オヴニー・パ リの 新聞
毎月 1 日・15 日発行
© Musée Colombophile Crespin
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1er août 2019
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北フランスの 愛鳩文化。
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間は大昔から鳩の帰 巣本能をさまざまな 形で利用してきたが、 ベルギーでは1810年頃、 「鳩 レース」が生まれた。鳩舎か ら離れたところで鳩を放ち、帰 舎の速さを競うものだ。国境 を接するフランス側にも鳩レー スは伝わった。特に、鳩を携え てフランスに働きに来た炭鉱 夫たちにより、愛鳩文化は北 フランスに根を下ろした。 真っ暗な地下で8時間の重 労働を終えた後、鳩を大空に 羽ばたかせる楽しみ。一時は 炭鉱労働者の9割が愛鳩者と いわれるほど、炭鉱夫たちの 集合住宅(coron)では鳩が飼 われ、鳩との共存生活が営ま れていたという。足環、足環 をはめる器具、 トロフィー、 レー スのタイマー、情報誌、餌、 ワクチン…愛鳩産業が興り、 鉄 道網の発 達で鳩の運 搬が 容易になったことで、鳩レース は社会的、地域的に、広範な 人々に楽しまれるようになった。 レース鳩を協会に連れて行 き仲間とビールを飲むひととき。 初心者には先達が鳩を与えア ドバイスするしきたり。鳩を中 心とする愛鳩コミュニティーは、 今日も健在だ。フランスの愛 鳩人口は1万3千人。その半数 が集中しているという、愛鳩文 化の息づく北フランスへ、鳩好 きたちに会いに行った。 (六)