 塗 だ が 烏 帽 子 部 で は 剥 離 が す す み 金 箔 が

は 、 左 右 の 端 を 内 巻 に し た 懐 紙 の 連 想 か ら 得 た 。 鉢

を 隠 す よ う に 煉 韋 の 懐 紙 形 を 挿 す 。 懐 紙 形 の 呼 称

た 烏 帽 子 形 兜 鉢 の 前 の 両 脇 に 角 本 を 立 て 、 烏 帽 子

鉄 地 に 白 檀 塗 ( 金 箔 を 押 し た 上 に 透 漆 を 塗 る )

を 施 し


5 0


#026 吉井盛則 太刀 付唐獅子牡丹金具打刀拵 \1, 100, 000. ~ 付白地木綿刀袋、紫地刀袋 特別保存刀剣鑑定書(日刀保) 長さ二尺二寸八分 反り八分五厘 目くぎ穴四(内一埋、登録証四のみ) 拵柄入り難し 表銘:備前国吉井盛則 裏銘:應永十五年(1408)八月十五日 千葉県第6259号

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#027 多田正利 刀 付白鞘 ¥1, 000, 000. ~ 付紫地刀袋 特別保存刀剣鑑定書(日刀保) 長さ72. 1 反り1. 8 目くぎ穴1 差裏鎺元炭ゴモリ 表銘:作陽幕下士多田正利 裏銘:嘉永六年(1853)仲冬日 岡山県第3084号

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統 一 を 遂 げ た 。

成 を 破 り 、 征 夷 大 将 軍 と な る 。 の ち に 大 坂 の 陣 で 豊 臣 氏 を 滅 ぼ し 、 天 下

信 長 、 豊 臣 秀 吉 と 結 ん で 勢 力 を 拡 大 。 秀 吉 の 死 後 、 関 ヶ 原 の 戦 で 石 田 三

松 平 広 忠 の 長 男 。 幼 名 は 竹 千 代 、 の ち 元 信 ・ 元 康 。 院 号 を 安 国 院 。 織 田

徳 川 家 康

( 天 文 十 一 ・ 1 5 4 3 ~ 元 和 二 ・ 1 6 1 6 )

は 徳 川 幕 府 初 代 将 軍 。

#028 徳川家康 日課念佛幅 ¥1, 000, 000. ~ 付木箱(桐) 紙本 朱塗軸端 69×30 表具83×125 ヤケ シミ

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う に 混 同 し た の か を 知 り 得 る 資 料 と 云 え る だ ろ う 。

は ず が な い 。 肖 像 画 の 像 主 を ど の よ う に 特 定 し 、 ま た ど の よ

( ~ 1 7 8 7 )

よ う に 見 受 に け 比 ら 定 れ す る る 。 な さ ら ら ば に 、 画 1面 8右 1下 5の 「 年 意 生 信 の 筆 直 」 弼 を を 狩 描 野 け 春 た 仙

先 述 の 一 例 に 近 し い 時 期 に 相 当 す る が 、 随 分 と 面 持 ち が 若 い

あ り 翻 、 っ こ て れ 掲 は 出 直 に 弼 は が 「 大 安 老 政 と 五 な 戊 っ 午 た 年 1四 8月 5廿 8五 年 日 同 直 月 弼 で ( あ 花 る 押 の ) 」 で と 、

厳 し い 表 情 の 直 弼 が 描 か れ る 。

あ る 。 そ ち ら は 束 帯 に 身 を 包 み 、 幕 末 の 世 情 を 映 し た よ う な

が あ り 、 彦 根 城 博 物 館 所 蔵 の も の

( 万 延 元 ・ 1 8 6 0 )

が 著 名 で

自 賛 和 歌 と さ れ る 賛 文 を 伴 う 井 伊 直 弼 の 肖 像 画 に は 他 例

#029 狩野意信 井伊直弼肖像画賛幅 ¥1, 800, 000. ~ 付木箱(桐 貼札) 所載本 絹本 黒塗軸端 32×71 表具44×154 ヤケ シミ 穴補修 江戸文化シリーズ15 「顔を描く」所載

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見 に 委 ね た い 。

た と い う 通 説 も あ る が … … 。 結 論 は 先 学 の 知

根 拠 が 薄 く 、 洞 ヶ 峠 に 到 達 す る 前 に 引 き 揚 げ

い 。 筒 井 軍 が 洞 ヶ 峠 に 布 陣 し た と い う 逸 話 は

に 位 置 す る た め 、 本 品 の 画 面 上 に 描 出 し 得 な

「 洞 ヶ 峠 」 は 淀 川 沿 い の 本 戦 場 よ り 遥 か 南 側

さ れ 、 現 代 に お い て は 日 和 見 を 象 徴 す る

勢 す ら 感 じ さ せ る 。 筒 井 軍 が 布 陣 し た 場 所 と

で 迫 っ て お り 、 先 頭 は 渡 河 し よ う か と い う 気

筒 井 軍 は 光 秀 軍 と 川 を 挟 ん で 向 か い 側 に ま

れ て い る 筒 井 軍 の 存 在 で あ る 。 俯 瞰 す る と 、

も う 一 つ は 、 第 一 扇 か ら 二 扇 に か け て 描 か

の で は な い か と 愚 考 す る 。

な が ら 、 海 路 で の 輸 送 に お い て 貢 献 が あ っ た

の 戦 闘 で ど れ ほ ど の 武 功 が あ っ た か は 疑 問

て い た 可 能 性 は 指 摘 で き る 。 不 慣 れ な 陸 上 で

か ら 秀 吉 に 加 勢 し て お り 、 山 崎 合 戦 に も 与 し

水 軍 を 率 い て い た 来 島 村 上 氏 は 本 能 寺 以 前

交 戦 し て い る 様 子 を 確 認 で き る 。 瀬 戸 内 海 で

部 に 「 村 上 之 勢 」 と 付 箋 さ れ た 軍 勢 が 陸 上 で

一 つ は 、 村 上 水 軍 の 存 在 で あ る 。 第 四 扇 下

#030 山崎合戦図屏風 利休 六曲 一隻 ¥1, 000, 000. ~ 紙本 294×131 屏風363×154 スレ

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を 二 点 挙 げ た い 。

受 け ら れ る が 、 本 品 に 於 い て 注 目 す べ き 箇 所

い つ き 、 光 秀 本 陣 に 迫 ろ う か と い う 局 面 に 見

を み る と 、 中 河 ・ 高 山 の 軍 勢 に 高 山 右 近 が 追

崎 合 戦 の 様 相 を 俯 瞰 す る 。 紙 箋 を 頼 り に 戦 況

六 曲 一 隻 の 画 面 下 部 全 域 に 淀 川 を 流 し 、 山


6 0


い 画 題 に 取 り 組 み 、 明 代 以 降 の 花 卉 画 に 影 響 を 与 え た 。

省 )

人 。 無 準 師 範 ( 禅 僧 )

牧 渓 は 宋 末 元 初 の 禅 僧 、 画 家 。 法 諱 法 常 、 号 牧 渓 。 蜀

の 弟 子 。 人 物 ・ 山 水 ・ 花 鳥 な ど ( 幅 四 広 川

相 よ り は 静 か な 風 貌 に 描 き 、 左 右 に 牛 飼 図 を 添 え る 。

を 通 し て 禅 を 体 現 し 、 三 聖 と 崇 め ら れ る 。 掲 出 は 、 三 人 を 奇

な ど の 奇 行 で 知 ら れ 、 寒 山 拾 得 も 奇 怪 な 風 貌 と 数 々 の 奇 行

干 禅 師 は 天 台 宗 国 清 寺 に 住 み 、 虎 に ま た が り 人 々 を 驚 か す

豊 干 禅 師 を 中 心 に 寒 山 と 拾 得 を 両 脇 に 配 す 。 唐 時 代 の 豊

#031 牧渓 三聖画三幅対 ¥1, 200, 000. ~ 付二重箱(内蒔絵桒 外識) 絹本 牙軸端 49×97 表具64×185 虫穴 大倉好斎外箱識

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#032 尾形光琳 乾山 下絵 未装 一口 ¥1, 500, 000. ~ 15×30ほか メクリ五十一、断簡(ヤブレ)八

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弟 雁 。 金 独 屋 自 に の 生 装 ま 飾 れ 的 る 大 。 和 名 絵 惟 画 富 風 、 を 別 確 号 立 積 。 翠 陶 、 器 惟 の 亮 絵 、 付 伊 け 亮 も 、 携 青 わ 々 っ 、 澗 た 声 。 、 方 祝 、 寂 明 ほ か 。 乾 山 は

尾 形 光 琳

( 万 治 元 ・ 1 6 5 8 ~ 正 徳 六 ・ 1 7 1 6 )

は 画 家 、 工 芸 家 。 琳 派 の 大 成 者 。 京 の 呉 服 商

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と 交 流 が あ っ た 。

社 三 白 社 を 興 す 。 画 は 望 月 玉 蟾 に 師 事 。 應 挙 、 呉 春 ほ か 当 時 の 画 家 た ち

館 を 設 立 、 後 進 を 指 導 。 詩 書 画 に も す ぐ れ る 。 柴 野 栗 山 ・ 赤 松 滄 洲 と 詩

京 都 の 人 。 名 愿 、 字 伯 恭 、 通 称 文 蔵 、 別 号 有 斐 斎 ほ か 。 文 化 二 年 私 塾 弘 道

賛 : 皆 川 淇 園

( 享 保 十 九 ・ 1 7 3 4 ~ 文 化 四 ・ 1 8 0 7 )

は 儒 学 者 、 文 人 画 家 。

篆 刻 も よ く し た 。 妻 池 玉 瀾 も 画 家 ・ 歌 人 と し て 著 名 。

土 佐 光 芳 に 学 び 、 ま た 明 ・ 清 の 筆 意 を 研 究 し 、 独 自 の 南 画 を 構 築 。 書 、

公 敏 、 貸 成 。 号 大 雅 堂 、 霞 樵 、 九 霞 山 樵 ほ か 。 画 を 祇 園 南 海 、 柳 沢 淇 園 、

謝 蕪 村 と と も に 「 日 本 南 画 の 祖 」 と 呼 ば れ る 。 姓 は 池 野 、 名 勤 、 無 名 。 字

池 大 雅

( 享 保 八 ・ 1 7 2 3 ~ 安 永 五 ・ 1 7 7 6 )

は 画 家 、 書 家 、 京 都 の 人 。 与

#033 池大雅 柳鴛鴦画賛幅 ¥1, 000, 000. ~ 付時代識箱(桐 貼札) 売立目録コピー 紙本 雑木軸端 27×118 表具39×182 ヤケ スレ 皆川淇園賛 山根家目録所載

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② ①

⑤ ⑥

描 写 し 人 気 画 家 と な っ た 。

と 名 乗 っ た 。 江 戸 の 風 俗 を 軽 妙 洒 脱 に

流 さ れ た 。 後 、 大 赦 で 江 戸 に 帰 り 、 一 蝶

将 軍 徳 川 綱 吉 を 諷 刺 し た 罪 で 三 宅 島 に

蕉 に 学 び 俳 諧 に も 長 じ た 。 元 禄 十 一 年 、

下 り 狩 野 安 信 に 師 事 ( 後 に 破 門 )

。 松 尾 芭

別 号 朝 湖 ・

北 窓 翁 な ど 。 寛 文 六 年 江 戸 に

4 )

は 英 京 一 都 蝶 ( の 承 人 応 。 元 本 ・ 1 姓 6 藤 5 原 2 、 ~ 多 享 賀 保 、 九 の ・ 1 ち 7 英 2 。

蝶 画 の 出 現 が 期 待 さ れ る 。

微 妙 な 相 違 が 指 摘 で き る 。 さ ら な る 一

れ よ う 。 掲 出 と 園 画 と を 観 察 す る と

図 の 原 点 を 英 一 蝶 だ と 仮 定 し て も 許 さ

交 流 ・ ・ 』 p 1 4 5 )

の 存 在 も 知 ら れ 、 こ の

係 に つ い て は 、 「 馬 上 揮 毫 図 」 ( 『 こ こ ろ の

画 に 該 当 す る 。 英 一 蝶 と 通 信 使 と の 関

中 に 記 し た 、 ま さ に 一 蝶 筆 の 「 南 柯 夢 」

夢 画 幅 」 ) は 、 園 が 「 倣 一 蝶 筆 意 」 と 画

さ て 、 今 回 の 英 一 蝶 筆 ( 「 通 信 使 行 列

ら な い だ ろ う 。

に 及 ん で い る こ と も 注 目 し な け れ ば な

持 と 、 同 時 に 、 そ れ が 英 派 に 限 ら ず 各 派

れ ら が 、 こ の 図 に 対 す る 人 々 の 強 い 支

6 )

で は 狩 野 探 淵 筆 を 紹 介 し て い る 。 こ

筆 録 、 ( 1⑤ 1 2 0 2 1 回 7 図 ・ 4 録 ・ ( ⑥ 2 0 2 0 ・ 4 / p 1 2

黒 、 p 6 6 )

で は 呉 浚 明

6 / 色 p 1 9 3 )

で は 南 柳 斎 筆 、 9 6 回 図

#034 英一蝶 通信使行列夢画幅 ¥1, 000, 000. ~ 付時代識箱(桐) 絹本 牙軸端 83×50 表具102×161 ヤケ シミ

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2 柯 0 夢 1 0 」 画 ・ を 1 0 紹 / 介 黒 し 表 、 紙 続 p い 8 て 5 ( ) 5 ④ で 7 2 回 0 園 図 1 録 5 筆 ( ・ を ③

掲 載 し 、 さ ら に 8 3 回 図 録


黒 表 紙 p 1 3 7 )

で 、 同 じ く 英 一 蜂 筆 の 「 南

が 、 こ 弊 の 社 よ は う 、 に 5紹 4 回 介 図 さ 録 れ ( た ② 「 2 南 0 柯 1 夢 0 ・ 」 4 画 / だ

1 ~ 1 7 6 0 )

で あ る 。 僑

い 。 筆 者 は 英 一 蝶 の 門 人 、 英 一 峰

( 1 6 9

人 の イ メ ー ジ を 推 察 す る う え で 興 味 深

い て 、 当 時 の 朝 鮮 通 信 使 に 対 す る 一 般

こ の モ チ ー フ は 刀 装 具 に も 用 い ら れ て

ズ ム を 表 そ う と し た の で あ ろ う 。 な お 、

朝 鮮 通 信 使 一 行 の 異 装 を 借 り て エ キ シ

あ ろ う 。 唐 国 ( 漢 土 )

の 物 語 の イ メ ー ジ を

た 、 と い う 夢 物 語 に 取 材 し て い る の で

よ っ て 南 柯 郡 守 に 封 ぜ ら れ 二 十 年 を 経

夢 に 蟻 の 都 、 大 塊 安 国 に 至 り 、 王 命 に

淳 于 梵 が 酔 っ て 古 い 塊 樹 の 下 に 眠 り 、

国 の 故 事 「 南 柯 夢 」 又 は 「 塊 安 夢 」 、 即 ち

こ の 図 の 意 味 す る と こ ろ は お そ ら く 中

で 中 空 に 漂 う か の よ う に 表 さ れ て い る 。

と り 囲 む 烏 帽 子 の 和 人 が 淡 墨 の 没 骨 描

は 旗 を 高 く 掲 げ る 異 国 人 、 及 び そ れ を

方 、 画 面 右 半 分 に は 輿 を か つ ぎ 、 あ る い

目 を 閉 じ 、 眠 る が ご と き 様 相 で あ る 。 一

な 衣 装 を 身 に 纏 い 、 顔 を 団 扇 で お お い 、

て い る 。 そ の 容 貌 は 垂 髪 で 、 袈 裟 と 上 等

に 横 た わ る 一 人 の 男 性 が 着 色 で 描 か れ

い 「 都 の 0 に が 供 。 南 文 交 7 生 現 「 ) 画 柯 化 流 の 涯 れ 南 博 面 夢 を る 柯 収 の 」 物 尽 図 夢 朝 集 館 の 左 ) 鮮 品 く 画 」 の 解 に 半 通 の し の な 説 分 ( 掲 信 紹 た 紹 か を 吉 載 使 介 辛 介 に 田 さ 』 占 に 基 は 「 ( 宏 め 朝 志 れ ① 始 秀 、 て ) た 2 ま ( 通 鮮 」 辛 0 る 1 、 通 9 信 樹 を 0 信 『 3 使 使 下 採 氏 1 。 1 ・ の 録 収 4 こ ~ の 一 床 し 集 / こ 2 研 行 几 た の 京 ろ 0 究 」

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城 深 草 の 石 峰 寺 の 傍 ら に 閑 居 し た 。

飾 性 を 加 え た 独 自 の 作 風 を 完 成 。 生 涯 独 身 、 晩 年 は 山

の 中 国 画 を 学 び 、 琳 派 の 画 風 も 取 り 入 れ 、 写 実 性 に 装

別 号 斗 米 庵 、 米 斗 翁 ほ か 。 は じ め 狩 野 派 、 の ち に 宋 元 明

京 都 錦 小 路 の 青 物 問 屋 枡 屋 に 生 れ る 。 名 汝 鈞 、 字 景 和 、

伊 藤 若 冲

( 享 保 元 ・ 1 7 1 6 ~ 寛 政 十 二 ・ 1 8 0 0 )

は 画 家 、

#035 伊藤若冲 月下梅画幅 ¥2, 000, 000. ~ 付木箱(桐) 紙本 唐木軸端 43×108 表具54×176 ヤケ シミ 穴

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社 風 景 を は じ め 人 物 描 写 も 魅 力 を み せ る 。

性 も 浮 か ぶ 。 経 年 損 傷 は 否 め な い が 、 正 し く に は 先 学 の 御 指 導 を 待 ち た い 。 寺

置 関 係 の 混 乱 が 顕 著 に 認 め ら れ 、 そ れ ら の 紙 箋 を 無 視 す れ ば 八 坂 神 社 の 可 能

に す れ ば 洛 西 の 北 野 神 社 に 比 定 さ れ る 。 な が ら 、 名 所 に 貼 ら れ た 紙 箋 に は 位

景 物 と す る 方 を 左 隻 と し た 。 右 隻 は 清 水 寺 に 決 着 す る が 、 左 隻 は 、 紙 箋 を 参 考

右 端 に 音 羽 滝 を 配 す 方 を 右 隻 と し 清 水 寺 、 右 端 に 五 重 塔 を 描 き 、 石 鳥 居 を

#036 京名所屏風 中形 六曲 一双 ¥2, 500, 000. ~ 付時代箱(杉) 紙本 258×106 屏風274×122 ヤケ シミ スレ

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発 織 表 す し る て 工 い 房 る の 。 構 掲 成 出 員 に で は あ 「 日 り 本 、 肉 戯 筆 畫 美 人 懐 画 月 を 末 専 葉 業 度 に 辰 す 」 る の 款 者 記 が を 多 認 い め 懐 る 月 。 堂 派 に あ っ て 、 木 版 画 も

徳 か ら 享 保 頃 に 活 躍 。 現 在 、 同 派 に お い て 名 前 の 判 明 し て い る 数 少 な い 一 人 で あ る 。 安 度 の 組

時 の 新 吉 原 な ど で 人 気 を 博 し た 遊 女 を 特 徴 す る 。 作 者 は 懐 月 堂 度 辰 、 懐 月 堂 安 度 の 門 人 で 正

肥 痩 の 激 し い 描 線 に 鮮 明 な 色 調 で 彩 ら れ た 立 姿 の 女 性 は 比 較 的 堂 々 と し た 体 躯 で あ り 、 当

#037 懐月堂度辰 立姿美人画幅 ¥2, 200, 000. ~ 付二重箱(内時代貼札識桐 外溜塗) 絹本 牙軸端 45×117 表具61×206 ヤケ シミ スレ オレ

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#038 初代広重 東都名所版画 三枚続 ¥1, 200, 000. ~ 紙本 76×36 シミ 内一ヤブレ補修 「両國夕すずみ」

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里 の 路 を 往 く 」 と い う 理 想 を 実 践 し た 。

な る 。 明 治 十 五 年 京 都 に 転 居 、 「 万 巻 の 書 を 読 み 、 万

国 事 に 奔 走 。 維 新 後 は 石 上 神 社 ・ 大 鳥 神 社 の 宮 司 と

時 に 国 学 ・ 漢 学 を 学 び 、 十 八 歳 頃 か ら 絵 を 学 ぶ 。 幕 末 、

鐡 崖 、 鐡 史 が あ る 。 帝 室 技 芸 員 、 帝 国 美 術 院 会 員 。 幼

画 家 。 京 都 の 人 。 名 は 百 錬 、 字 は 無 僊 、 別 号 に 鐡 荘 、

富 岡 鐡 斎 (

天 保 七 ・ 1 8 3 6 ~ 大 正 十 三 ・ 1 9 2 4 )

は 南

#039 富岡鉄斎 山水人物画貼交屏風 本間 六曲 一双 ¥2, 500, 000. ~ 付時代溜塗識箱(杉) 鑑定委員会証明書 59×164 屏風376×175 『中京松村氏旧蔵品 並二某大家所蔵品目録』所載

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往 く 」 と い う 理 想 を 実 践 し た 。

転 居 、 「 万 巻 の 書 を 読 み 、 万 里 の 路 を

社 の 宮 司 と な る 。 明 治 十 五 年 京 都 に

に 奔 走 。 維 新 後 は 石 上 神 社 ・ 大 鳥 神

十 八 歳 頃 か ら 絵 を 学 ぶ 。 幕 末 、 国 事

院 会 員 。 幼 時 に 国 学 ・ 漢 学 を 学 び 、

鐡 史 が あ る 。 帝 室 技 芸 員 、 帝 国 美 術

は 百 錬 、 字 は 無 僊 、 別 号 に 鐡 荘 、 鐡 崖 、

三 ・ 1 富 9 岡 2 鐡 4 斎 ) ( は 天 南 保 画 七 家 ・ 。 1 京 8 都 3 6 の ~ 人 大 。 正 名 十

#040 富岡鉄斎 渓屋高隠画賛幅 ¥1, 000, 000. ~ 付二重箱(内識桐 外溜塗) 大阪美術倶楽部鑑定書、富岡益太郎證明書 絹本 牙軸端 52×175 表具69×204 ヤケ 水田竹圃箱識

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火 香 銀 折 六 炷 重 道 札 葉 据 角 殻 香 具 盤 八 札 入 合 ( 筒 ) ( 香 三 香 筋 段 包 建 、 八 最 欠 下 失 層 ) は

銅 香 胎 盆 蒔 絵 聞 香 炉 一 対

#041 家紋桐唐草蒔絵十種香箱 ¥1, 000, 000. ~ 付二重箱(内桐 外黒塗) 仕覆 23. 5×19. 5×19

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国 焼 の 育 成 に も 尽 力 す る 。

中 最 多 。 十 職 以 外 の 工 芸 家 や 各 地 方 の

年 松 風 楼 を 増 築 。 好 み の 茶 道 具 は 歴 代

火 焼 失 し た 不 審 菴 を 大 正 二 年 再 興 、 十

左 。 号 は 惺 斎 、 敬 翁 。 明 治 三 十 九 年 に 失

の 長 男 。 幼 名 は 与 太 郎 、 名 は 宗 員 の ち 宗

1 9 3 7 )

惺 斎 宗 は 左 表 ( 千 慶 家 応 十 元 ・ 二 1 代 8 。 6 十 5 一 ~ 代 昭 碌 和 十 々 二 斎 ・

を 設 立 。

十 年 、 十 四 代 吉 左 衛 門 を 襲 名 。 樂 美 術 館

昭 和 十 五 年 東 京 美 術 学 校 彫 刻 科 卒 。 二

8 0 )

覚 は 入 ( 樂 大 家 正 十 七 四 ・ 1 代 9 。 1 十 8 三 ~ 代 昭 和 惺 五 入 十 の 五 長 ・ 1 男 9 。

ど を 得 意 と し 、 左 入 釉 の 語 を 残 し た 。

斎 樂 ( 宗 家 左 六 ) 代 か ら を も 継 ら ぐ っ 。 左 た の と 一 さ 字 れ は 、 光 千 悦 家 模 如 な 心

和 屋 嘉 兵 衛 の 次 男 。 宗 入 の 養 子 と な り 、

は 樂 家 六 代 。 本 姓 田 中 、 名 嘉 顕 。 京 都 大

左 入

( 貞 享 二 ・ 1 6 8 5 ~ 元 文 四 ・ 1 7 3 9 )

#042 左入 黒茶碗 ¥1, 800, 000. ~ 付二重箱(内識桐) 時代共箱蓋(桐) 13×13×8 磁貫 覚入内箱識 惺斎内箱書 銘神楽

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#043 黄伊羅保茶碗 ¥1, 500, 000. ~ 付二重箱(内時代識貼札桐 外溜塗) 15×15×7 銘女郎花

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刃 す る 。

坂 方 に 通 じ た こ と が 発 覚 、 伏 見 邸 に て 自

に 大 き な 影 響 を 与 え る 。 大 坂 夏 の 陣 で 大

ど 器 物 の 意 匠 に 工 夫 を こ ら し 、 後 の 茶 道

形 茶 碗 の 創 始 、 キ リ シ タ ン 文 様 の 採 用 な

小 田 原 の 陣 に 従 軍 。 利 休 七 哲 の 一 人 。 沓

川 秀 成 、 の ち 豊 臣 秀 吉 に 仕 え 、 九 州 の 役 、

部 正 。 徳 川 将 軍 家 の 茶 道 師 範 。 は じ め 中

1 6 1 5 )

古 田 織 武 部 将 ( 。 天 山 文 城 十 西 三 ・ 岡 1 城 5 主 4 。 4 従 ~ 五 慶 位 長 二 下 十 織 ・

#044 古田織部 竹茶杓 ¥1, 000, 000. ~ 付二重箱(内時代識桐) 共筒 高原杓庵折紙 総長18. 5 直斎箱書

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三 百 選 』 な ど 。 昭 和 五 十 年 ( 1 9 7 5 )

歿 。

大 阪 毎 日 新 聞 記 者 と し て 活 躍 。 著 書 に 『 茶 凋

高 原 杓 庵 は 大 阪 生 の 茶 人 、 俳 人 。 本 名 慶 三 。

無 尽 ・ 清 友 軒 。

次 男 。 昭 和 十 二 年 襲 名 。 幼 名 は 覚 二 郎 、 号 に

四 ・ 1 9 7 9 )

即 中 斎 宗 は 左 ( 表 明 千 治 家 三 十 十 三 四 ・ 代 1 。 9 十 0 二 1 代 ~ 惺 昭 和 斎 五 の 十

世 す る 。

後 に 和 解 し た と さ れ 、 自 作 の 茶 杓 な ど が 伝

父 宗 旦 と の 不 和 故 に 家 督 は 継 い で い な い が

藩 前 田 家 に 茶 頭 と し て 仕 え る が 程 な く 辞 す 。

は 茶 人 。 号 閑 翁 、 壺 天 。 千 宗 旦 の 長 男 。 加 賀

千 宗 拙 ( 文 禄 元 ・ 1 5 9 2 ~ 承 応 元 ・ 1 6 5 2 )

#045 宗拙 竹茶杓 ¥1, 000, 000. ~ 付二重箱(内識桐) 共筒(古筆了仲極札) 総長18 即中斎内箱書 高原杓庵外箱書

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種 の を 。 と 亀 、 に 鈕 造 を 形 蓬 す 莱 る 山 。 に 添 模 う し 蓋 た は 鉄 銅 製 製 の の 二 も

中 腹 と も 呼 ぶ べ き 箇 所 に あ け 、 一 方

み せ る 。 鐶 付 は 一 方 を 屹 立 す る 山 の

し 、 凹 凸 を 如 実 に し た 大 胆 な 造 形 を

と 極 め ら れ た 本 品 は 、 蓬 莱 山 に 取 材

大 西 浄 中 の 箱 書 に よ り 古 芦 屋 の 作

#046 芦屋蓬莱山釜 ¥1, 000, 000. ~ 付識箱(桐) 鉄蓬莱山摘蓋 銅蓋 22×22×20 古芦屋作 大西浄中箱識

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古 窯 と し て は 衰 退 す る 。

な っ た 。 元 禄 年 間 の 波 瀾 や 廃 藩 に よ り

唐 津 焼 の 技 術 も 同 様 に 結 集 し た 形 と

散 し て い た 陶 工 た ち が 集 結 し た 関 係 で

藩 藩 窯 に 指 定 さ れ た 由 緒 あ る 窯 で 、 四

椎 ノ 峯 窯 は 元 和 元 年 (

1 6 1 5 )

に 唐 津

#047 刷毛目唐津壺 ¥1, 500, 000. ~ 付二重箱(内杉 外溜塗) 黒塗蓋 所載本 21×21×17 ソゲ ヒビ 『肥前の唐津焼』 (平凡社 昭和40)所載 椎の峰窯

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#048 青貝八角茶箱 ¥1, 000, 000. ~ 付時代箱(桐) 仕覆 茶箱17×11×12ほか 剥離 内朱 絵唐津茶碗(口縁補修) 秋草熨斗蒔絵棗(内外梨子地) 陶作振出(口縁金補修) 春草蒔絵茶筅筒 茶筅 象牙茶巾筒 象牙茶杓 袱紗

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和 歌 、 俳 句 な ど の 諸 芸 に も 力 を 注 い だ 。

ら 不 昧 流 を 創 っ た 。 ま た 美 術 品 の 収 集 や 書 道 、

出 雲 松 江 七 代 藩 主 。 茶 人 大 名 と し て 有 名 で 、 自

松 平 不 昧

( 宝 暦 元 ・ 1 7 5 1 ~ 文 政 元 ・ 1 8 1 8 )

「 大 円 庵 」 朱 文 円 印 と 「 宗 納 」 朱 文 瓢 印 を 押 す 。

伸 び や か な 書 風 を 示 し て い る 。 款 記 は 「 宗 納 」 、

文 字 の 大 小 や 渇 筆 を 効 か せ て お り 、 不 昧 独 特 の

禅 宗 の 始 祖 で あ る 達 磨 大 師 の 名 を 書 表 す る 。

#049 松平不昧 一行書幅 ¥1, 800, 000. ~ 付二重箱(内時代共桐 外識) 所載図録 紙本 牙軸端 28×97 表具30×170 小堀宗慶外箱識 『大名茶人 松平不昧展』(平成十三)所載

9 9


9 8


的 大 振 り で あ る 。

が 、 掲 出 作 品 は 高 さ 二 十 六 糎 と 比 較

信 楽 の 蹲 に 見 ら れ る 特 徴 を 具 え る

#050 信楽二重桧垣文壺 ¥1, 200, 000. ~ 23×23×25

1 0 1

沈 む 。 肩 に は 二 重 に 桧 垣 文 を 廻 ら す 。

口 頸 部 は 、 焼 き 歪 み に よ っ て 僅 か に

口 造 り を 二 重 口 と し た 外 開 き の


1 0 0


#051 信楽壺 ¥1, 000, 000. ~ 30. 5×30. 5×38 口辺カケ

1 0 3


1 0 2


#052 信楽大壺 ¥1, 700, 000. ~ 40×40×47 口縁時代接合補修

1 0 5


1 0 4


#053 絵唐津盃 \1, 500, 000. ~ 付時代箱(桐 貼札) 更紗風呂敷 6. 5×6. 5×5. 5 高台クッツキ、ソゲ

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1 0 6


#054 斑唐津盃 \1, 200, 000. ~ 付時代識箱(杉) 風呂敷 6. 5×6. 5×5. 5 金補修

1 0 9


1 0 8


#055 黄瀬戸六角盃 \1, 100, 000. ~ 付時代箱(桒) 錦仕覆 更紗風呂敷 6. 5×7. 5×5 金補修

1 1 1


1 1 0


る 三 浦 乾 也 は 著 名 。

よ う な 形 が 多 か っ た よ う で あ る 。 六 代 乾 山 た

名 乗 っ た が 、 弟 子 師 匠 と い う よ り 、 私 淑 す る

二 代 伊 八 、 三 代 呉 介 と い っ た 風 に 代 々 乾 山 を

味 あ ふ れ る 作 風 で 、 阿 蘭 陀 焼 の 影 響 が 窺 え る 。

は 江 戸 中 期 の 陶 工 、 画 家 。 光 琳 の 弟 。 軟 質 の 雅

尾 形 乾 山

( 寛 文 三 ・ 1 6 6 3 ~ 寛 保 三 ・ 1 7 4 3 )

#056 尾形乾山 絵替画賛四方皿 十 ¥1, 200, 000. ~ 付二重箱(内時代識桐(蓋一部補材) ) 18×18×2. 5 磁貫 ヒビ

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意 匠 と し た 作 風 を 展 開 。 伊 勢 の 人 。

戸 で 漆 芸 を 学 び 、 破 笠 細 工 と い う 陶 磁 や 金 属 を 象 嵌 し た 中 国 文 物 を

通 称 平 助 、 字 は 尚 行 、 別 号 に 宗 羽 、 宗 宇 、 笠 翁 、 卯 観 子 、 夢 中 庵 ほ か 。 江

小 川 破 笠

( 寛 文 三 ・ 1 6 6 3 ~ 延 享 四 ・ 1 7 4 7 )

は 漆 芸 家 、 画 家 、 俳 人 。

部 、 即 ち 顔 と 手 は 写 実 的 で 、 且 つ 豊 か な 表 情 を 覗 か せ る 。

で 表 現 す る 。 洗 馬 す る 男 は 服 を 梨 子 地 に 菱 文 と し 、 貝 を 嵌 入 し た 肌

に 妙 味 を み る 。 馬 が 脚 を 浸 け る 盥 は 鉛 を 嵌 入 し 、 水 面 の 揺 れ を 蒔 絵

上 げ て き た 。 掲 出 に 目 を 向 け る と 、 破 笠 ら し い そ の 技 巧 の 使 い 分 け

転 を 労 う 「 洗 馬 」 に 東 洋 人 は 古 く か ら 詩 趣 を 見 出 し 、 画 題 と し て 採 り

夜 、 柱 に 繋 が れ た 馬 を 男 が 屈 み こ ん で 洗 う 。 一 日 の 騎 乗 な い し 耕

#057 小川破笠 漆作洗馬画賛柱掛 ¥1, 000, 000. ~ 付時代溜塗箱(桐 貼札) 13. 5×138. 5 下端メクレ

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#058 古山 虫尽拵付脇差 ¥2, 000, 000. ~ 付識箱(桐) 緑縞地縮緬刀袋 拵:総長47. 5 刀:長さ31. 8 反り0. 8 目くぎ穴2 拵:目釘と鵐目固着、小カケ、剥離、切羽接合補修 刀:差表小鍛キズ、小刃コボレ 差裏切先小鍛キズ 柄ガタツキ 無銘 東京都第212073号

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左 彫 木 る 地 古 耳 。 に 山 と 薄 は 羽 肉 江 の 彫 戸 一 式 時 部 で 代 に 雲 後 僅 龍 期 か 、 の な 草 欠 花 根 け 付 、 風 細 を 景 工 認 図 師 め を 。 る 。

小 柄 の 袋 に 「 古 山 」 の 銘 を み る 。 蝙 蝠 の

を み せ る 。 唐 木 ( 紫 檀 )

に 菊 と 竹 を 刻 ん だ

る 破 笠 細 工 を 祖 に す る 細 密 工 芸 の 極 致

ら を 生 け る か ご と く 彫 刻 す る 。 い わ ゆ

青 貝 、 琥 珀 、 緑 石 、 珍 木 を 駆 使 し 、 そ れ

ぶ べ き 種 々 の 虫 を 、 鼈 甲 、 象 牙 、 珊 瑚 、

鞘 尻 に 蛇 を 配 し 、 草 叢 に 遊 ぶ 百 虫 と 呼

鍔 を 百 足 、 栗 形 を 蝸 牛 と し 、 柄 頭 に 蝙 蝠 、

鞘 は 唐 木 を 胎 と し 草 花 を 彫 り つ け 、

1 1 6


の で あ ろ う か 。

確 認 す る が 、 仔 細 は 不 明 。 輸 出 時 の も

ア ラ ビ ア 数 字 を 書 き 入 れ た ラ ベ ル を

細 部 に 至 る ま で 入 念 を 貫 く 。 高 台 内 に

台 内 、 香 炉 内 部 を 梨 子 地 と す る な ど 、

と 思 わ れ る ) の 銀 金 具 と す る 。 蓋 裏 、 高

鳳 凰 を 蒔 絵 し 、 蓋 鈕 は 枯 蓮 に 水 禽 ( 鴫

花 を 象 っ た 銀 金 具 と す る 。 蓋 と 脚 部 は

草 を 配 う 金 具 を 廻 ら す 。 飾 耳 は 菊 の 切

口 に は 銀 地 に 同 じ く 芝 山 象 嵌 で 花 唐

る 二 面 に は 生 け た 花 卉 を 具 象 す る 。 肩

で 以 て 其 々 「 傘 張 師 」 、 「 眼 鏡 磨 師 」 、 残

採 っ て お り 、 器 腹 の 四 面 に は 芝 山 細 工

掲 出 作 品 は 四 方 飾 香 炉 の 体 裁 を

目 の 一 で あ る 。

で 包 括 さ れ る 、 明 治 日 本 の 高 級 輸 出 品

持 て 囃 さ れ た 。 「 超 絶 技 巧 」 と い う 言 葉

し 、 明 治 期 に 入 り 輸 出 品 と し て 大 い に

#059 芝山細工飾香炉 ¥1, 500, 000. ~ 付木箱(桐) 13×9×15 蓋小ソゲ 小剥離

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れ る も の で 、 十 八 世 紀 に 上 総 国 で 発 端

嵌 す る 。 こ の 様 式 は 芝 山 細 工 と 呼 称 さ

宝 な ど を 文 様 に 合 わ せ て 形 を 整 え 象

銅 胎 の 金 塗 と し た 素 体 に 、 青 貝 や 七


1 1 8


#060 北大路魯山人 粉引汲出茶碗 六 ¥1, 000, 000. ~ 付二重箱(内共桐 外溜塗) 12×12×7 磁貫

1 2 1


岐 に わ た っ た 。

を 製 作 。 陶 技 は 志 野 ・ 織 部 ・ 備 前 ・ 信 楽 か ら 染 付 ・ 赤 絵 と 多

て 料 理 ・ 食 器 な ど 指 導 。 北 鎌 倉 に 星 岡 窯 を 築 き 、 独 特 の 雅 陶

芸 に も す ぐ れ る 。 大 正 十 四 年 超 高 級 料 亭 星 岡 茶 寮 顧 問 と し

芸 家 。 本 名 房 次 郎 。 京 都 生 ま れ 、 北 鎌 倉 で 没 。 書 画 、 篆 刻 、 漆

北 大 路 魯 山 人

( 明 治 十 六 ・ 1 8 8 3 ~ 昭 和 三 十 四 ・ 1 9 5 9 )

は 陶

1 2 0


工 芸 的 な 意 味 で も 完 成 度 を 高 め て い る 。

蔦 の 葉 や 花 を 丁 寧 に 工 作 し て 鍍 金 を 施 す な ど 、

水 の 吹 き 出 し 口 を 横 に 伸 ば す 構 造 も 初 見 だ が 、

道 」 を 連 想 さ せ る な ど 趣 味 心 を 深 く し て い る 。

を 球 体 の 表 面 に 絵 画 的 に 這 わ せ て 、 「 蔦 の 細

は 足 部 の 上 に 球 体 の 本 体 部 を 据 え 、 金 工 の 蔦

で に 数 例 を 紹 介 し て き た 。 な が ら 、 今 回 の そ れ

戸 の 科 学 と し て 注 目 さ れ る 。 弊 社 で は こ れ ま

せ る 「 水 上 盃 洗 」 は 、 粋 人 の 遊 び 心 を 誘 い 、 江

水 鉢 の 中 に 水 を 噴 き 上 げ る 装 置 を 内 蔵 さ

工 の 特 徴 を み る 。

様 を 付 し 、 渡 錫 を 施 し た 地 金 の 制 作 に 菅 次 細

上 盃 洗 で は 独 壇 場 を 誇 っ た 。 銅 に 独 自 の 地 文

を 応 用 し て 無 尽 灯 を 制 作 す る な ど し た が 、 水

お 抱 え 細 工 師 と み ら れ て お り 、 空 気 銃 の 原 理

奥 村 菅 次 は 、 江 戸 後 期 に 活 躍 し た 膳 所 藩 の

#061 菅次細工水上盃洗 ¥1, 000, 000. ~ 36×23×23 小へこみ

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形 の 写 実 化 に 与 し た 。

目 に 硝 子 を 入 れ 頭 部 を 大 型 化 す る な ど 、 阿 波 人

後 、 吉 岡 家 の 養 子 と な り 、 天 狗 屋 の 屋 号 で 独 立 。

徳 島 県 の 人 形 師 。 若 松 屋 富 五 郎 に 弟 子 入 り し た

天 狗 久 ( 安 政 五 ・ 1 8 5 8 ~ 昭 和 十 八 ・ 1 9 4 3 )

#062 天狗久 文楽人形 ¥1, 000, 000. ~ 付木箱(桐) 飾台 総丈115

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持 風 民 工 者 を 芸 ・ 黒 。 確 協 漆 田 立 団 芸 辰 。 を 作 秋 昭 組 家 ( 和 織 。 明 四 。 京 治 三 十 九 都 十 生 五 年 ま 七 ( ・ 1 志 れ 1 9 賀 。 9 7 直 父 0 0 哉 亀 4 ) 重 の 吉 ~ 要 推 に 昭 和 無 薦 師 五 形 で 事 十 文 初 。 七 化 個 昭 ・ 1 財 展 和 9 ( 。 四 木 重 年 8 工 厚 上 2 ) 芸 ) な 賀 は 保 作 茂 木

#063 黒田辰秋 耀貝螺鈿飾筥 ¥3, 000, 000. ~ 付二重箱(内共桐 外溜塗) ガラスケース 27. 5×14×17 内銀溜

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作 品 と 云 え る だ ろ う 。

カ ラ 社 の ジ ャ ポ ニ ズ ム シ リ ー ズ の 中 で 、 あ る 意 味 最 も ジ ャ ポ ニ ズ ム ら し い

す る 。 当 時 の フ ラ ン ス 人 が 考 え た 「 日 本 趣 味 の 極 致 」 を 本 品 は 内 包 す る 。 バ

本 品 は コ ル ネ ッ ト 状 の 花 瓶 を 素 体 と し 、 鏡 ・ 扇 ・ 梅 樹 を 型 ガ ラ ス で 成 形

す の カ り る パ ラ 入 。 リ 社 れ 万 が て 博 復 お に 刻 り 出 制 、 そ 品 作 の さ し 成 れ て 果 た い を ジ る こ ャ 「 の ポ T万 ニ O 博 ズ Kで ム Y大 O 作 」 き 品 と く で 題 開 あ さ 花 り れ さ 、 た せ そ タ る の ン こ 普 ブ と 遍 ラ に 的 ー な 人 も る 気 、 。 を 元 現 証 は 在 左 こ バ

行 覧 の 会 黎 ( 1 明 8 期 7 た 8 ) る に 1出 8品 7さ 0れ 年 た 代 ジ 初 ャ 頭 ポ 、 ニ バ ズ カ ム ラ 作 社 品 は の 積 一 極 で 的 あ に る こ 。 の ジ 東 ャ 洋 ポ 文 ニ 化 ズ を ム 採 流

バ カ ラ 美 術 館 の 記 録 に よ る と 、 今 回 掲 出 の 機 会 を 得 た 本 品 は パ リ 万 国 博

#064 バカラ 鏡扇梅文ジャポニズム花瓶 一対 ¥1, 000, 000. ~ 10. 5×9×25

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#065 木彫如来坐像 ¥1, 000, 000. ~ 像高81 白毫欠失 ヒビ 右手接合補修 瞳に黒石を嵌入する 一木彫成

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#066 木彫金箔押阿弥陀三尊立像 ¥1, 000, 000. ~ 像高33 総高44ほか 指先カケ 持物欠 彫眼

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坐 像 と す る 。

表 現 か ら 作 期 を 九 世 紀 に 比 定 し た 趺

状 に 曰 く 、 面 相 の 穏 や か さ と 衣 紋 の

究 所 の 久 野 健

( 1 9 2 0 ~ 2 0 0 7 )

の 添

右 手 に は 宝 珠 を 持 つ 。 東 京 文 化 財 研

お り 、 頸 を 僅 か に 右 傾 し 、 右 膝 を 立 て 、

総 体 を 一 塊 の 大 理 石 よ り 彫 出 し て

#067 漢白玉菩薩趺坐像 ¥1, 000, 000. ~ 付木箱(杉) 唐木台 久野健添状(九世紀作 東京文化財研究所) 総高45

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画 家 と し て 活 躍 し 、 南 宋 四 大 家 の 一 と さ れ る 。

体 画 を 代 表 す る 画 家 。 画 院 待 詔 、 い わ ゆ る 宮 廷

馬 遠 ( 生 没 年 未 詳 )

は 南 宋 の 画 家 。 夏 珪 と 並 ぶ 院

#068 馬遠 高士談笑山水画幅 ¥1, 500, 000. ~ 付識箱(桐 更紗袋貼) 古筆了意折紙 絹本 牙軸端 30×88 表具42×172 ヤケ 印金表装 大倉好斎箱識

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書 風 に 学 び 、 典 型 を 残 し た 。

宋 朝 滅 亡 後 は 元 朝 に 仕 え た 。 王 羲 之 の

の 文 人 、 政 治 家 。 宋 の 宗 室 を 出 自 と し 、

趙 子 昂 ( 1 2 5 4 ~ 1 3 2 2 )

は 南 宋 ・ 元

#069 趙子昂 人物馬画幅 ¥2, 000, 000. ~ 付二重箱(内時代溜塗桐) 狩野常信折紙 絹本 牙軸端 32×59 表具45×148 ヤケ スレ オレ キレ 表具ヤケ、スレ 大白賛

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何 白 ( 生 没 未 詳 )

字 無 咎 、 號 丹 丘 。 永 嘉 人 。

#070 何無咎 山水画幅 ¥1, 000, 000. ~ 付二重箱(内桐識) 絹本 牙軸端 54×103 表具69×203 「寶源図」

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る ば 唐 。 、 墨 程 の 君 文 房 化 な 史 い 』 し ( 方 昭 于 和 魯 四 の 十 作 三 と ) に さ 拠 れ れ

作 者 を 「 呉 老 歳 」 と し た が 、 『 古 墨 –

本 品 を 納 め る 古 箱 の 書 付 に 倣 い

#071 明墨 ¥1, 000, 000. ~ 付二重箱(内時代桐 貼札) 7. 7×7. 7×1. 5 カケ ヒビ 玄龍煥 呉老歳造

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程 君 房 製 」 の 銘 が あ り 、 1 6 2 1 年 の 作 と 知 れ る 。

魯 と 製 墨 の 二 覇 を 誇 っ た 。 本 品 側 部 に は 「 天 啓 元 年

と い う 文 化 成 熟 期 に あ っ て 、 同 時 期 に 活 躍 し た 方 于

程 君 房 は 明 代 の 製 墨 家 。 名 は 大 約 、 字 は 幼 博 。 明 末

#072 明墨 ¥2, 300, 000. ~ 付唐木箱(内硝子ケース・硝子ワレ) 13. 5×13. 5×1. 5 カケ ヒビ 百爵図 程君房造

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紀 年 銘 を 確 認 す る 。

れ で あ り 、 そ の 声 望 の 高 さ を 窺 い 知 れ よ う 。 掲 出 作 品 は 側 面 に 「 萬 暦 元 年 」 の

製 墨 を 学 び 独 立 。 萬 暦 末 年 に 『 方 氏 墨 譜 』 を 著 す が 、 そ の 序 跋 は 錚 々 た る 顔 ぶ

方 于 魯 は 明 末 の 墨 匠 。 名 大 、 字 于 魯 。 後 に 建 元 と 改 め る 。 程 君 房 の 下 で

#073 明墨 ¥2, 300, 000. ~ 付溜塗箱 7. 5×1. 8×9 カケ ヒビ 桃都 方于魯造

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#074 清初墨 ¥1, 800, 000. ~ 12×9. 5 カケ ヒビ 九子閙蓮 文雅閣造

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#075 乾隆墨 ¥1, 300, 000. ~ 6×1. 5×12 カケ ヒビ 収販 方維甸造

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#076 唐物堆朱牡丹鳳凰彫長盆 ¥2, 000, 000. ~ 付時代識箱(杉) 42×28×5

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味 を 強 す る な ど 、 釉 調 に 変 化 を 見 せ る 。

あ し ら う が 、 唐 草 の 茎 部 は 釉 薬 が 薄 く な っ て 白

す 。 そ れ ら に 挟 ま れ た 空 域 に 浮 文 で 牡 丹 唐 草 を

部 に 一 重 の 隆 起 線 を 、 口 縁 は 太 く 二 重 線 を 廻 ら

腹 は 僅 か に 広 が り つ つ 直 線 的 に 立 ち 上 が り 、 下

は 露 胎 と し 、 赤 味 の か か る 胎 土 を 覗 か せ る 。 器

草 に 準 え 「 千 鳥 形 」 と 呼 称 さ れ る 。 高 台 内 と 見 込

は 宙 に 浮 く 。 こ の 形 状 は 千 鳥 が 片 足 を 上 げ る 仕

て 支 え ら れ 、 胴 下 部 の 外 か ら 飾 ら れ た 三 つ の 足

口 径 十 三 糎 あ る 大 振 り の 本 品 は 高 台 に よ っ

#077 青磁牡丹浮文香炉 ¥1, 500, 000. ~ 付黒塗箱(杉) 13. 5×14×11 口縁補修

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#078 青磁大皿 ¥1, 000, 000. ~ 付識箱(桐 シミ) 40×40×8. 5 小スレ 清水公照箱識 龍泉窯(天龍寺)刻花

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#079 青磁大皿 ¥1, 000, 000. ~ 付識箱(桐 貼札) 46×46×9 龍泉窯(天龍寺)青磁 縞縁刻花

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- 百 五 十 首 》 釈 心 月 )

。 附 有 轻 巧 的 古 制 唐 木 台 。

作 品 名 中 的 供 李 花 白 僑 出 自 于 诗 句 供 李 花 白 、 桃 花 紅 、 一 色 同 中 又 不 同 僑 ( 《 偈 頌

一 步 添 加 了 高 格 调 的 红 色 , 成 功 显 现 出 世 界 罕 见 的 供 超 翡 翠 的 景 色 僑 。

这 部 作 品 通 过 窑 变 , 主 色 为 所 谓 供 李 花 白 僑 的 白 肌 , 其 上 浮 出 透 明 的 绿 色 , 进

体 显 红 其 含 绿 色 交 加 , 二 色 显 现 出 细 腻 之 美 。

铜 釉 基 于 烧 制 法 酸 化 焰 和 还 元 焰 的 不 同 , 有 红 绿 不 同 发 色 变 化 , 《 桃 花 红 》 总

杰 作 《 桃 花 红 》 就 是 其 顶 级 作 品 。

康 熙 年 间 在 景 德 镇 官 窑 烧 制 出 不 少 色 釉 的 名 作 。 把 铜 作 为 成 色 剂 的 极 为 珍 贵

留 下 的 痕 迹 使 内 心 充 实 。

康 熙 年 间 (

1 6 6 2 ~ 1 7 2 1 )

相 当 于 日 本 的 江 户 前 期 到 中 期 。 经 历 那 一 番 岁 月

供 大 清 康 熙 年 製 僑 。 整 体 被 施 加 铜 釉 。

形 态 奢 华 , 握 在 手 中 感 到 舒 心 。 躯 干 底 部 露 胎 处 , 窄 小 的 高 台 上 可 见 青 料 色 绘

「 李 花 白 」 を 頂 戴 し た 。 古 製 の 軽 妙 な 唐 木 台 が 添 う 。

呼 称 に は 「 李 花 色 、 桃 花 紅 、 一 色 同 中 又 不 同 」 ( 『 偈 頌 一 百 五 十 首 』 釈 心 明 )

か ら

と の で き な い 、 世 界 に 一 つ の 「 超 翡 翠 の 景 色 」 の 現 出 に 成 功 し た 。

明 な 緑 色 を 浮 か べ 、 さ ら に 格 調 の 高 い 紅 色 を 添 え て 、 ま さ に 天 然 で は 見 る こ

掲 出 は 、 窯 変 に よ っ て 、 「 李 花 白 」 と 呼 ぶ べ き 白 肌 を 主 色 に 、 そ の 白 肌 に 透

花 紅 」 は 、 紅 色 の 主 色 の 中 に 緑 色 を 混 ぜ 、 二 色 を 併 せ も つ 繊 細 な 美 を 創 出 し た 。

銅 釉 は 焼 成 法 の 酸 化 ・ 還 元 焔 の 違 い に よ っ て 紅 と 緑 に 発 色 を 変 え る が 、 「 桃

#080 李花白細瓶 ¥2, 500, 000. ~ 付木箱(杉) 唐木飾台 5×5×18 大清康熙年製

1 6 1

釉 の 傑 作 と し て 「 あ の 幻 の 」 を 冠 す る 「 桃 花 紅 」 が 筆 頭 に 挙 が る 。

康 煕 年 間 の 景 徳 鎮 官 窯 で は 色 漆 の 名 品 が 焼 成 さ れ た 。 銅 を 呈 色 材 と し た 紅

の 時 間 の 経 過 が み せ る 経 年 の 妙 味 が 心 を 豊 か に す る 。

康 煕 年 間

( 1 6 6 2 ~ 1 7 2 1 )

は 、 日 本 で は 江 戸 前 期 か ら 中 期 に 相 当 す る 。 そ

と し 、 窮 屈 な 高 台 内 に 「 大 清 康 煕 年 製 」 と 染 付 け 、 総 体 に 銅 釉 を 施 し て い る 。

華 奢 な 形 姿 な が ら 手 に 取 る と 心 地 よ い 重 さ が 手 に 伝 わ る 。 胴 の 底 部 を 露 胎


1 6 0


の 形 も 珍 し い 。

拠 を み る 。 腹 部 で は 裳 端 が 強 調 さ れ 、 左 手 の 蓮 華

は 、 観 音 菩 薩 の 標 章 と 知 ら れ 、 『 観 無 量 寿 経 』 に 典

な ま で に 高 く 結 ば れ た 寶 髻 で あ る 。 宝 冠 部 の 化 佛

#081 銅造高麗観音菩薩立像 ¥1, 000, 000. ~ 像高32. 5

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う に 観 察 さ せ る 。 目 に つ く の は 化 佛 で あ り 、 異 様

覚 的 に は 上 半 身 を 強 く 意 識 し て 表 現 し て い る よ

朝 鮮 の 金 銅 佛 と し て は 大 型 に 区 分 さ れ よ う 。 視


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#082 高麗青磁牡丹唐草刻線瓶 ¥1, 000, 000. ~ 付識箱(モミ 貼札) 15×15×28 口辺ソゲ

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殺 さ れ る 。

任 。 南 朝 鮮 独 立 選 挙 の 実 施 を 巡 り 李 承 晩 と 対 立 、 暗

国 独 立 党 党 首 。 大 韓 民 国 臨 時 政 府 首 相 、 大 統 領 を 歴

金 九

( 1 8 7 6 ~ 1 9 4 9 )

は 韓 国 の 民 族 主 義 者 、 韓

#083 金九 書額 二 ¥1, 000, 000. ~ 紙本 縦額:31×118 額54×154 横額:104×28 額124×51 ヤケ シミ

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#084 メタテ石造祭台 ¥1, 000, 000. ~ 所載本コピー 100×50×50 目の眼No. 186 (H4. 4月号)掲載品

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#085 尼崎より明石まで海陸図屏風 小形 六曲 一双 ¥1, 500, 000. ~ 紙本 282×84 屏風294×98 表具スレ

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#086 伝川原慶賀 蘭人秘事画幅 ¥1, 500, 000. ~ 付識箱(桐) 絹本 石軸端 44×108 表具59×198 ヤケ

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入札オークション 東京下見会

会期:2021年1月17日(日) 10:00~16:00

会場:丸ビルホール 〒1006307 東京都千代田区丸の内241丸ビル7F J R東京駅丸の内南口より徒歩1分

東京下見会展示品は別冊清華譜(本冊子)特集掲載作品と、116回入札オークションの一部作品になります。 下見ご希望品もお持ちしますので、1月12日までにお申しつけ下さい。 尚、展示会場の関係上、お持ちできる数に限りがございます。たくさんのお客様にお楽しみいただくために、 お一人様数点まででお願いいたします。

京都下見会

会期:2021年1月20日(水)・21日(木) 20日 10:00~17:00 21日 10:00~16:00

会場:京都市勧業館 みやこめっせ 入札締切

2021年1月28日(木)必着 詳細はお問合せわせ下さい。

〒604-0811 京都市中京区堺町通二条上る亀屋町176 TEL.075-254-8851 FAX.075-254-8854

176, Kameya-cho, Nakagyo-ku, Kyoto, 604-0811 JAPAN.

発行日 2020年12月10日 issued; 10th Dec. 2020 http://www.kogire-kai.co.jp e-mail office@kogire-kai.co.jp 禁、 無断転載・複製



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